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国際情勢 資源安全保障

インドとロシアが軍事・エネルギーで接近し、準同盟国になりつつあり

投稿日:

インド

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年2月8日(令和2年2月8日)

インドが北極圏の油田に投資

ロスネフチによると、セチン社長が訪問先のニューデリーでインドのプラダン石油天然ガス相と会談し、北極圏の資源開発計画「ボストーク・オイル」への印企業の参画で基本合意した。
両国企業が参加する作業部会を立ち上げて詳細を詰める。
ロシア南部の港から20年に最大200万トンの石油を輸出する契約もインド国営石油インディアン・オイルと結んだ。

引用元: ロシア北極油田開発にインド参画へ、軍事協力も強化

インドが北極圏の資源開発に参画し、事実上の資源投資を行うことになりました。

この資源開発計画は「ボストーク・オイル」と呼ばれ、生産量は2030年までに1億トンに達する可能性があり、人口が爆発しているインドへの輸出を狙っています。

投資規模は1570億ドルで、パイプライン、道路、港湾などインフラ施設の建設が必要になり、 約10%から約40%ぐらいを日本企業にも出資してほしいとのことです。

※参考記事:ロスネフチ、北極圏の油田開発で日本企業に出資打診=関係筋

インドはロシアからミサイルを購入する

軍事協力の進展も示した。
ロシア連邦軍事技術協力庁の幹部は5日、インドで開かれた防衛産業展示会で、ミサイル防衛システム「S400」の同国への納入見通しを確認したとタス通信などに明らかにした。
米国が導入に懸念を示し、制裁もちらつかせて撤回に圧力をかけるなか、計画通り21年末までに納入や技術研修を始める構えだ。

引用元: ロシア北極油田開発にインド参画へ、軍事協力も強化

最近ではトルコにも納入されるか否かでアメリカと揉めていた「S-400」というミサイル防衛システムをインドが導入するそうです。

アメリカの外交的圧力を撥ね退けての導入ですから、素晴らしいことです。
やはり核武装国家だと外交力が段違いですね。

「S₋400」には脆弱性が存在し、山岳地帯で低空飛行する巡航ミサイルを撃墜できる射程は数100キロではなく、数10キロに激減するという報道がございます。

米アナリスト、露ミサイルS400の長所と短所を評価

中国からの巡航ミサイルから身を守るには適さないのではないかと推察します。
また、中国がインドに核攻撃する場合、ICBM(大陸間弾道ミサイル)での波状攻撃でしょうから、ミサイル防衛システムが機能するとは思えません。

ロシアが設計した自動小銃を生産か

同幹部はインド向けのロシア製自動小銃「カラシニコフ」の共同生産を20年に始める用意があるとも表明した。
ロシア製戦車の現地生産の許可も28年まで延長し、約460両が作られる予定という。
インドからの兵器の受注額が「過去3年で150億ドル(約1兆6500億円)を超えた」と述べ、連携を誇示した。

引用元: ロシア北極油田開発にインド参画へ、軍事協力も強化

インドはロシア製の自動小銃の共同生産を行い、ロシア製の戦車の生産も継続する見通しです。

確かにロシア製の自動小銃は耐久力が抜群ですから、野戦には向いています。
また、ロシア製の戦車は世界的にも高評価ですから、とても合理的な判断かと存じます。

インドとロシアの接近は地政学的に合理的である

ロシアの統計によると、印ロの貿易額は18年に前年比17%増の約110億ドルだった。
プーチン氏とインドのモディ首相は19年9月の会談で、貿易額を25年までに300億ドルに増やすことで合意した。
両国がさらに接近を強めれば、米国の警戒は必至で、米印の溝が深まることも考えられる。

引用元: ロシア北極油田開発にインド参画へ、軍事協力も強化

インドとロシアの接近がインドの対米外交に負の影響を与えるのではないかという趣旨の記事かと存じますが、地政学的に言えば、米国よりもロシアの関係を重視するのは当然です。

インドは対米外交を大事にしていますが、ユーラシア大陸の北方に位置し、国境を接することが無いロシアとは友好関係を保つのは地政学的に合理的なのです。

中国の侵攻を受けたら、ロシアが背後から中国を攻撃してくれるかもしれません。
インドはロシアを対中牽制のために利用したいのでしょう。

ロシアとインドの特殊な規制

ビジネスに関連したことで言えば、たとえば銀行業の認可の問題があります。
ロシアでは、外国の銀行がロシアで銀行業を行うためには、支店開設だけでは駄目であり、必ず現地法人の銀行をロシアに設立しなければなりません。
十数年前に、この問題がクローズアップされた際に、我々業界関係者は、「ロシアは何と規制が厳しく不自由な国か」と感じました。

引用元: インドと比べればロシアも普通? 2つの新興大国の関係と比較

ロシアで銀行業を行い場合、現地法人の銀行をロシアに設立しなければなりません。
ロシアの独特の規制があり、上記の記事では特殊な国と扱われています。

たとえば、「銀行がインド国内に支店を設ける際に、4店のうち1店は農村部に出さなければならない」という厄介なルールがあるそうです。
また、インドの銀行業で一番頭が痛いのは、「優先分野貸付」と言って、農業・中小企業・輸出信用という3つの分野に一定比率を貸し付けることが当局から義務付けられている点だそうです。
外銀にとって農業や中小企業の貸出し先を見付けるのは至難であり、必然的に輸出信用に集中することになり、それを開拓するのが大変とのことでした。
理不尽なことの多いロシアでも、そんなややこしい話は聞いたことがありません。

引用元: インドと比べればロシアも普通? 2つの新興大国の関係と比較

インドでは銀行業を行う場合、農業、中小企業、輸出信用に一定貸付しなければならないという規制があるようです。

・・・商売にならんやないかい(; ・`д・´)
インドは外国の銀行がインド国内で商業銀行として振舞うのがお嫌いなようです。

国内産業と国内の金融業を守るための規制ですから、仕方ないと言えます。
我が国日本のように外国企業のために国内の規制を撤廃する馬鹿とは違うということなのでしょう。

こういった点でもインドとロシアは似通っており、アメリカからの構造改革の押し付けを撥ね退けてきた国家です。
ある意味準同盟国として外交関係を深化させるのは当然と言えましょう。

以上です。

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