大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年3月5日(令和4年3月5日)
ブログ更新が滞っており、本当に申し訳ございません。
仕事が佳境でしたので、ブログ更新どころの話ではございませんでした。
本日はロシアのウクライナ侵攻によって発生した経済事象に関してまとめ記事になります。
ロシアの自国通貨であるルーブルが大暴落
ルーブルは3日、対ドルレートで一時、118.35ルーブルまで急落した。
引用元:コラム:ロシア中銀制裁とルーブル暴落、日本企業にも大打撃の構図
これはロシアのウクライナ侵攻直前から約30%、今年1月初めから約60%下落した水準だ。
ロシアは当然のことながら、自国通貨発行権を保有しており、ルーブルを発行しているわけなのでございますが、対ドルレートで大暴落しております。
3月3日は1USドル=118.35ルーブルとなり、3月4日には1USドル=124ルーブルまで下落しております。
ロシアのウクライナ侵攻から30%以上暴落し、年初来という意味では60%以上下落した模様です。
率直に申し上げて、ロシアの自国通貨大暴落と表現して問題ありません。
このような場合ですと、ロシアの採用するべき自国通貨防衛策としては、以下の3つになります。
1、外貨売りの自国通貨買いという自国通貨防衛を目的とした為替介入
2、政策金利の引き上げ(ルーブルを保有するメリットを増やす)
3、資本規制(そもそもルーブルを外貨に換えることを抑制)
1に関しては金融制裁(SWIFT排除)をしているので、為替介入そのものが難しいと言えますので、主要な自国防衛策としては、2または3になります。
主要政策金利を引き上げることで自国通貨防衛か
ロシア中央銀行は28日、主要政策金利を20%に引き上げるとウェブサイトで発表した。
引用元:ロシア中銀、主要政策金利を20%に引き上げ-従来9.5%
従来は9.5%だった。
ロシア中央銀行は2022年2月28日、主要政策金利を9.5%から一気に20%まで引き上げることを決定したそうです。
そもそもロシアの主要政策金利って何?という話なのでございますが、調査したところ、1週間物入札レポ金利のことを指すらしいです。
※参考記事:ロシア中銀、コロナ禍による消費停滞を受け主要政策金利を4.5%に引き下げ
1週間物入札レポ金利のことを簡単に説明します。
国債を担保にして準備預金を貸し借りできる市場のことをレポ市場と申しまして、そのレポ市場における金利のことをレポ金利と言います。
そのレポ金利に関してもどれくらいの期間で準備預金を借りることができるかで、様々な種類に分かれます。
翌日返済しなければならないのであれば、翌日物となります。
1週間物レポ金利ということは1週間後に返済する約束でレポ市場で準備預金を借りる場合の金利ということであり、それが20%ということになります。
冷静に考えてみてください。
レポ市場において国債という担保を取りつつ準備預金を1週間貸し出すだけで20%もお金が増えるということになります。
確かにここまでの高金利となると、ロシアの金融業界としては、外貨で保有して運用するよりも自国通貨であるルーブルを国内運用した方がお得との判断になるかもしれません。
しかしながら、ルーブルを継続保有するだけで主要政策金利以上の損失が発生するかもしれないので、危険極まりない通貨に変貌してしまった感はぬぐえません。
原油価格高騰が世界経済に暗雲をもたらす
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は8.01ドル(7.4%)高の1バレル=115.68ドルで終了。
引用元:【米国市況】株が続落、原油115ドル台-ウクライナ危機深刻化で動揺
原油価格の指標として有名なWTI先物がなんと1バレル=115ドルまで高騰しているようです。
資源国であるロシアから原油を輸入することができないので、需給が逼迫してしまったのと、それを見越して大手ヘッジファンドが投機資金を投下したものと推察します。
このままでは一般消費財にまで原油価格高騰の影響が出てしまい、戦争とは全く関係ない一般庶民が苦しむことになるでしょう。
コストプッシュ・インフレ(費用増大型物価上昇)となり、景気後退も併せて発生し、スタグフレーションになる可能性も高まってしまいました。
ウクライナ西部の穀倉地帯が混乱しているのは痛手だ
アジア時間4日の取引で、シカゴ商品取引所(CBOT)の小麦先物価格は7%近く上昇し、週間では40%超上昇している。
引用元:小麦先物14年ぶり高値、週間で40%高 トウモロコシも高騰
ロシアのウクライナ侵攻を受け、世界有数の穀物輸出地域からの供給に支障が出ている。
地政学的な話になりますが、ウクライナ西部は世界でも有数の穀倉地帯でございます。
要するに、小麦などが大量に収穫できるところでございまして、ロシアのウクライナ侵攻によって小麦の供給不安が発生し、商品市場が混乱しているようです。
この短期間で40%も上昇するというのはただ事ではございません。
一刻も早く、アルゼンチンやアメリカなどの小麦生産国による増産を行わなければ、小麦価格が高騰してしまい、貧困層から飢えて死にます。
おそらく大手ヘッジファンドの投機資金も流入しているでしょうから、資本規制を強化して、商品市場への投機資金流入を防ぐべきです。
償還意欲を無くしつつあるロシア政府
格付け会社S&Pグローバルは3日、ロシア国債の格下げを発表した。
引用元:ロシア国債、S&Pが8段階の格下げ
外貨建ての長期債務格付けを「ダブルBプラス」から信用リスクが極めて高いとされる「トリプルCマイナス」まで8段階引き下げた。
(中略)
自国通貨建ての格付けも投資適格級の下限である「トリプルBマイナス」から投機的等級の「トリプルCマイナス」まで引き下げた。
格付け会社であるS&Pグローバルはロシア国債の格付けを引き下げました。
外貨建てと自国通貨建て無関係に「トリプルCマイナス」にしたそうです。
外貨建ての場合、自国通貨売りの外国通貨買いが発生するので、為替レートは下落しますし、為替レート下落トレンドが継続する限り、自国通貨建て国債を償還したとしても、ルーブル売りの外国通貨買いで為替レートがさらに下落するので、借金返済そのものが国民経済への打撃になります。
今後ロシア政府は借金返済をギブアップすることになりますし、その結果信用不安が発生し、新規国債を発行しても債券価格は暴落するでしょう。
これで海外投資家からお金を集めることは難しくなりました。
また、海外投資家の保有するロシア国債の利払いを停止する資本規制を導入するらしいので、償還意欲をすでに失っているのではないかと推察します。
変動相場制を採用し、自国通貨発行権を保有する中央政府に財政的予算制約はありませんが、償還意欲の喪失の場合は、財政破綻する可能性があります。
私個人の予想ですが、1年以内にロシア政府は財政破綻します。
以上です。