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世界経済 国際情勢

アメリカの物価と長期金利を分析。アメリカ国債が債務不履行になる?

投稿日:

アメリカ

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年7月23日(令和3年7月23日)

アメリカは自国通貨を保有する国家である

本日はアメリカ経済を「物価」「長期金利」「債務上限問題」という3つで分析する記事になります。
私個人としては、アメリカ株に対して投資しているわけですから、アメリカ経済の動向には興味関心がありますので、ある意味備忘録的に残したいと思います。

まず、アメリカ経済を現代貨幣理論的に分析します。
変動相場制を採用し、自国通貨を保有する連邦政府に財政的予算制約はありません。

したがって、お金が足りないから連邦予算を執行することができないとはなりません。
お金とは連邦政府やアメリカ連邦準備銀行の債務でございますから、お金を自らの意思で新規発行することが可能でございます。

この時点でアメリカ国債が非自発的デフォルト(債務不履行)ということにはなりにくいと言えます。

問題はアメリカ経済の供給能力や実物資源の制約であり、あまりにも連邦政府が公共投資、減税、給付金の支給などを行うと、継続的な物価上昇(インフレ)を招く怖れがございます。

連邦政府がどのようなお金の使い方をしているのか、より多数の自国民を経済的困窮から救うためにお金を使えているのか、供給能力を超えるほどの需要増大が生じ、過度なインフレになっていないか注意しなければなりません。

以上を踏まえて、アメリカ経済を分析しましょう。

財政的予算制約は無いが、債務上限という制約が復活か

連邦政府が借金のために発行できる国債の残高は法律で定められている。
現在は2019年から債務上限の適用を一時停止しており、7月末にその期限を迎える。

(中略)
8月から政府は借金を増やせなくなるため、政府閉鎖や米国債の債務不履行(デフォルト)を避けるためには米議会の承認を得て上限を引き上げるか、適用を停止する必要がある。
議会が対策を講じずに上限が復活した場合、財務省が公的年金基金への拠出を制限するといった緊急措置で資金をやりくりするしかない。

引用元:米債務上限復活で10月にも資金枯渇 10年前の悪夢再び

アメリカの国債発行残高は法律の制限を受けておりまして、とある上限額までしか発行できないと定められております。

2019年にその当時のトランプ大統領とアメリカ議会の間で債務上限の適用を一時(2年間)停止しており、2021年7月末でその一時停止期間が終わりを迎えることになります。

アメリカ議会の承認を得て、上限を引き上げるか債務上限の適用を再度停止する必要がございます。
アメリカ議会の共和党には財政規律を重視する議員がおりますし、民主党にも財政悪化を懸念する議員が多いので、どうなるのか不透明です。

ステファニー・ケルトン教授が活躍できれば、この危機も突破できると思います。

ただ、個人投資家としては最悪の結末を考慮しなければなりません。
それはアメリカ国債のデフォルト(債務不履行)でございます。

そのような場合は、アメリカの長期国債は投げ売り状態になり、アメリカ国債の価格は下落し、アメリカの長期金利(10年物国債金利)は跳ね上がることになるでしょう。

個人的には、アメリカの長期国債の価格が下落して、下がり切ったタイミングを見計らって債券または債券ETF(上場投資信託)を購入するのも、選択肢として視野に入れています。

以下においては、長期金利の動向を再度確認したいと思います。

アメリカの長期金利は下落傾向へ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済活動が停止してしまった影響で、株式市場や債券市場がある意味でのパニックになり、安全資産であるアメリカ国債が購入されました。

FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が量的緩和を行い、国債を購入したため、巨額財政出動であっても長期金利は下がりました。

その後、経済活動再開やワクチン接種が順調に進んだ影響で、安心感が高まり、アメリカの国債が売られ、順調に株価が回復して、長期金利は一時1.8%を超えるのではないかと言われましたが、そこから下落傾向が続いています。

今ではアメリカの長期金利が約1.3%付近で推移しているようです。

ここ3か月でFRBが量的緩和の縮小に動くのではないかとの懸念が広まりましたが、長期金利は上がるどころか下落傾向が続いているので、個人投資家としては買い場を完全に逃しました。

いずれにせよ、債務上限の復活によりアメリカ連邦政府の閉鎖や様々な財政支出に支障が出るようなことになれば、どうなるかはわかりませんので、じっくりと待ちたいと思います。

アメリカのインフレを心配し過ぎるな

最近のアメリカ経済においては、新型コロナウイルスによって縮小傾向にあった需要が回復しつつあるということ、給付金で労働者が現場復帰しにくい状況のため、インフレ圧力が高まっております。

需要は回復しつつ、供給は縮小したままでございますから、需要と供給バランスが崩れ、インフレに向かうのは想定の範囲内です。

上記はアメリカの消費者物価指数(CPI)の対前年同月比の推移でございます。

昨年春頃から新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経済活動を停止してしまったため、前年同月比だと4月以降の値は高めに出るのは当然でございますから、CPIが5%を超えるのも納得です。

CPIは食糧やエネルギーの価格も反映された数字でございますから、本当にアメリカの物価を把握するためには、コアCPIを見なければなりません。

コアCPIとは、食糧価格やエネルギー価格を除いた物やサービスの物価水準の指標でございます。


上記の画像をご覧ください。

アメリカのコアCPIに関しては、4.5%(6月)となり、CPIよりも0.9%ほど低い水準となっております。

極端な例を出して恐縮ですが、CPIが前年同月比5%上昇しており、コアCPIが1%上昇ということになると、食糧価格が高騰しているか、エネルギー価格が高騰しているかということになり、コストプッシュ・インフレ(生産費用増大型物価上昇)の可能性が高いと判断されます。

コアCPIとCPIの乖離が大きければ大きいほど、スタグフレーション(景気悪化なのに、物価は高騰)ということになりかねません。

現時点において、コアCPIとCPIを分析したところ、そこまで大きな乖離が発生しているわけではございません。
したがって、現在のアメリカのインフレは ディマンドプル・インフレ(需要増大型物価上昇) と判断できます。

デフレに陥るべきではありませんので、このままディマンドプル・インフレ(需要増大型物価上昇)であれば、そこまで怖れるべきではありません。

現代の供給能力の強化が容易な経済構造においては、 ディマンドプル・インフレ(需要増大型物価上昇) を怖れるのではなく、デフレを怖れるべきです。

以上です。

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