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オーストラリアは小型原子炉をアメリカから輸入して潜水艦を強化する

投稿日:

オーストラリア

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年9月25日(令和3年9月25日)

アメリカ・イギリス・オーストラリアの安全保障協力の具体的内容とは

米政府は9月15日、アメリカ・イギリス・オーストラリアによる新たな安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」創設を発表。
同時にオーストラリアに原子力潜水艦の建造技術を供与することを明らかにした。
(中略)
具体的な協力内容としては、原子力潜水艦の建造技術をオーストラリアに提供して原潜8隻を建造するとともに、長距離巡航ミサイル「トマホーク」を供与するとしている。

引用元:米英豪3カ国がフランスを「裏切った」本当の理由。対中包囲網に小型原子炉輸出という国益

先日の拙ブログでもご紹介しましたが、アメリカ、イギリス、オーストラリアというアングロサクソン系の「ファイブアイズ」国家群は新規の安全保障協力の枠組みである「AUKUS(オーカス)」を創設しました。

オーストラリアはフランスとの潜水艦契約を破棄してでも、アメリカやイギリスとの安全保障協力を重視する姿勢を見せたことにフランスは反発しており、駐豪大使と駐米大使を召還するという強硬姿勢を示しています。

上記引用元にもございますが、具体的な協力内容としては、原子力潜水艦の建造技術をオーストラリアに提供して、原子力潜水艦を建造して、かの有名な「トマホーク」を供与するのだそうです。

仮想敵国の遠くの海域の深海から長距離巡航ミサイルを発射することができるので、対中牽制やシーレーン防衛のために役立つことは確実かと思います。

原子力潜水艦であれば、継続航行期間が通常動力よりも長くなるので、長期間の作戦にも耐えられると思います。
個人的には原子力潜水艦を8隻では少ないので、倍の16隻は少なくとも必要だと思います。

8隻はシーレーン防衛や対中牽制のために配備して、残り8隻を自国防衛用に振り分けた方がよろしいのではないかと。

オーストラリアの海岸線の長さを考慮しつつ、整備や訓練などで実践配備できる原子力潜水艦は総数の約3分の1になることを考慮すれば、それでも少ないくらいだと思います。

また、通常動力潜水艦と原子力潜水艦を同時に運用することになるのかは気になるところです。

アメリカにとって小型原子炉の輸出につながり、旨味がある

原潜向けの小型原子炉は、発電所に使われる「加圧水型原子炉(PWR)」とほぼ同じもので技術的な差はない。
アメリカは部品を現地に運んで組み立てる「小型モジュール炉(SMR)」を開発中で、オーストラリア南部アデレードで組み立てるとみられる。

引用元:米英豪3カ国がフランスを「裏切った」本当の理由。対中包囲網に小型原子炉輸出という国益

オーストラリアがフランスとの潜水艦契約を破棄するに至った要因の一つとして、アメリカの国益にも合致したという背景があるそうです。

アメリカ国内では原子炉を建設するのが困難なので、原子力技術が低下してしまう危険性があり、原子力潜水艦の動力源となる小型原子炉(小型モジュール炉)をオーストラリアに輸出することで、技術力の維持になるとのことです。

我が国日本としても、オーストラリアを見習って原子力潜水艦を保持して、SLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)を装備するべきです。

アメリカ側に小型モジュール炉を輸出するように主張すれば、案外アメリカの軍産複合体は「Yes!」と承諾するかもしれません。

オーストラリアはフランスを突然裏切ったわけではない

オーストラリアがフランスとの潜水艦共同開発計画を撤回し、批判されている問題で、豪政治家は進展の遅れやコスト超過、適切性について何年も前から公の場で懸念が表明されていたため、仏側が想定外と受け止めるべきではないと主張、豪政府の文書からも計画撤回のリスクが存在していたことが示された。

引用元:豪仏の潜水艦開発契約、何年も前から破棄のリスク=豪文書

先日の拙ブログでもご紹介しましたが、 オーストラリアは潜水艦共同開発計画について、以前から不満を表明しておりました。

さらに、計画そのものの経費が掛かり過ぎるという問題もあり、新しい設計作業計画の提出締め切りを2021年9月まで延期したようです。

私の推測になりますが、潜水艦建造を受注していたフランス企業のNaval Group社は設計作業計画の提出締め切りを守れなかったので、オーストラリア側が見切りをつけて、アメリカとイギリスとの安全保障協力に踏み切ったのではないかと。

詳細に関しては、上記引用元記事をご確認いただきたいのですが、オーストラリア議会においてこの潜水艦建造問題には懸念が示されており、公文書にもその旨が明記されており、代替案も検討されていたようです。

オーストラリアがフランス側を突然裏切ったとの報道はあまりにも不公平であると言わざるを得ません。

オーストラリアの国防大臣の主張を聞いてみよう

ダットン氏は「従来型のディーゼル潜水艦は30年代以降に必要な能力がなく、我々は原子力潜水艦が必要だった。米英が運用するものと比べ、フランスのものは優れていなかった」と述べ、安全保障上、最良の選択だったと説明した。

引用元:仏外相「トランプ氏にそっくり」と激怒 潜水艦契約を米国が横取り?

ダットン氏(オーストラリアの国防相)は通常動力潜水艦では能力的に不適切であり、原子力潜水艦が必要であり、アメリカやイギリスで運用されている原子力潜水艦の方が優れていると主張されているとのこと。

そもそもフランスのNaval Group社は原子力潜水艦を建造していた企業でございまして、オーストラリア仕様として通常動力潜水艦に仕様変更を行い、設計するつもりだったと記憶しております。

オーストラリア側の言い分も私としては納得できるものではございませんね。
素直に設計作業計画の提出期限に間に合わなかったから、潜水艦契約を破棄せざるを得ないと主張すればいいと思うのですが。

フランスの造船企業側が違約金を請求する

仏政府系造船企業ナバルグループ(Naval Group)は22日、オーストラリアがフランスとの潜水艦開発計画を破棄したことで発生する違約金について、数週間以内に請求書を豪側に送ると明らかにした。
オーストラリアは2016年、ナバルグループが建造した通常動力型潜水艦12隻を購入することで合意。

当初の契約額は約500億豪ドル(約4兆円)だったが、後に560億ユーロ(約7兆2000億円)に見直された。

引用元:仏造船企業、豪政府に違約金請求へ 潜水艦契約破棄

仏政府系造船企業ナバルグループ(Naval Group)はオーストラリアの潜水艦契約を破棄することに対する違約金を請求するそうです。

潜水艦契約を締結した場合に、違約金の規定がどのようになっているのか存じませんので、何とも申し上げにくいのですが、ある程度の契約金の支払いは仕方ないのではないかと。

ただ、当初の契約金が倍近くまで膨れ上がった上で、設計作業計画の提出期限に間に合わなかったとなれば、オーストラリア側が潜水艦契約を破棄することになっても仕方ないと思います。

フランスとオーストラリアは仮にも友好国なのでございますから、両国間の懸念になりそうな種を蒔かないでほしいものです。

中国包囲網形成のために、世界は一つになるべきです。

以上です。

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