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反逆する武士

日本経済

内部留保が減少する民間企業。直接給付だけでなく設備投資と賃上げも

投稿日:

内部留保(四半期別)

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年2月13日(令和3年2月13日)

井上智洋のベーシックインカム導入論

この状況を打開するには、個人への継続的な直接給付「ベーシックインカム(※)」の導入が必要だと、本稿の共著者である日本ベーシックインカム学会理事の小野盛司先生と私は主張しています(支給額などについては、若干の相違がありますが)。
赤ちゃんからお年寄りまですべての国民に、無条件にお金を配るという政策です。しかも特別定額給付金のように1回配ったきりではなく、継続して配る。

引用元:「給付金支援は飲食店だけでなく国民全員に」コロナ不況を救う経済学者の具体案

井上智洋氏(以下敬称略)は新型コロナウイルスの感染拡大以前から、AIの台頭によって労働者が失業してしまう可能性が高い経済が現実のものになると警鐘を鳴らしており、ベーシックインカムの導入を主張しております。

私は井上智洋が出席されたセミナーや勉強会などに参加して、直接会話させていただきまして、私個人としてもベーシックインカム導入には賛同しております。

本当にAIによって失業が増えてしまい、失業が増え、所得が減ってしまう世の中が現実になるかは半信半疑でございますが、現時点の経済においても社会保障の穴を埋めるために必要な政策です。

ただ、私は井上智洋の主張に2点ほど反対している点がございます。

1つ目はベーシックインカムを実現するために所得税や法人税の増税などで財源を確保しよう考えている節がある点。
2つ目は民間企業が内部留保を貯め込んでいるという認識を持っている点です。

本記事においては、1つ目の論点は触れず、2つ目の論点について説明できればと考えております。

直接給付に舵を切るべしという主張は理解できるが

「企業の収入を上げるよりも、家計の収入を上げたほうがうまくいく」ということも言えます。
企業の収入が上がっても、結局は内部留保などとして貯め込んでしまう。
企業の持っているお金がどんどん増えても、人々の生活には反映されないという状況が、このところずっと続いていたわけです。

引用元:「給付金支援は飲食店だけでなく国民全員に」コロナ不況を救う経済学者の具体案

井上智洋の主張を私なりに解釈しつつ、ご説明します。

中央政府や地方自治体が支出を増やす(例えば、公共事業)と、民間企業の所得が増えます。

その後、民間企業の所得が増えたことにより、雇用が創出されたり、従業員の給与が増えることで、家計(または個人)にお金が行き渡ります。

ただ、民間企業が所得が増えてもそこから費用を差し引いた内部留保を貯め込んでしまったら、家計(または個人)にお金が行き渡らないのです。

民間企業の所得を増やすという間接的な手段ではなく、家計(または個人)に直接お金を配る方が効率的であると主張しているのです。

民間企業の所得を増やすという間接的な手段ではなく、家計(または個人)に直接給付するべきという主張は賛同致しますが、最近の民間企業は内部留保を貯め込んでいるわけではなくて、むしろ吐き出しているのです。

内部留保という単語を使うべきではない

議論に入る前に指摘しなければならないことがございます。
内部留保という単語を使用するべきではありません。

まず、内部留保というものは会計学上存在しません。

いわゆる俗語でございまして、正式な学術上の単語ではございません。
したがって、経済政策を語る上で内部留保という単語を使用すること自体がそもそも間違いなのです。

まず、そこは指摘させていただきたいと思います。

内部留保とは何か

それでは、内部留保とはどのような定義の単語としてこれまで日本人の脳内に定着しているのか、そこを明らかにしていきたいと思います。
東海東京証券株式会社のWEBページより、内部留保の説明を見てみましょう。

法人税を控除した企業の最終利益から、配当金、役員賞与などの外部流出資金を差し引いた残りのこと。
長期投資にふさわしい銘柄を選ぶなら、商品の魅力や売上高成長力だけでなく、内部留保の厚さにも目を向けるべきだ。

企業の蓄えを内部留保と呼ぶのが定着しています。
狭い意味では貸借対照表の「利益剰余金」が内部留保に相当すると考えていいでしょう。会社法の考え方では、企業の資産は最終的に株主の物です。
内部留保も当然、株主に帰属します。
内部留保が厚ければ、設備投資や大規模な買収といった企業行動の選択の幅が広がり、金融不安が減ることで、銀行が貸し渋りしてもすぐには困りません。
業績が多少悪くても、内部留保の一部を取り崩して安定配当を続ける会社も少なくありません。

https://www.tokaitokyo.co.jp/kantan/term/detail_1913.html

簡単に説明すると、内部留保とは、貸借対照表の資産の部において「利益剰余金」という勘定項目において記載されているものになります。

財務状況を示す貸借対照表で計上されているという意味で、ストックの内部留保と定義させていただきます。

TwitterなどのSNSで「内部留保」という単語が出てくるときは、貸借対照表の「利益剰余金」を指して、企業の内部留保が~~~~~~という話になることが多いようです。

※参考記事:内部留保という言葉を使うべきではない理由。増配は喜ぶべきなのか?

利益剰余金と現金・預金は異なる

また、「利益剰余金」が全産業(金融保険除く)において、全額が現金もしくは預金という形で民間企業が保有しているわけではありません。

財務省の法人企業統計からグラフを作成しました。
ご覧ください。

内部留保(四半期別)

青色の棒が「現金・預金」です。
緑色の棒が「利益剰余金」です。

2020年7-9月期の四半期別の結果を見ますに、「現金・預金」は220兆円を超えたところですが、「利益剰余金」は450兆円程度です。

あれれ?おかしいぞ?(名探偵コ〇ン風(CV:高山み〇み))
少なくとも200兆円以上の差がありますよ?

さらに付言するならば「利益剰余金」は徐々に減少に転じており、2019年10月-12月期をピークに減少に転じているのです。

なぜこのような経済現象が発生したのでしょうか。

経済停止で売り上げが減少し、雇用を維持しようとしたから

利益剰余金」とは民間企業の当期純利益から配当を差し引いたお金が民間企業の貸借対照表上に計上されることで増えます。

要するに、純利益どころか純損失(いわゆる赤字)になったり、配当を増やしたら「利益剰余金」は減少してしまうのです。
※会計学的に申し上げるともっと細かい話があるのですが割愛します。

新型コロナウイルスの感染拡大や消費増税によって、民間企業の所得(売り上げとほぼ同義)が減少してしまって、なおかつ仕事が無いのに従業員をできるだけ解雇しないようにしたら、民間企業の人件費は減少しにくいです。

その結果、民間企業全体(金融業や保険業は除く)では純損失つまりは赤字になってしまったので、利益剰余金が減少してしまったのです。

正確な表現ではございませんが、内部留保を吐き出したということになります。

したがって、井上智洋の内部留保を貯め込む民間企業という認識は、事実誤認の可能性が極めて高いと言えます。

民間企業にお金を吐き出させたいなら

民間企業の「利益剰余金」を減少させることを目指す経済政策を実行するというのは、無理筋です。

民間企業に多数の配当金を出させるか、民間企業全体を赤字にさせることになるからです。

配当金を民間企業の財務状況関係無しに出させるということは株主至上主義経済になってしまいますし、民間企業全体を赤字にしてしまったら、失業者がどれほど増えるか計算することすら躊躇われるほどです。

私は民間企業の「利益剰余金」ではなく「現金・預金」を現実的な手段で吐き出させて、お金を世の中に回していくべきだと考えております。

法人税の税率引き上げ(または法人税の累進課税化)を行い、節税意欲を増進させておいてから、設備投資減税と賃上げ減税と設備投資補助金の制度を拡充するべきです。

簡単に言えば、民間企業の経営者に対して、明確なメッセージを送るべきなのです。
守銭奴には増税を、事業拡大と人材確保には減税をと。

そうすれば、短期的には需要増大であり、長期的には供給拡大になる設備投資が増え、従業員の給料が増えます。

そこにユニバーサル・ベーシックインカムという直接給付を継続的に行えば、お金が家計(または個人)に効率的に行き渡るのではないでしょうか。

以上です。

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