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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年3月21日(令和2年3月21日)
原油市場暴落で金融機関が打撃を受ける
原油価格の急落が米エネルギー企業の経営を直撃している。
引用元:「原油クラッシュ」で負の連鎖 エネ企業の不振が金融へ
18日までにテキサス州の原油・ガス生産会社など複数の企業が破産申請に追い込まれた。
大手でも設備投資を抑制する動きが相次ぐ。
同業界への融資が多い米金融機関は与信コストが上昇し、貸出余力は低下する。
社債市場からも資金が流出し、M&A(合併・買収)には逆風となる。
「原油クラッシュ」が生む負の連鎖は米経済に暗い影を落とす。
現在、原油市場が20ドルを割れる状況でございまして、アメリカの原油・ガス生産会社が破産する事態に陥っております。
20日の原油先物相場は急落。
引用元: 米原油先物が一時20ドル割れ、週間では湾岸戦争以来の下落率
米原油先物は一時20ドルの大台を割り込んだ。
週間では1991年の湾岸戦争以来の大幅な下げを記録。
新型コロナウイルスによる需要減退を巡る懸念が売りを誘った。
大手の原油・ガス生産会社でも設備投資を抑制しており、それらの企業に融資している金融機関は打撃を受けているようです。
このまま原油安が続けば、原油・ガス生産会社が破綻が続き、そこに融資している金融機関に信用不安が生まれ、最悪金融危機に発展する可能性がございます。
突然の「原油クラッシュ」は米地方銀行の経営をも揺さぶりかねない。
引用元:「原油クラッシュ」で負の連鎖 エネ企業の不振が金融へ
米オクラホマ州など産油エリアにある一部の地銀は、自己資本を上回る融資をエネルギー企業に提供している。
融資先の業績悪化で与信コストが増加しかねない。
金利低下で利ざやが圧迫されるなか、二重の苦しみとなる。
エネルギー企業と地銀の苦境は地域経済の冷え込みにつながる。
要するに、体力が削られた金融機関が貸し渋りと貸し剥がしなどを行いつつ、原油・ガス生産会社が発行した社債などを投げ売りすることで、さらなる債券市場の動揺が生まれ、実体経済にも悪影響を及ぼす可能性が高いということです。
ロシアとサウジアラビアを仲介するトランプ大統領
トランプ米大統領は19日の記者会見で、原油生産量をめぐるロシアとサウジアラビアの対立について「適切な時に関与していく」と語った。
引用元: トランプ氏、ロシア・サウジ仲裁に意欲 原油急落で
急激な原油安が国内のシェールオイル業者の収益に打撃となることを踏まえ、仲裁に意欲を示したものだ。
「我々にはこの状況に対処する大きな能力がある」とも強調した。
この原油安って、サウジアラビアとロシアが協調減産を拒否しているからという要因が大きいので、トランプ大統領がサウジアラビアとロシアの仲介役になり、協調減産にすれば、原油価格は上昇トレンドに回帰すると思われます。
ニューヨーク原油先物相場は18日、1バレル20ドル台と約18年ぶりの安値をつけた。
引用元: トランプ氏、ロシア・サウジ仲裁に意欲 原油急落で
米国の多くのシェールオイル業者にとって採算割れとなる水準とみられ、安値を放置すれば業者の倒産や雇用縮小につながりかねない。
シェール生産は11月の大統領選の大票田である南部テキサス州などで多いこともトランプ氏が仲裁に意欲を示した要因とみられる。
アメリカの景気後退はほぼ確実な情勢のところに、さらに所得と雇用が失われるようなことがあれば、トランプ大統領の再選も危うくなります。
ロシアは原油安で景気後退する
ロシアのプーチン大統領は原油生産を巡り対立するサウジアラビアには屈しない見通しだ。
引用元:プーチン大統領、原油生産でサウジの「脅し」に屈しない-関係者
ロシア政府はサウジの要求を脅しと見なしており、世界のエネルギー市場を混乱させている価格戦争が続くことを示唆している。
(中略)
ロシアの損失はすでに目に見える形で表れており、通貨ルーブルは下落、経済はリセッション(景気後退)に向かっている可能性がある。
国家予算は原油価格40ドル強を前提としているため今年は財政赤字に陥る公算が大きく、政府系ファンドの資金に頼らざるを得ない恐れが生じている。
ロシアはサウジアラビアに対する敵愾心を剝き出しにして、脅迫には屈しないという姿勢を堅持しております。
ロシアという国はモノカルチャー経済という性格が強く、特に原油価格が低下すると国家の税収にも影響してしまうのです。
原油高になれば、ロシア経済は潤うし、原油安になれば景気後退入りがほぼ確実になってしまうという脆弱な経済体制なので、早晩苦しい経済運営を強いられますが、プーチン大統領が弱気な姿勢を崩すことはないでしょう。
国際政治の舞台で弱みを見せたら、瞬殺されるという厳しい現状を一番理解しているのがロシアであり、プーチン大統領だからです。
したがって、苦しい経済運営になったとしてもプーチン大統領がトランプ大統領の仲介に応じるとは思えません。
日本がロシアとサウジから原油を大量買い付けすればいい
日本の石油備蓄事業は、国の直轄事業として実施している国家備蓄と、民間石油会社等が法律により義務付けられて実施している民間備蓄、産油国と連携して行っている産油国共同備蓄の3本立てで進められています。
引用元:独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構:我が国の石油・石油ガス備蓄
国家備蓄は、全国10ヵ所の国家石油備蓄基地と民間石油会社等から借上げたタンクに約4,954万klの原油および石油製品が貯蔵されており、民間備蓄は、備蓄義務のある民間石油会社等により、約2,983万klの原油および石油製品が備蓄されています。
産油国共同備蓄は日本国内の民間原油タンクを産油国の国営石油会社に政府支援の下で貸与し、当該社が東アジア向けの中継・備蓄基地として利用しつつ、日本への原油供給不足が懸念される場合は当該原油タンクの在庫を優先的に我が国に供給する事業であり、約167万klが貯蔵されています。
国家備蓄、民間備蓄、産油国共同備蓄を合わせた約8,104万klの石油が、私達国民の共通財産であり、その量を備蓄日数に換算すると約208日分(2017(平成29)年3月末現在)となり、万一石油の輸入が途絶えた場合でも現在とほぼ同様の生活を維持できます。
我が国日本は国家備蓄と民間備蓄に分かれておりますが、石油を備蓄しており、将来時点におけるオイル・ショックに備える必要もございます。
原油価格が低下している今が最大の好機なので、大量に原油を購入して、日本各地に原油備蓄基地を増設して、もしものときは大量放出するべきかと存じます。
日本がロシアとサウジアラビアから大量に原油を買い付けしつつ(需要の創出)トランプ大統領がロシアとサウジアラビアを説得するのを高見の見物すればよろしいのではないかと。