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金融引き締めの影響で景気後退か。住宅市場の冷え込みと長期貸出減少

投稿日:

日本銀行

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年11月20日(令和4年11月20日)

本日は金融政策の影響について気になる動きを紹介します。

経営者保証が無くなると融資しにくくなるのでは

金融庁は2023年から、金融機関の中小企業向け融資で経営者が個人で背負う「経営者保証」を実質的に制限する。
メガバンクや地域銀行、信用金庫といった預金取扱金融機関は保証の必要性など理由を具体的に説明しない限り、経営者保証を要求できなくなる。

引用元:中小「経営者保証」制限へ

金融庁は中小企業向け融資で経営者が借金を個人で背負う「経営者保証」を制限する予定です。

民間金融機関は「経営者保証」の必要性などを具体的に説明しない限り「経営者保証」を要求できなくなるそうです。

個人が起業しやすい環境を整備する狙いがあるとのことですが、逆の結果になりかねません。

「経営者保証」を要求しにくいから、個人に対する融資に対して及び腰になる民間金融機関が出現するかもしれません。

なぜならば、経営者個人が借金を背負うということは、起業が失敗しても借金の取り立てがしやすく、融資を返済してくれる可能性が高まるからです。

それが難しくなるわけですから、事実上の金融引き締め政策の1つと言えるでしょう。

私は民間金融機関の中小企業向け長期貸出が減少すると予想します。

政策金利の引き上げが住宅市場を冷え込ませる

世界の住宅価格が高騰から値下がりに転じた。
スウェーデンなどではピークに比べ約1割下げ、米英独など主要国も夏場から下落し始めた。

インフレを抑えるための利上げの「効果」でもあるが、世界で250兆ドル(約3.5京円)の規模の市場が急収縮すれば家計債務や金融機関への影響は避けられない。

引用元:住宅市場が世界で変調 北欧1割安、東欧金融不安の兆し

新型コロナウイルスの感染拡大のため、社会活動を一気に停止させたことで景気が極度に悪化しました。

そのため、瞬間的な景気後退が発生し、大規模な金融緩和と財政出動に各国政府は踏み切りました。

その副作用として、インフレ(継続的な物価上昇)が発生したので、今年になってから各国は金融引き締めに舵を切っています。

上記が2020年以降の景況感なのですが、金融引き締めの影響で住宅市場が冷え込んでいるようです。

スウェーデンでは約10%ほど住宅価格が低下しました。

また、ニュージーランドやカナダでも住宅価格が急落しているとのこと。

住宅が建設されると、木材需要、コンクリート需要、家電需要、労働需要など副次的な需要が喚起されます。

しかも、住宅を購入する人は銀行などから長期のローンを組んで支払うことになりますから、資金需要も高まります。

要するに、住宅とは需要を喚起するための起爆剤のような役割を果たしているのです。

その住宅の価格が低下しているということは、住宅需要が縮小しているということであり、副次的な需要の縮小を意味します。

その結果、景気後退に各国が突入するかもしれません。

言い換えるならば、世界同時不況への突入ですね。

住宅市場こそ世界経済の中心である

住宅市場の規模は大きい。
英不動産サービスのサヴィルズによると世界の住宅資産の価値は2020年時点で250兆ドルと株式市場(約100兆ドル)の2.5倍だ。
縮小に向かえば家計や銀行など広範に悪影響をもたらす。

引用元:住宅市場が世界で変調 北欧1割安、東欧金融不安の兆し

人間にとって重要な衣食住の「住」の部分ですから、世界的な市場規模はとても大きいものと言えます。

世界全体の株式市場の2.5倍ですから、その規模の大きさはご理解いただけると思います。

乱暴な言い方をさせていただけるならば、株式が無くても人間は困らないですが、住宅が無くなったら困りますよね。

それくらい重要な市場が縮小に向かえば、経済活動も停滞してしまうのです。

先進国はインフレ対策として、政策金利を引き上げます。

各国の民間金融機関は準備預金を保有するだけで、ある程度の利回りを稼ぐことができるわけですから、長期的な貸出というリスクを避けようとします。

その結果、住宅ローンなどといった長期貸出の金利が高くなってしまい、高金利では住宅の購入を諦める人が増えます。

本来供給されるはずだった住宅が供給されないわけですから、需要が縮小してしまうのです。

住宅需要の縮小で、住宅価格が低下すれば、家計のバランスシートが毀損して、逆資産効果が発生しやすくなります。

要するに、資産と借金を比較した場合、借金の方が大きくなり、借金返済のために消費や投資を抑制するということです。

需要を縮小させずにインフレを抑制するべき

もちろん、先進国の政策担当者は好き好んで住宅需要を縮小させているわけではありません。

ロシアのウクライナ侵攻というイレギュラーもあり、インフレを退治するための苦肉の策として金融引き締めを実施しています。

住宅ローン金利を間接的に引き上げることで、住宅を建設するために確保されるはずだった雇用と賃金が減少します。

また、住宅の新設に伴う家電需要なども縮小することで、消費が減少し、さらに雇用と賃金が減少することにもなり得ます。

比較的低所得者に我慢と失業を強いることで、インフレを抑制しようというのが、政策担当者の思惑なのです。

しかしながら、本来ならば、所得減少などで痛みを享受するべきは高額所得者です。

なぜならば、高額所得者の所得が減少したところで、その高額所得者の命や健康が損なわれるということは少ないからです。

低所得者が失業または所得減となれば、自殺という最悪の結果を招きやすいので、それは何としても回避しなければなりません。

失業と所得減が伴わないインフレ退治こそ必要なのです。

したがって、法人税の税率引き上げと設備投資減税や設備投資補助金で物やサービスの効率的な生産を後押しするべきです。

そして、物やサービスに関係する税金を暫定的に引き下げるべきなのです。

物価が高騰しているのに、税金が価格を押し上げているという不合理は正さねばなりません。

ガソリン税を暫定的に停止し、消費税を廃止するだけでどれほどの人が救われるのか真剣に検討していただきたいです。

まるで、ひび割れた大地に水が注ぎこまれるが如く、日本経済全体が潤うでしょう。

以上です。

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