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日本経済

ユニクロの賃上げが株主至上主義批判論者とアパレル業界に与える衝撃

投稿日:

アパレル

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2023年1月14日(令和5年1月14日)

ファーストリテイリングが国内人件費を増やす決断

「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは3月から国内従業員の年収を最大4割引き上げる。
パートやアルバイトの時給の引き上げも既に実施しており、国内の人件費は約15%増える見込み。

引用元:ファストリ、国内人件費15%増へ 年収最大4割上げ

ユニクロ(UNIQLO)を運営するファーストリテイリングは国内従業員の年収を最大4割引き上げるようです。

パートタイム労働者やアルバイト従業員の時給の引き上げは既に実施しており、国内の人件費が約15%増える見込みとのこと。

物価上昇に伴う生活苦に抗うため賃上げの必要性が叫ばれております。

そんな中、上記のようなニュースが流れ、様々な意見が錯綜しております。

本日は私なりに上記のニュースを詳細に分析したいと思います。

生産性向上は素晴らしい

 最近、ユニクロのレジ待ちの行列が短くなったと感じている読者も多いのではないかと思う。
今回は、その立役者であり、店頭から物流現場まで幅広く活用されるようになった「RFIDタグ」を取り上げる。

引用元:ユニクロの「レジ待ち行列」を解消したRFIDタグの威力

さて、本題に入る前に申し上げるべきことがございます。

私個人のユニクロ(UNIQLO)を運営するファーストリテイリングという企業に対する評価です。

生産性向上という点については素晴らしい企業だと思います。

しかしながら、倫理観が欠如している企業でもあります。

以前の記事でもご紹介しましたが、ユニクロ(UNIQLO)にてRFIDタグにより精算効率と物流効率が上がりました。

これから人手不足が顕在化する日本で、ITでの省人化というのは必須の取り組みです。

したがって、生産性向上という点ではユニクロ(UNIQLO)を評価しております。

倫理観が欠如している企業

米国の税関当局が、ファーストリテイリングが運営する「ユニクロ」のシャツ輸入を差し止めていたことが19日、分かった。
中国・新疆ウイグル自治区の団体が関わった衣料品などの輸入を禁止する措置に違反したとしている。

引用元:米税関、ユニクロシャツの輸入差し止め ウイグル問題で

一方で、ウイグル綿が使用されている可能性のある衣料品を販売しております。

こちらも以前の記事でご紹介しましたが、柳井正会長兼社長がウイグル問題に言及せず非難されました。

私はこの事件以降、ユニクロ(UNIQLO)の衣料品は購入してはおりません。

賃上げの実施はアパレル業界での生き残り戦略の一環と見る

同社は2022年9月に国内でパートやアルバイトの時給を平均2割引き上げた。
従業員では20年に一部の職種の初任給を引き上げていたが、2000年前後に現在の制度を導入して以降では全面的な賃金の引き上げは初めてとなる。

引用元:ファストリ、国内人件費15%増へ 年収最大4割上げ

ユニクロ(UNIQLO)においては、パートやアルバイトの時給を平均2割引き上げました。

また、従業員においては初任給が月額30万円、新人店長ともなると月額39万円の給料になるそうです。

私はこの賃上げの動きは3つの側面から影響が大きいと考えております。

まず、他のアパレル系企業との人材獲得競争に勝利するための戦略という側面です。

生活に欠かせないものとして「衣・食・住」と言われております。

その中の衣料品を提供しているのがアパレル業界であり、ユニクロ(UNIQLO)はトップ企業です。

日本国内で事業展開する以上、人手不足は避けられませんし、他のアパレル企業に勝利し続ける必要があります。

したがって、一企業の生存戦略として、他のアパレル企業に入社する人材を抑制するべきです。

また、その人材を自社に入社してもらうよう誘導するべきです。

そのためには、賃上げという武器が必要でした。

要するに、他のアパレル企業に対する兵糧攻めです。

世界3位のアパレル企業であるファストリはグローバル企業として本社のある日本での人材育成を重視している。
従業員の賃金制度を国内外でそろえることで、日本で採用し育てた人材を海外へ異動しやすくする狙いがある。
海外採用の従業員も日本に赴任しやすくなる可能性もある。

引用元:ファストリ、国内人件費15%増へ 年収最大4割上げ

さらに言えば、日本国内の従業員の給与が低いために、海外赴任を断られる可能性がありました。

なぜならば、デフレだった日本における給与水準ですと、海外の物価水準では生活できないからです。

また、海外の従業員を日本に赴任するのも難しくなっていたようです。

給与が低いために日本への赴任を嫌がる海外採用の従業員もいたのではないかと思われます。

給与水準を引き上げることで、人材の流動性を確保して、機動的なグローバル事業展開が可能となります。

合理的な経営判断と言えますね。

株主至上主義批判する人間はこの事実を受け止められるのか

株主至上主義とは、企業経営の目的が株主の利益を確保することにある考え方になります。
利益追求のための行動は、商品やサービスの積極的な提供だけではありません。
利益追求は、企業内でも突き詰めることができるのです。
例えば、人員削減を行ったり、市場への規制緩和を働かせたりすることが挙げられます。

引用元:株主至上主義からステークホルダー資本主義へ見直しとは?

3つ目として、ユニクロ(UNIQLO)の賃上げという経営判断は株主至上主義批判論者へのカウンターとなった側面がございます。

株主至上主義とは、企業の目的が株主への配当や株価上昇に偏ることを肯定する主張や行動のことです。

従業員の人員削減、人件費の抑制、設備投資の抑制など経世済民という観点から望ましくない行動が肯定されてしまいます。

もちろん、私は株主至上主義には反対しております。

ただ、ユニクロ(UNIQLO)を運営するファーストリテイリングはアパレル業界で時価総額が一番大きい企業なのです。

※参考記事:ファストリ、時価総額10.8兆円 アパレル世界首位に

しかも、ファーストリテイリングの賃上げのニュースが流れた当日の株価は上昇しております。

緊縮財政よりも株主至上主義を打破するべきと主張している人間にとっては不都合なことになりました。

なぜならば、株主至上主義が蔓延している日本において、アパレル業界で時価総額ナンバーワンのファーストリテイリングが賃上げに踏み切ったのですから。

ベーシックインカムや公共投資で市場に溢れたお金が株主至上主義に毒された企業や株主に吸い取られるという主張があります。

そのの説得力は毀損しました。-

株主へ分配されるはずのお金が、従業員への賃金水準の引き上げという形となり、それを好感して株価上昇しているわけですから。

アパレル企業のリーディングカンパニーとは言え、人材獲得競争に勝利し、グローバルかつ機動的な事業展開を可能とするためには賃上げを実施するのです。

これでもし公共投資やベーシックインカムで労働需要が高まり、労働供給が低下したらどうなります?

さらなる賃上げに踏み切らなかったら、企業の存続すら危うくなりますよ。

もちろん、キャピタルゲイン税の増税や累進課税化に踏み切るべきなのは当然です。

法人税の税率引き上げ、設備投資減税、設備投資補助金も実施するべきです。

株主至上主義批判はどんどんやるべきですし、設備投資や賃上げの圧力を企業や株主に加えるのは必要でしょう。

ただ、そこに固執して政府支出拡大を批判するのは違うということは明白となりましたね。

以上です。

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