大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2023年1月20日(令和5年1月20日)
緊急投稿です。
アメリカの政府債務が上限に到達してしまう
米政府の債務が19日、法定上限を突破した。
引用元:米政府債務が上限到達、年央に不履行も 議会は調整難航
米財務省が特別措置で年央まで資金繰りを支える間に、米議会は上限の引き上げや停止に向けた合意を得る必要がある。
アメリカ経済における懸念材料が着火してしまいました。
債務上限問題と呼ばれており、アメリカでは国債などの債務残高に議会が上限を設けています。
なぜならば、財政規律を働かせる必要があるからとのこと。
このままですと、アメリカ国債の利払いや償還ができなくなるかもしれません。
なぜならば、連邦政府が政府機関を運営するために支出するお金を国債の新規発行で賄えないからです。
変動相場制を採用し、自国通貨発行権を保有する中央政府に財政的予算制約は存在しません。
しかしながら、財政的予算制約以外は存在します。
大きく分類すると、供給制約と法的制約に分けることができます。
今回は法的制約に激突し、アメリカ国債が債務不履行で、債券価格が暴落するかもしれません。
したがって、債券投資家にとっては阿鼻叫喚の地獄絵図になる可能性がございます。
苦渋の資金繰りに終始する政権運営か
今回は米財務省が公務員退職・障害者基金などの運用を変更して資金繰りをつなぐ特別措置を発動した。
引用元:米政府債務が上限到達、年央に不履行も 議会は調整難航
6月5日までの措置で、少なくともその時期までは不履行を避けることができる公算が大きい。
この債務上限問題を解決するためには、債務上限の凍結もしくは上限引き上げが必要になります。
したがって、アメリカの上院と下院にて債務上限問題を回避するための法案を通過させねばなりません。
現在のアメリカ議会はいわゆる「ねじれ議会」でして、民主党と共和党の政治的妥協が難しいです。
当面の間はどのように資金繰りすればいいのでしょうか。
アメリカ財務省は公的基金の資産運用を一部変更して、現預金を確保する特別措置を発動したようです。
2023年6月5日までの期間限定の措置のようです。
しかしながら、油断はできません。
なぜならば、ハリケーンや大地震などが発生した場合、資金が早期に枯渇するかもしれないからです。
財政的な不安を抱えた政権運営になることはほぼ確実です。
政府の赤字は民間の黒字である
仮に、政府が支出した財政支出よりも税金を徴収してしまったら、民間経済は貧乏になります。
非営利組織である日本政府が民間経済という営利部門を貧乏にしては駄目でしょう。
民間の赤字の場合は、民間経済が過剰消費か過剰投資していることになります。
したがって、バブル経済であり、極めて危うい岐路に立っています。
事実、日本政府は政府の黒字(財政黒字)になりましたが、バブル崩壊してその時の株価最高値を更新できてません。
また、アメリカでもクリントン政権下において政府の黒字(財政黒字)を達成しました。
しかしながら、アメリカ経済はITバブル崩壊という憂き目に遭いました。
余談ですが、ITバブル崩壊後のアメリカ株式市場は悪夢とすら呼ばれるほどに低迷期を迎えております。
我々が恐怖するべきは政府の黒字であって、政府の赤字ではありません。
中央政府にはお金を創造する権限があるのですから、お金が足りないという事態にはなりません。
本来、法的制約さえ無ければ、過度なインフレに注意して政府支出を行えばいいのです。
景気後退を深刻化させる原因になるかもしれない
過去のほとんどのリセッションではマイナス成長が2四半期以上連続したが、それは非営利学術団体「全米経済研究所(NBER)」の委員会が景気循環の変わり目を判断する基準ではない。
引用元:今年の米景気後退確率61% WSJ調査
もし債務上限問題が解決されず、アメリカ国債が債務不履行になれば、経済は不安定化します。
また、アメリカ連邦政府は国債を発行できないため、政府支出が停滞するかもしれません。
それはアメリカの民間経済にお金が流れていかないということですから、景気後退を深刻化させます。
私は政治経済系ブログの中ではアメリカ経済について継続的に取り上げてきました。
逆イールドの発生、コストプッシュ・インフレの発生、政策金利の引き上げなどご紹介してきました。
率直に申し上げて、アメリカ経済の景気後退の確率は高まりつつあり、債務上限問題もどうなるかわかりません。
株式市場や債券市場の崩壊という事態にもなりかねないので、私は注視していきたいと考えます。
※参考記事:逆イールド解消もインフレ懸念と政策金利引き上げが景気後退を誘発か
アメリカ経済の景気後退を示す経済指標が出始める
米商務省が19日発表した2022年12月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算)は138万2000戸と前の月の改定値から1.4%減った。
引用元:12月の米住宅着工、1.4%減 4カ月連続マイナス
前月比マイナスは4カ月連続で、22年7月以来5カ月ぶりの低水準になった。
住宅ローン金利の高止まりによる需要減を映した。
住宅着工件数というのは、景気の動向を知る上で重要な経済指標です。
アメリカの住宅着工件数が4ヵ月連続で前月比マイナスを記録しております。
したがって、景気後退懸念が強まっています。
政策金利が引き上がって、アメリカの金融機関の住宅ローン金利が高止まりしております。
いわゆる金融引き締め効果が間接的には出ているようです。
高止まりした住宅ローンを嫌って、アメリカ国民は住宅を新規購入することを控えるようになりました。
住宅を新規建設することによる付随的な需要が減少することになりますから、景気を冷やすこと確実です。
景気後退一歩手前なのではないかと心配です。
債務上限問題が一刻も早く解決されることを願っています。
以上です。