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反逆する武士

世界経済

アメリカ経済の現在を分析する記事。投資戦略としての逆イールド分析

投稿日:

アメリカ

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2023年6月3日(令和5年6月3日)

債務上限問題が先送りされる

米ホワイトハウスのジャンピエール報道官は2日、バイデン大統領が早ければ3日に債務上限停止法案に署名する可能性があると明らかにした。

引用元:バイデン氏、早ければ3日署名へ 米債務上限停止法案

債務上限を一時停止する法案が上院も通貨しました。

したがって、バイデン大統領が署名すれば法案が成立することになります。

法案が成立しないということはあり得ません。

なぜならば、バイデン大統領とマッカーシー下院議長が合意した内容の法案だからです。

債務上限の先送りが事実上決定したことになります。

アメリカ国債が法的制約を原因とした債務不履行になるという最悪の事態は避けられました。

率直に申し上げて、安堵しております。

私個人が危惧していた上院議員の大量造反は無かった模様です。

さて、アメリカ経済は今後どのようになるのでしょうか。

逆イールドが未だに継続中

米国の債券市場で景気後退を織り込む動きが強まっている。
景気との連動性が強いとされる3カ月物短期国債の利回りが10年物国債を上回る「逆イールド」が加速し、約42年ぶりの大きさとなった。
米連邦準備理事会(FRB)は利上げ打ち止めを示唆しているものの、米国経済が後退局面に入るとの声が増え始めている。

引用元:米国債が映す景気懸念 逆イールド、42年ぶりの大きさ

景気後退の予兆とされている「逆イールド」が継続中のようです。

短期国債の利回りと長期国債の利回りを比べた場合、通常は長期国債の利回りが高いです。

なぜならば、お金が国債という形式で拘束されるので、長い期間であればあるほどそれなりの利回りが求められるからです。

しかしながら、その通常の場合通りの利回りとはならない場合がございます。

それが逆イールドです。

政策金利(FFレート)の引き上げに伴い、現預金または金融機関にとっては準備預金というポジションを採用するメリットが大きくなります。

したがって、国債を購入するメリットが相対的に小さくなります。

その結果、国債の買い圧力が弱まり、利回りが上昇します。

面白いことに、その利回り上昇が短期国債でより顕著に現れます。

なぜならば、短期国債の償還後の借り換えが行われないため、より短期国債の利回りが高まってしまうからです。

長期国債の場合は償還期間が長いため、償還後の借り換えタイミングが訪れていないため、短期国債よりかは利回りが上昇しにくいと言えます。

これを解消するためには、政策金利(FFレート)の引き下げが必要なのです。

政策金利の引き上げを見合わせるとのこと

アメリカのFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長が講演し、次回、6月の会合で物価の上昇を抑えるための金利の引き上げを停止する可能性を改めて示唆しました。

引用元:FRBパウエル議長 利上げ停止を改めて示唆

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は利上げを停止するかもしれないと示唆しました。

インフレ対策として政策金利(FFレート)の引き上げを推し進めてきたのですが、一旦踏みとどまるようです。

したがって、金融引き締め効果は遅効性なので、様子を見るという段階に入ったと見るべきでしょう。

今年の3月の銀行危機も少なからず影響していると思います。

私個人としては、景気後退局面を回避するためには、多少は政策金利(FFレート)を引き下げるべきだと思います。

なぜならば、逆イールドが継続してさらに深まった時点で、金融引き締めがかなり効いていると判断できるからです。

金融機関は準備預金を貯め込むことが合理的な経営判断となり、貸出を絞り、返済を迫るので、景気後退しやすい状況が生まれています。

しかしながら、インフレが沈静化しないとパウエル議長はそこまで踏み込まないでしょうね。

コストプッシュ・インフレは沈静化しつつある

アメリカ商務省が26日に発表した4月のPCE=個人消費支出の物価指数は、前の年の同じ月と比べて4.4%の上昇となりました。
伸びは3月の4.2%を上回りました。
また、価格変動の大きいエネルギーと食品を除いた指数も4.7%の上昇と、3月の4.6%から伸びがわずかに拡大しました。

引用元:米 4月の個人消費支出の物価指数 インフレの根強さ示す

アメリカのPCE(個人消費支出の物価指数)はアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が重要視する指標です。

そのPCEにも2種類ございまして、全体のPCEとエネルギーと食料品を除いたコアPCEがございます。

コアPCEよりもPCEの方が伸び率が高い場合は、コストプッシュ・インフレ(費用増大型物価上昇)と言われます。

賃金や雇用とは無関係に、原油価格や食糧価格の高騰による物価上昇のことです。

一般的には、悪性インフレとも呼ばれたりします。

要するに、望ましくないインフレですね。

しかしながら、現時点のアメリカにおいてはPCEよりもコアPCEの方が伸び率が高いようです。

したがって、現時点でアメリカで発生しているインフレはコストプッシュ(費用増大型)というよりも、ディマンドプル(需要増大型)の色彩が濃いと判断できます。

このまま原油価格(有名なのはWTI先物)が下がり、賃金や雇用の強さを背景とした物価上昇が継続するでしょう。

私はPCEよりもコアPCEの伸び率が高い状況が継続するのではないかと考えます。

なぜならば原油価格(有名なのはWTI先物)が最近は下落基調であり、OPECプラスの協調減産も難しいからです。

利下げは10月には踏み切るのではないかと。

アメリカの政策金利の引き下げが円安を是正する

さて、政策金利(FFレート)の引き下げがほぼ確実となれば、何が起こるのでしょうか。

政治経済というよりかは、投資戦略的な視点で分析しますと、円安の是正ですね。

昨今の円安は経常収支の黒字縮小と日米の長期金利差で発生したファンダメンタルズ分析で説明ができます。

要するに、日本で債券運用するよりも、アメリカで債券運用した方が儲かるから、円売りのドル買いが発生したことが要因の円安です。

そこに、経常収支の黒字縮小がボディーブローのように効いてきたと。

アメリカの利下げが発生すれば、その日米長期金利差が縮小するので、円高方向になるでしょう。

また、植田日銀総裁による量的緩和の一部解消となれば、さらなる円高ということになると思います。

アメリカ株を買い漁ることで資産運用をしている私としては、買い漁るタイミングが近いと言えます。

以上です。

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