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反逆する武士

世界経済

債務上限問題を徹底解説する。プラチナコインでアメリカ経済を救済か

投稿日:

アメリカ

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2023年5月21日(令和5年5月21日)

債務上限に関する協議が難航か

米連邦政府債務の上限引き上げを巡り、バイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長の側近による事務方協議が19日、一時中断した。
与党・民主党からバイデン氏が歳出削減で譲歩しないよう交渉中止を求める声がでていることなどが背景にある。

引用元:米債務上限交渉が一時中断 双方の隔たりなお大きく

変動相場制を採用し、自国通貨発行権を保有する中央政府に財政的予算制約はありません。

言い換えるならば、財政的予算制約以外の制約は存在します。

それが法的制約と供給制約であり、アメリカで特に問題になるのが債務上限問題なのです。

2023年5月19日に、バイデン大統領とアメリカ共和党のマッカーシー下院議長の話し合いが中断しました。

かねてより問題視されていた債務上限問題の協議が難航しているようです。

なぜならば、ねじれ議会で共和党との合意が無いと債務上限を引き上げることができないからです。

さらに言えば、債務上限問題を解決したいのであれば、歳出削減しろと強硬に共和党側が主張しています。

当然のことながら、バイデン大統領は経済政策を壊すような歳出削減は拒否するでしょう。

完全に泥沼状態です。

アメリカ株に投資している私としては他人事ではありません。

また、日本政府は外貨準備高をアメリカ国債で運用しております。

したがって、日本政府としても他人事ではありません。

イエレン財務長官の警告を真剣に受け止めたらどうだ?

イエレン米財務長官は16日、連邦債務上限が引き上げられず、米国がデフォルト(債務不履行)に陥れば、何百万人もの国民が給与の支払いを受けられなくなり、雇用や企業に大きな打撃をもたらすリセッション(景気後退)が引き起こされる恐れがあると警告した。

引用元:米デフォルトで景気後退の恐れ、イエレン財務長官が再度警告

アメリカ連邦政府の債務上限は第二次自由国債法(Second Liberty Bond Act of 1917)で定められております。

※参考:米連邦政府債務残高に設定される法定債務上限の適用を2年間停止、2019年超党派予算法成立

これまで、債務上限が一時的に停止されたり、債務上限そのものを引き上げるという決定がなされてきました。

2021年12月に、アメリカ議会は連邦政府の法定債務上限を約31兆4,000億ドルに引き上げました。

※参考:債務上限問題で米国政府にデフォルトリスク:米政府が1兆ドルのプラチナコイン発行を検討

しかしながら、2023年前半にはその債務上限に達してしまい、問題が深刻化しているのです。

イエレン財務長官は債務上限問題に関して上記のように警告しております。

我々はイエレン財務長官の警告を真剣に受け止めるべきです。

連邦政府が一部閉鎖され、政府職員がレイオフとなり、景気後退は深刻化するでしょう。

アメリカ連邦政府が発行する国債が債務不履行に陥れば、世界経済の土台が崩壊します。

なぜならば、安全資産として保有していた債券が安全資産では無かったとなれば、金融不安定性が高まるからです。

ただでさえ、政策金利の引き上げでアメリカ国債価格が下落しています。

そこにアメリカ国債の債務不履行となれば、政治的怠惰による金融危機が発生するかもしれません。

結局のところ、どうすればいいのでしょうか。

連邦政府の支出を削減するという延命策

連邦政府の国債の発行上限額は、議会による歳出関連法によって定められており、これを超えた資金調達を政府が行うことはできない。
現在の上限額は31兆4,000億ドルだが、発行残高は既にこの上限に達しているため、財務省は公務員退職・障害基金(CSRDF)などへの投資を一時停止するなどで手元資金を工面している

引用元:バイデン米大統領がマッカーシー下院議長と会談、債務上限引き上げ協議の継続に合意

この債務上限問題はずっと燻っていた問題です。

イエレン財務長官は債務上限に達するのを先延ばしにしようと考えていたようです。

アメリカ財務省は公務員退職・障害基金などへの投資を一時停止することで支出を絞っておりました。

確かに、連邦政府の支出を削減するのは債務上限問題に対する根本的な解決策のように思えます。

しかしながら、将来に対する投資を怠るということは未来のアメリカ国民が困ることになります。

また、社会保障や軍事費を削減するともなれば、アメリカ国民の貧困化は進み、安全保障が危機に陥るかもしれません。

財政黒字を達成するために、増税ともなれば、景気を瞬間的に凍らせることなります。

したがって、歳出削減に反対する、増税に反対するというのは経済を第一に考えるのであれば妥当と言えます。

アメリカ憲法修正第14条第4項に基づき、強権発動か

バイデン米大統領は5日、米国債のデフォルト(債務不履行)を回避するために合衆国憲法修正第14条を発動する用意はまだないと述べた。
条項発動の選択肢を排除していないことを初めて示唆した格好だ。

引用元:米大統領、憲法修正14条発動の用意「まだない」 債務上限巡り

2023年5月6日、バイデン大統領はアメリカ憲法修正第14条を発動する可能性を示唆しました。

拙ブログの読者様におかれましては、これと債務上限に関係があるのかと疑問に思うでしょう。

以下、アメリカ憲法修正第14条第4項をご紹介します。

アメリカ憲法修正第14条第4項を利用するのは無理筋だ

第4項 法律により授権された合衆国の公の債務の効力は、暴動または反乱の鎮圧のための軍務に対する恩給および賜金の支払いのために負担された債務を含めて、これを争うことはできない。
但し、合衆国 およびいかなる州も、合衆国に対する暴動もしくは反乱を援助するために負担された債務もしくは義務につき、または奴隷の喪失もしくは解放を理由とする請求につき、これを引き受けまたは支払いを行ってはならない。
かかる債務、義務または請求は、すべて違法かつ無効とされなければならない。

引用元:アメリカ合衆国憲法に追加され またはこれを修正する条項

簡単に説明しますと、アメリカ最大の内戦である南北戦争がございました。

北軍が勝利した結果、南軍は反乱軍ということになりました。

反乱軍の発行した公的債務なんて支払う義務はないというのが、後段部分の条文なのです。

この第4項の前段部分が、債務上限問題で論点になるところです。

要するに、アメリカ連邦政府の公的債務の効力を失うことは駄目と規定されています。

この憲法上の条文を根拠にして、債務上限を引き上げるということもできるという解釈があるようなのです。

債務上限に達することで公的債務の効力を失うのは憲法違反。

したがって、憲法違反にならないようにするのは大統領の権限で可能という理屈ですね。

個人的には、最高裁によって却下される可能性が高いのではと考えます。

なぜならば、戦争や反乱という特殊事情において公的債務の効力を失うことは無いということを規定した条文と解釈できるからです。

債務上限問題を解決する手段としては、ちょっと無理筋なのではないかと。

別の方法を模索しましょう。

1兆ドルのプラチナコインという奇策

バイデン政権の関係者や民主党議員の一部は、米政府に1兆ドルのプラチナコインを発行させることを検討している。
現在、議論が紛糾している政府債務上限問題で、上限の引き上げなどで民主共和両党が合意できず、政府がデフォルト(債務不履行)のリスクに直面した際に備える苦肉の策である。
政府が1兆ドルのプラチナコインを発行し、それを米連邦準備制度理事会(FRB)が買い入れれば、政府がFRBに持っている政府預金に同額が入金され、それで政府は債務を増やすことなく、歳出を行うことができる。

引用元:債務上限問題で米国政府にデフォルトリスク:米政府が1兆ドルのプラチナコイン発行を検討

アメリカ連邦政府の債務上限が法律で決まっています。

したがって、国債を新規発行しなければ問題ないと考えたエリートがいたようです(笑)。

1兆ドルのプラチナコインを発行して、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が買い入れるという奇策です。

その結果、アメリカ連邦政府の政府預金口座に1兆ドルが入金され、政府支出が可能となります。

税金は無くとも政府支出は可能ということを如実に表すこととなります。

したがって、これが本当に実現すれば、現代貨幣理論の正しさを証明する事案になりそうです。

私個人としては、この方法で特に問題無いのではないかと。

アメリカ連邦準備制度理事会にて、プラチナコインを資産買い入れプログラムに組み入れることで債務上限問題は解決します。

最後に個人投資家として思うこと

円高になって、株安となれば、絶好の買い場になるかもしれません。

個人投資家としては身構えるべき事態と言えましょう。

以上です。

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