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現代貨幣理論

BNPパリバ証券の中空麻奈は現代貨幣理論を誤解する人の仲間入りか

投稿日:

現代貨幣理論の基礎
uematu tubasa著『現代貨幣理論の基礎

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年1月8日(令和4年1月8日)

BNPパリパ証券は現代貨幣理論に恨みでもあるのか

それでも、財政再建を振りかざした途端、いくつもの反論が出てこよう。
代表的なものとして3つ挙げる。
第1に、金利が低い間はどれだけ借金しても問題はないとする、いわゆる現代貨幣理論(MMT)。
(後略)

引用元:財政再建の第一歩は「無駄」の排除 中空麻奈氏

本日はBNPパリパ証券の中空麻奈氏(以下敬称略)の現代貨幣理論の理解が完全に間違っており、財政に関する基礎的な考えも間違っていることを説明する記事でございます。

まず、現代貨幣理論とは、様々な貨幣理論を内包しておりますが、端的に言えば、変動相場制を採用し、自国通貨発行権を保有する中央政府に財政的予算制約は存在しないということを説明している理論です。

租税貨幣論、内生的貨幣供給説、貨幣の起源、ストックフロー一貫モデル、財政の実務を説明しているのです。

そもそも中空麻奈が主張している金利とは何かがよくわかりません。
金利には、政策金利、長期金利、貸出金利などがあり、それらはしっかりと峻別して論じなければなりません。

いわゆる準備預金(日銀当座預金など)のやり取りをする無担保コールレートの金利を政策金利とすることが一般的であり、その国家の中央政府が発行する10年物国債の金利のことを長期金利と言い、民間企業や個人に民間金融機関がお金を貸すときの利子率のことを貸出金利と言います。

どの金利のことを指しているのかわかりません。

現代貨幣理論においては、変動相場制という政策余地が大きい為替相場制を採用しているのか、自国の都合で発行することができる通貨を保有しているのかが決定的に重要であると説明しているのです。

MMTはいくつもの制約と仮定のもとに成り立つ恒等式にすぎないうえ、金利が十分に低くとも元本が増えれば財政の悪化に歯止めはかからない。

引用元:財政再建の第一歩は「無駄」の排除 中空麻奈氏

MMTにいくつもの制約と仮定の下に成り立つ恒等式とのことなのですが、現代貨幣理論の恒等式は以下のようなストックフロー一貫モデルの説明の一部で出てきます。

国内民間収支 + 国内政府収支 + 海外収支 = 0

引用元:L・ランダル・レイ. MMT現代貨幣理論入門 (Kindle の位置No.990). 東洋経済新報社. Kindle 版.

要するに、誰かの支出は誰かの所得という原則を恒等式で表すと、上記のようなことになります。
我々のような一般国民、つまりは民間の収支が黒字になるためには、政府部門の赤字が必要であり、海外部門の赤字(言い換えるならば、その国家にとっての貿易黒字)が必要ということなのです。

ただ、これは制約やら仮定で演繹された主張ではなく、統計的かつ会計的な事実であり、現代貨幣理論の一部です。
この恒等式が現代貨幣理論のすべてだと誤解されている、もしくは悪意を持ってミスリードしようとしているとしか思えません。

また、公的債務が累積することそのものを敵視しているという点からも、現代貨幣理論を理解していないことの証左になります。

現代貨幣理論を理解していれば、財政赤字に安心するはずですし、財政赤字は民間部門にお金を供給している通常運転であるということがわかります。

以下において、財政再建派の中空麻奈の主張を批判していきましょう。

政府支出は持続可能だからお金が足りないことを心配しなくてよい

いくら内容や対象を変えても、現金給付が続けば「バラマキ政策」とのそしりを受けかねない。
何より財源確保がない状態での分配政策は、持続可能ではない。

引用元:財政再建の第一歩は「無駄」の排除 中空麻奈氏

現金給付を継続する政策を「バラマキ政策」と言い蔑んでいる中空麻奈でございますが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛によって、労働行為そのものが極端に難しいという経済情勢だったのに、現金給付を非難するというのはどういった了見なのでしょうか。

日本国民に飢えて死ねと?
現金給付、特に特別定額給付金は一律給付だったため、シングルマザーや立場の弱い非正規労働の女性を助けたことは確実であり、中空麻奈は女性の敵と言えます。

義務教育で学習したことすら理解できていない中空麻奈に申し上げますが、発券銀行である日本銀行を実質的な子会社としている日本政府は、日本円を生み出すことができます。

したがって、本来は財源確保なんて不要ですし、便宜上国債を新規発行すればいいだけなので、持続可能です。
少なくとも財政的な予算制約、言い換えるならば、お金が足りないから政府支出できないということはあり得ないのです。

財政再建の定義をまず明確にしてから論じてくれないかな?

リフレ派とて、景気が上昇した暁には財政再建を目指すのであろうし、財政再建派も堅調な景気回復を完全に諦めたわけではない。
ただ、20年間にわたって1%にも届かないような成長しかしていない日本で、過度に楽観的な景気回復シナリオを描くのは幻想が過ぎるだろう。

引用元:財政再建の第一歩は「無駄」の排除 中空麻奈氏

中空麻奈は基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化を一時凍結し景気を優先する人々のことをリフレ派としているわけですが、景気回復した場合は財政再建を目指すだろうと主張しているようです。

そもそも財政再建とは何かということを明確に定義していただかないと、何を言いたいのか理解できませんよ。
公的債務対GDPを引き下げることなのでしょうか、公的債務の累積額を減らすことなのでしょうか。

財政再建の定義が異なると、財政再建という目的を達成するための手段も変わりますので、何をしたいのかもわかりません。

現代貨幣理論としては、政府支出の上限はインフレ率という主張です。
デフレから脱却できないのであれば、過度なインフレにならないように計量シミュレーションを実施した上で、予算を執行して、経済成長すれば問題ありません。

GDPが継続的に増えることを経済成長と定義し、GDPには政府最終消費支出が含まれますので、GDPを増やすには政府支出を増やすのが妥当なのです。

最後になりますが、とてもではないですけど、BNPパリパ証券にお金を預けたくありません。

以上です。

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