大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年11月15日(令和2年11月15日)
東アジア地域包括経済連携協定に署名
REGIONAL COMPREHENSIVE ECONOMIC PARTNERSHIP (RCEP) AGREEMENT、日本語では東アジア地域包括経済連携協定と訳されますが、本日署名され、発効されれば世界最大の自由貿易協定になるそうです。
実はTwitter上ではかなり話題になっており、私も興味関心がございましたので、本日の記事は東アジア地域包括経済連携協定の基礎的なところをご紹介して共に学んでいければと考えています。
自由貿易協定には原則的に反対の立場
その前に、私個人の基本的な立場を明確にしたいと思います。
少なくとも、我が国日本がデフレ経済下である以上、日本に安価な外国製品が流入してデフレが促進されてしまう、重要な農作物などを外国に依存してしまう状況を生みやすい自由貿易協定には賛同できません。
よほど我が国日本にとって一方的に有利な協定だったならば、理解できなくもありませんが、そもそも協定ということは相手国の存在抜きに語れるものではございませんので、どちらか双方にとってメリットがないと無理でしょう。
人・物・お金が国境を超えて自由に移動することを至上とする考えや主義主張をグローバリズムと定義するのであれば、私は徹底的なアンチ・グローバリズムであり、日本独自の伝統文化を守るべきと考えます。
参加国は15カ国
東南アジア諸国連合(ASEAN)が中心となり、2011年11月には地域的な包括経済連携構想がスタートしました。
※参考資料:東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉
東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日中韓、オーストラリア、ニュージーランド、インドの16カ国で交渉を開始しましたが、インドは関税引き下げによる貿易赤字の拡大懸念から交渉から離脱しました。
率直に申し上げて、中国を牽制するためのインドが交渉から離脱した段階で我が国日本も離脱するべきでしたが、中国に東南アジア諸国連合(ASEAN)が蹂躙されてしまうという懸念もあったので離脱できなかったのではないかと。
関税を段階的に撤廃
RCEPの枠組みでは、中韓ともに9割程度の工業品で日本から輸出する際の関税を段階的に撤廃する。
引用元:RCEP、15カ国首脳が署名へ アジア貿易の転換点に
特に自動車部品などの輸出拡大への期待が大きい。
中国への輸出では、現在は3%程度の関税がかかっているガソリン車用のエンジン部品の一部などについて発効時に関税撤廃する。
日本の工業製品に課税される関税が段階的に撤廃されるようです。
関税というのは、輸入される物やサービスの価格競争力を弱める働きがあり、輸入品を購入する自国民への懲罰行為と言えます。
それを撤廃するということになれば、日本の輸出企業は儲かるでしょうが、その結果、輸出企業の従業員に恩恵があるかどうかというとわかりませんし、外需が伸び悩むのであれば内需拡大するべきでしょう。
食品の関税引き下げは対象外も
食品に関しても、中国向けの日本酒やホタテ、韓国向けの焼酎などの関税を段階的に撤廃。
引用元:RCEP、15カ国首脳が署名へ アジア貿易の転換点に
輸入に関しては、コメや麦などのいわゆる「重要5品目」は関税引き下げの対象から外す。
農業生産国が多い事情に配慮し、農林水産物の高度な自由化は見送った。
中国向けや韓国向けの関税を段階的に撤廃するそうです。
TPPのときにも問題になった米や麦などの重要品目の関税引き下げの対象からは外れるようです。
どう考えても協議が難航しそうな品目に関しては自由化を見送ることで、交渉が難航するということにしたくなかったのでしょう。
中国と韓国が困るようなルールがあるよ
工業品や農林水産品の関税削減・引き下げに加え、データの流通や知的財産など計約20の分野で共通のルールを設ける。
引用元:RCEP、15カ国首脳が署名へ アジア貿易の転換点に
投資企業への技術移転要求を禁止するほか、コンテンツやデータなどのデジタル情報に関し、国境を越えた自由な流通の確保を各国に求める。
中国への投資で困るのが、技術移転要求です。
簡単に言えば、中国への投資を許可してやるから、技術移転せよと強要するということを中国共産党は平然とやっていたのです。
この結果、外国企業の技術的優位が消滅してしまい、著しく不利になります。
そういったことを禁止するらしいので、中国や韓国は困ることになるのではないかと。
さらに知的財産権の分野でもルールが策定されるので、どう考えても日本と敵対する国家が困るような気がします。
このような経済連携協定に中韓が署名したことには驚愕します。
自然人の一時的な移動は移民ではない
Twitter上で我が国日本の脅威になると噂されていたのが、人が自由に移動できるので、事実上の移民になってしまうのではないかという懸念です。
ビジネス上の一時的な入国を簡潔な手続きだけで行えるようにしようとのことで、少なくとも移民受け入れではないということは確実に言えます。
「一時的な入国」とは、この章の規定の対象となる締約国の自然人による入国であって、永続的に居住することを意図しないものをいう。
引用元:(仮訳文)地域的な包括的経済連携協定(案)
問題はこれが事実上の移民や外国人労働者の受け入れに繋がらないのであれば、特に問題はないのではないかと。
さすがに商談や市場調査のために外国に入国するときの手続きを簡素化することがすぐさま移民ということにはならないでしょう。
日本人が海外への商談や市場調査する際に、外国から叩き出されるようなことになってしまったら厳しいですし、海外赴任がやりにくくなったら不便です。
※東アジア地域包括経済連携協定を読み込んだ上での判断ではございますが、異論がございましたら、参考記事や参考資料をご提示いただき、ご教示願えればと思います。
発効できないか、早期に崩壊する可能性あり
率直に申し上げて、中国や韓国がこの経済連携協定を遵守するとは思えません。
おそらく署名しても発効しないか早期に崩壊する可能性がございます。
※本記事に関しては外務省のHPである「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」を参考にしました。
以上です。