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反逆する武士

世界経済 現代貨幣理論

アメリカの金融危機が再燃している。ゼロ金利政策は金融安定に貢献か

投稿日:

アメリカ

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2023年4月27日(令和5年4月27日)

ファースト・リパブリック・バンクの預金流出が異常

米中堅銀ファースト・リパブリック・バンクは24日、第1・四半期に1000億ドル余りの預金が流出したと明らかにした。
(中略)
同行は役員報酬カットやオフィス縮小、第2・四半期中の従業員約20─25%を対象とする人員削減でコストを減らす計画を示した。
また、保険対象の預金を増やし、連邦準備理事会(FRB)からの借り入れも圧縮するとした。

引用元:米ファースト・リパブリック、預金1000億ドル超流出 選択肢模索

2023年3月から始まってしまったアメリカの金融危機が再燃しました。

ファースト・リパブリック・バンクという中堅銀行から預金が約13兆円ほど流出した模様です。

役員報酬の削減や人員削減などを打ち出しましたが、株価は暴落しております。

その結果、金融危機一歩手前という事態になりました。

以前、アメリカの大手銀行などがファースト・リパブリック・バンクに預金することで、流動性を確保したと思われていました。

しかしながら、予想を超える預金流出で、経営危機に陥っているようです。

さらに悪いことに、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)がファースト・リパブリック・バンクを救済しないかもしれません。

救済措置へのアクセスを意図的に厳しくするとは

米銀行規制当局は、統一金融機関評価システム(UFIRS)に基づく米地銀ファースト・リパブリック・バンクの格付けを引き下げる可能性について検討している。
実施されれば、同行は連邦準備制度理事会(FRB)の緊急貸出制度へのアクセスを制限され得る。

引用元:ファースト・リパブリック、FRB貸出へのアクセス制限も-関係者

銀行の連鎖破綻という事態になれば、金融機関同士の資金の融通が壊れます。

その結果、短期金融市場の金利が跳ね上がり、金融危機にまで発展します。

誰しも経営破綻するかもしれない取引相手にお金を貸したくありませんし、疑心暗鬼が蔓延します。

そういった事態を予防するためには、金融機関に対する救済措置が必要です。

しかしながら、銀行規制当局はファースト・リパブリック・バンクの格付けを引き下げるかもしれないのです。

格付けを引き下げるということは準備預金を供給するための緊急貸出制度の利用を制限することと同義なのです。

金融危機を意図的に引き起こしたいのかと思えるほど、愚策と言い切ってよろしいのではないかと。

ファースト・リパブリック・バンクの破綻可能性は70%だと思います。

大手銀行に買収されるか、政策当局の奇跡的な手法でどうにか救済されるという道が残っております。

今後も、このニュースは追っていきたいと思います。

質問が来ていたので、回答します。

「したがって、国債の金利が上昇して、民間金融機関が国債を買い求めたとしても、民間金融機関の日銀当座預金が減少するだけであり、民間金融機関が融資できるお金が減るということにはなり得ません。」
銀行が融資をするときに原資が不要、というのは同意します。
ただ、日銀当預が減ると引き出しや決済用の備えが減るため、結果として融資できる金額が減る ということはないでしょうか?
1 また、国債利息が上がるということは、銀行間の貸し借りの金利も上がりますよね?
2 加えて国債価格が下がるということは売ると損になるので国債を売って資金調達が難しくなり、ますます銀行が借りる必要が大きくなる。それがますます銀行間金利を上げる。
3 そしてそれらによる銀行の負担上昇は、預金者に転嫁される 
といったことを考えたのですが、いかがでしょうか?

引用元:犯罪組織罪務省さまのコメントより

上記のコメントが寄せられました。

回答させていただければと存じますが、2点前提条件を提示します。

1、現時点(2023年4月)での日本の金融環境を前提とする。

2、現時点(2023年4月)での日本の政策金利を前提とする。

まず、上記引用元の一番の疑問は、何らかの要因によって日銀当座預金が減少したら、個人や民間企業に融資できる金額が減るのか否かという点かと存じます。

結論から申し上げれば、現時点での日本では融資できる金額が減るとは考えにくいと思います。

例えば、銀行が日本国債10年物を購入した直後、日々の決済や他行への振込などで、日銀当座預金が必要になったとします。

その場合、銀行は短期金融市場にて日銀当座預金を調達します。

コール市場もしくはレポ市場で、ほぼゼロ金利状態(場合によってはマイナス金利)でお金を借りることができます。

したがって、日銀当座預金が減少することで引き出しや決済用の備えが減ることを怖れ、融資できる金額が減るというのは考えにくいのです。

言い換えるならば、日銀当座預金を調達する費用をあまり考えずに、債券を購入できますし、融資も可能です。

さらに砕けた表現をするならば「日銀当座預金が無ければ、短期金融市場で調達すればいいじゃない」というマリー・アントワネットばりの高飛車な態度で問題ないということです。

国債利回りが与える影響とは

さて「1 また、国債利息が上がるということは、銀行間の貸し借りの金利も上がりますよね?」という件に回答します。

結論から言えば、現時点での日本では国債利回りが上昇したからといって、コール市場もしくはレポ市場での金利が上がるとは思えません。

日本銀行が金融緩和を維持している以上、ちょっと考えにくいと言えます。

上記の質問の意図としては、仮に日本国債2年物の利回りが5%まで上昇、民間金融機関はそれを購入したい、そのためには日銀当座預金が必要で、日銀当座預金の需要が高まり、銀行間の日銀当座預金を借りるときの金利が上がるのでは?ということなのではと推察します。

日本銀行が金融引き締めに転じ、コール市場もしくはレポ市場での金利を引き上げるようなオペレーションを実行しない限り、それはちょっと考えにくいですね。

民間金融機関が日本国債2年物の購入に殺到し、日本国債2年物の利回りが一気に下がるというだけという結果に終わる気がします。

厳密に言えば、どの程度の利回りとなり、国債がどれくらいの量の新規発行となるのかによって、短期金融市場に与える影響は変わってくるのではないかと。

2 加えて国債価格が下がるということは売ると損になるので国債を売って資金調達が難しくなり、ますます銀行が借りる必要が大きくなる。それがますます銀行間金利を上げる。

こちらも同様に、結論から言えば、考えにくいです。

国債価格が下がるということは売ると損というのは同意します。

けれども、コール市場もしくはレポ市場での資金調達が容易な環境ですと、ちょっと考えにくいかなと。

国債を売らずとも、国債を担保に日銀当座預金を確保することが容易なわけですし、ゼロ金利は金融を安定化させています。

3 そしてそれらによる銀行の負担上昇は、預金者に転嫁される

この3番目の件も同様に、結論から言えば、現時点での日本では考えにくいです。

仮に、日本銀行が金融引き締めに転じ、日銀当座預金を調達する費用が高まった場合だったとしても、預金者に転嫁されるとは考えにくいですね。

預金者に日銀当座預金の調達費用を負担してもらおうと考える金融機関は、日本円を預けてくれる個人や、日銀当座預金を伴った預金振込をしてくれる法人から敬遠されてしまいます。

ますます日銀当座預金を手に入れることができなくなります。

したがって、仮に日銀当座預金の調達費用が高い場合は、貸出金利を高くして、お金を借りる経済主体に負担してもらうことになるでしょう。

少なくとも、預金者に転嫁することは無く、日銀当座預金の確保のため、預金者を優遇すると思います。

回答は以上です。

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