大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年4月8日(令和3年4月8日)
クレディ・スイス・グループが巨額損失
スイス同行は6日、アルケゴスに絡み44億スイス・フラン(約5200億円)の減損を1-3月に計上することと、減配や自社株買い停止を発表。
引用元:クレディ・スイス、アルケゴス問題で業界最大の損失か-減損5200億円
投資銀行部門トップと最高リスク責任者を含む幹部数人の更迭も明らかにした。
ビル・ファン氏(以下敬称略)の私的な資産運用会社であるアルケゴス・キャピタル・マネジメントがレバレッジをかけた取引で損害が発生し、同ファミリーオフィスに対してお金を貸していた金融機関などが相次いで打撃を受けました。
アルケゴス・キャピタル・マネジメントは、追証要求に答えるために持ち株をブロック取引(※)したため、一部銘柄が暴落してしまい、金融不安が高まっております。
※ブロック取引とは、証券会社を通じて同一銘柄を一度に大量に相対取引で売却または購入する取引のこと。
アルケゴス・キャピタル・マネジメントに信用供与(要するにレバレッジの供与者)していたクレディ・スイス・グループが44億スイス・フラン(約5200億円)の損失を計上することになり、減配と自社株買い停止となり、責任者が更迭されるとのこと。
ある意味、当然の帰結と申せましょう。
ハイレバレッジにはリスクが付き物でございます。
日銀と金融庁が第二のアルケゴス・ショックを予防か
米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントを巡る巨額損失問題に関連し、金融庁と日銀は連携して国内金融機関の実態把握に乗り出す。
引用元:金融庁と日銀、高リスク取引を調査 米アルケゴス問題で
「ファミリーオフィス」と呼ばれる投資会社との取引で、大手金融機関に数千億円規模の損失リスクが生じた事態は重いと判断。
取引のリスク管理体制に加え、他の金融機関でも同様の問題がないか重点的に点検する。
今回のアルケゴス・ショックにおいては日銀と金融庁が共同で連携して、国内金融機関の実態把握に乗り出すようです。
まずは、規制を強化する前に実態を把握しないと、どのような種類の規制をどれだけ強化すればいいのかわかりませんので、ある意味当然の行動だと思います。
我が国日本の金融機関である野村ホールディングスや三菱UFJ証券などで損失を計上するようなことをしておりますので、まずはファミリーオフィスに対してどれほどのレバレッジ取引をしているのかを洗い出すのではないかと推察します。
個人的に心配なのは、ファミリーオフィスに対する規制強化を怖れて、ファミリーオフィスの資産運用のレバレッジ比率などを引き下げ、持ち株を担保に入れるという資産保全的なことをあまりに強化するため、株式市場で売りが殺到するという未来でございます。
こういったことになりますと、金融不安や株式市場の暴落ということになり得ますので、一般的な個人投資家としては厄介な事態に巻き込まれるかもしれません。
モルガン・スタンレーは逃げ足が早いようだ
米投資銀行モルガン・スタンレーは、ビル・フアン氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントが保有していた株式50億ドル(約5490億円)相当を3月25日時点で売却した。
引用元:モルガンS、アルケゴス銘柄50億ドルを3月25日売り抜け-関係者
取引の非公開を理由に事情に詳しい関係者の1人が匿名を条件に明らかにした。
モルガン・スタンレーはアルケゴス・キャピタル・マネジメントが保有していた現物株を他の証券会社などよりも早く売り抜けたので、損害を最小限にすることができたようです。
投資銀行の人間はやはり判断が早いです。
復習:個人がミンスキー・モーメントを引き起こす?
一族の資産を管理するファミリーオフィスは投資顧問業者としてSECに登録する必要がなく、所有者や幹部、運用資産額を開示する義務もない。
引用元:アルケゴスのフアン氏がひそかに積み上げた巨額資産、数日で消失
小規模なファミリーオフィスならば問題はないが、今回のように巨大ヘッジファンド並みの規模になった場合は市場全体にもリスクを及ぼし得る。
ファミリーオフィスというのは要するに私的な投資運用会社のようなものであり、誰かのお金を預かって資産運用するような公的なものではございません。
その結果、投資顧問業者としてアメリカ証券取引委員会(SEC)に登録する必要がなく、資産運用の開示の義務はないようなのです。
要するに、資産運用や金融取引の規制の網を抜けた事案ということのようです。
とある個人がプライベートで資産運用をするだけの会社を立ち上げただけならば、そこまで規制は不要という判断だったのでしょう。
規模が大きい場合は規制対象にする必要ありだと思います。
金融当局の規制強化は待ったなしでしょう。
個人資産が全世界的に影響を及ぼす事態になったわけですから。
ミンスキー・モーメントを個人が引き起こす事態になろうとは想定外ってことなのでしょうか。
ミンスキー・モーメント(Minsky moment)は、「ミンスキーの瞬間」とも呼ばれ、投資家が保有する、あまり投機的でないポジションさえも、債務支払のために売却する必要に迫られ、マーケットで価格下落スパイラルと深刻な貨幣需要が生じる瞬間をいいます。
引用元:ミンスキー・モーメント 金融経済用語集より
金融不安定性仮説は正しいのではと個人的には思ってしまいますね。
以上です。