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日本経済 現代貨幣理論

就業保証プログラムのサボタージュ対策はプログラム参加拒否が一番か

更新日:

現代貨幣理論の基礎
uematu tubasa著『現代貨幣理論の基礎

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年1月25日(令和3年1月25日)

就業保証プログラムを巡る議論

本日は現代貨幣理論(以下、MMTと呼称)の唯一といってもいい政策提言で、就業保証プログラムについて議論を深めていきたいと思います。

私のTwitterを見ていただいている方はすでにこの件はご存知かと存じますが、sorata31様と政党を立ち上げる件について話が進むにつれ、私が就業保証プログラムに批判的という件で、就業保証プログラムの話になりました。

就業保証プログラムに関する疑問や批判点について回答していただき、私なりに考えを深めることができましたので、備忘録的に記事にしたいと思います。

その前にMMTにおける「就業保証プログラム」とは何かについて簡単に復習していきましょう。

就業保証プログラムとは何か

現代貨幣理論における「最後の雇い手」もしくは就業保障プログラム(Job Guarantee Program)をご紹介したいと思います。

「最後の雇い手」について、内藤敦之著『内生的貨幣供給理論の再構築』を参考文献とし、一部引用しつつ、説明させていただきます。

いわゆる「最後の雇用者」政策論は、有効需要論に基づく非常に積極的な財政政策の一環として、主張されている。
これは、雇用政策の一種であり、公共支出による財政政策ではなく、公共部門が失業者を雇用するというものであり、ほぼ同時にWray(1998)の「最後の雇用者(Employer of Last Report,ELR)」政策およびMitchell and Watts(2002)の「雇用保障(Job Guarantee,JG)」政策といった名称で提唱されている。

引用元文献:内藤敦之『内生的貨幣供給理論の再構築』pp282より

この「最後の雇い手」を我が国日本に適用するとなれば、日本政府もしくは地方自治体が働きたい人は誰でも雇う旨を宣言し、誰でも雇う際の賃金も公表し、最後の雇い手としての役割を果たすことになると思います。

雇い入れる際に、日本政府もしくは地方自治体が提示する賃金が実質的に最低賃金として機能します。

最低賃金を全国一律にして、さらに政治の力で引き上げることが可能になります。

不況期もしくは恐慌期において、失業者が増えた場合に雇用を維持することができ、好況期もしくは景気過熱期においては、政府及び地方自治体から民間企業へ労働力が移動します。

ある意味でのセーフティネット(安全網)として機能します。

これにはメリットがあり、失業による所得減少を最小限に抑制することができます。

失業手当や社会保障給付を最小限にすることができます。
失業に伴う、社会的費用を削減することができます。

失業に伴う社会的費用とは、人的資本の劣化(長期失業が招く労働力の腐食)、家族の崩壊、犯罪の増加、自殺の増加、医療費の増加などが含まれます。

この「最後の雇い手」は強制ではなく、任意であり、労働する能力と意志のある者が最後の雇い手の対象になります。

なぜこのような政策がMMTにおいて論じられているかと申しますと、ヨーロッパやオーストラリアなどで高い失業率が継続していたからだそうです。

失業という問題が恒常的に発生する経済を分析するに当たり、就業を保障するような計画案が立案されたのではないかと推察します。

仕事内容に関しては、現時点で地方自治体や日本政府が担っている業務を失業者にも行ってもらうというワークシェアリングではなく、就業保証プログラムのために計画された非営利事業を行います。

完全雇用を達成するために、財政的予算制約が無い日本政府がプロジェクトを立ち上げて、無制限に雇用することで、社会全体の安定化を図るという一連の仕組みが就業保証プログラムなのです。

完全失業者をできるだけ少なくすることで、供給能力を毀損せず、不況下における所得の減少を最小限にすることが可能なので、ビルトイン・スタビライザーとして機能します。

就業保証プログラムの問題点とは

私は現代貨幣理論を基本的には支持しておりますが、就業保証プログラムに関しては割と批判的です。

批判的である理由をわかりやすく列挙したいと思います。

1、民業圧迫になる可能性がある
2、サボタージュや規則違反行為への罰則が不明確
3、景気変動によるプログラムの維持が困難

1に関して説明させていただきます。

就業保証プログラムにおいて、非営利事業を行うとする場合、民間企業と競合するような事業内容だった場合、民間企業のビジネスの邪魔になってしまいます。

仮に、就業保証プログラムにおいて、食事を無料配布もしくは格安で配布するということになれば、飲食業を行っている個人事業主や民間企業の売り上げの低下を招き、民業圧迫になります。

日本政府や地方自治体のような非営利団体が、営利団体の邪魔をするのは、資本主義社会にとっては好ましいことではございません。

したがって、就業保証プログラムを実現するためには、民業圧迫にならないようなプロジェクトに限定する必要がございます。

例えば、子ども食堂や大阪道頓堀の清掃などです。
子ども食堂はそもそも食事にお金を払えない貧困層に向けて、食事を提供することが目的ですので、民業圧迫になりません。

また、大阪の道頓堀の清掃に関しては、そもそも営利事業にはなりません。

サボタージュする人間をどうするのか

2に関して説明したいと思います。

例えば、子供食堂で調理担当の仕事をしている人間が、サボタージュしたら、解雇できるのでしょうか。

解雇しなかったら、サービスの質が保てないので、利用する人間が少なくなり、子供食堂が成り立たない可能性があります。

配置転換は罰則として考えられますし、確かに抑止にはなり得るでしょうが、それだと抑止としてあまりにも弱いのではないかと思います。

民間企業の生産活動の質やモラルが比較的守られているのはなぜかというと、サボる、商売倫理に違反、法令違反などをやってしまうと解雇されたり、倒産するというペナルティが存在するからだと思っています。

少々古い言い方になるかと思いますが、信賞必罰がやりにくいというのが、就業保証プログラムの弱点なのではないかと。

配置転換となると、金銭的なダメージはあまり無いでしょう。

このサボタージュや規則違反問題(それ以上の法令違反となると、刑法違反などが考えられ、そもそも警察が介入して逮捕ということになりますから、本記事では言及しません)が就業保証プログラムの弱点なのです。

このような場合、就業保証プログラムからの強制的な除外及び参加不可というのが有効な罰則として考えられるのではないかと思います。

例えば、サボタージュや規則違反が発生した場合、その人は強制的に就業保証プログラムから追い出され、今後3年間は就業保証プログラムに参加できないというペナルティを科すのです。

あまりにも悪質なサボタージュであれば、永久的に就業保証プログラムに参加できないということも罰則の中に組み入れることができれば、サボタージュや規則違反への抑止力になり得るのではないかと。

景気過熱時には就業保証プログラム崩壊か

3に関して説明したいと思います。

就業保証プログラムへの参加者の数が景気変動によって増減すれば、同プログラムを通じた公共サービスが、安定的に供給できなくなる事態も生じ得ます。

引用元:島倉 原. MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論 (角川新書) (Kindle の位置No.2040-2042). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.

例えば、国土強靭化のための土木作業員を募集していた場合、景気が上向きになって、他の民間企業へ就職することになった場合はどうなるでしょうか。

国土強靭化を実施できなければ、自然災害によって人が死んでしまう危険極まりない日本列島のままです。

国民生活に必要な非営利事業を就業保証プログラムで行っていた場合、途中でプログラムが実行不可能になってしまったら、混乱が発生してしまいます。

景気過熱時においては、就業保証プログラムから自発的に離脱して民間企業に就職する人間が増え、就業保証プログラムが成り立たないという可能性がございます。

また、景気悪化時においては、就業保証プログラムに参加する人間が多くて、希望者に対して就業保証プログラムを用意できないという可能性もございます。

このような批判点がございますので、景気悪化時においては需要が増大しつつ、景気過熱時においては需要が縮小するような非営利事業を選定するのが最善策と言えます。

こども食堂などの貧困対策事業であれば、景気過熱時に貧困が緩和されれば、こども食堂にやってくる子供も少ないでしょうから、ある程度はプログラム縮小及び中止ということになっても悪影響は少ないと思います。

就業保証プログラムさえあればいいという暴論には賛同できない

仮に、就業保証プログラムさえあれば、その他の経済政策は不要と考えてらっしゃる方がいたら、それは違うと主張します。
※そんな方はいないと信じたいです。

就業保証プログラムには、上記のような問題点があり、その問題点に関する対処策はございますが、完璧な制度というわけではございません。

したがって、様々な経済政策を組み合わせる中で、理想的な国民経済の実現のための手段の一つとして、位置付けるべきかと。

まずは、非正規の公務員を正規雇用の公務員にして、公務員を増員(自衛官を含む)しつつ、最低賃金を受け取りつつ職業訓練を受けることが可能な制度を創設しつつ、就業保証プログラムを立ち上げるのが妥当なのです。

以上です。

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