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世界経済

地方公務員の給与が約25%も減る中国。不動産バブル崩壊で給与減か

投稿日:

中国

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年12月29日(令和3年12月29日)

地方公務員の女性のSNSで給与が大幅減少することが判明

「ねえ、聞いて聞いて。給料が25%前後も減る。来年(の年収)は5万元(90万円)も少なくなる。どうやって暮らせばよいの」。
何の前触れもなく突然通告された中国の地方公務員給与の大幅ダウンを嘆いたのは、あの馬雲(ジャック・マー)が創業したアリババ集団の企業城下町である浙江省杭州市の女性職員だった。

引用元:中国公務員に突然25%年俸下げ通告、「土地ATM」が破綻

中国の交流サイトでの書き込みによって、地方政府の女性職員の給与が少なくとも360万円レベルだったということが判明し、経済格差が拡大している中国で話題になっているようです。

いくらなんでも給与が来年から約25%も減少するとなると、私だったら卒倒します。
すぐにでも転職活動を開始するレベルの大事件であり、中国の地方財政がかなり圧迫されていることの証左なのではないかと。

中国のようなネット検閲が激しさを増している昨今において、こういった書き込みができるということも凄いですし(おそらく書き込みを行った女性職員は懲戒免職か刑務所送りでしょうね)地方公務員の給与をばっさり切り捨てて、治安の悪化を怖れない中国共産党もある意味凄いです。

問題はなぜこのような事態が発生しているのかということです。

地方政府の錬金術は終わりを迎えたのか

住宅価格が右肩上がりだった中国の地方政府は、国有地の使用権を不動産デべロッパーに売ればいつでも巨額の収入を得られた。
地方政府は土地収入に頼って公務員を増やし、給与を上げ、インフラも整備をしたが、こうした便利すぎる「土地ATM」システムは耐用年数に達し、破綻しつつある。

引用元: 中国公務員に突然25%年俸下げ通告、「土地ATM」が破綻

中国においては土地は所有できません。
あくまでも使用権を得ることまでしかできません。

中国の地方政府はその使用権を不動産ディベロッパーに譲渡することで、多額の収入を得られました。
経済学的に言えば、公共財の切り売りと言えます。

ただ、恒大集団の事実上の破綻などもあり、不動産バブルが崩壊したことで、税収が少なくなり、地方政府の財政的な基盤が崩壊しているため、地方政府で雇い入れている職員の給与を下げているということのようです。

もちろん、不動産バブル崩壊により、中国人民のバランスシートが毀損して純負債状態に陥る方が多くなりつつあり、消費や投資が冷えこんでいるのに、給与まで減らされるということになれば、さらなる不況が中国を襲うでしょう。

本当に、日本のバブル崩壊と同様な事態になりそうな気配が出てきてしまいました。
中国経済の影響を受けるアメリカや日本のような西側諸国にも悪影響が出るかもしれないので要注意と言えましょう。

中国共産党指導部は現代貨幣理論を理解している方々であり、敵ながら天晴と思っていたのですが、あきらかな失政を大胆にも行っていたということで、悲しさ倍増です。

地方政府の女性職員のことを思うと、ご愁傷様ですとしか申し上げることができません。

高額納税者を狙い撃ちすることで、税収確保か

中国国家税務総局の上海市や浙江省の税務局は22日、有名人に納税に関する規定を厳守するよう求める文書をインターネット上で公表した。
中国では習近平(シー・ジンピン)指導部が格差解消を目指して掲げる「共同富裕」の下、有名人の脱税に絡む摘発が相次いでいる。

引用元:有名人に納税規則厳守要請 上海や浙江省の税務局

有名人などの場合、納税額も多額になるため、非合法的な手段で脱税していることが公然の秘密でしたが、そのようなことを許さず、中国人民の不満を解消するためにも、厳正な徴税を目指しているようです。

地方財政の税収が足らないため、脱税を摘発してどうにか埋め合わせしたいのだと推察します。

納税とは貨幣破壊ですから、景気減速に拍車を掛けることになりますので、景気の下支えのための次なる一手を繰り出してくると思います。

おそらく公共投資がどんどん増やすことで、何とか景気悪化を食い止めるのではないでしょうか。

恒大集団の債務不履行をS&Pも認めた

米格付け会社S&Pグローバルは17日、経営難に陥っている中国恒大集団の格付けをダブルCから「選択的債務不履行(デフォルト、SD)」に格下げしたと発表した。
米ドル債の金利を支払わず、猶予期間も失効したため。恒大の要請により、S&Pは今後全ての格付けを取り下げる。

引用元:中国恒大「部分デフォルト」 S&Pも認定

中国恒大集団の債務不履行問題についてご存知ではない方もいらっしゃると思いますので、簡単に事情を説明します。

中国恒大集団とは、中国国内の不動産会社でございまして、ここ最近はその債務規模が一国経済を揺るがしかねないほどの金額であり、雇用している人数も多く、不動産バブル崩壊の影響を受け、経営が悪化しているため、債務不履行に陥る可能性が騒がれておりました。

大手格付け会社であるフィッチが恒大集団の格付けを選択的債務不履行として認定していたのですが、もう一つのS&Pも選択的債務不履行として認定してしまったようです。

恒大集団はますます経営的に厳しい立場に追い詰められてしまい、ますます中国国内の不動産市場は冷え込み、地方政府の税収は落ち込むでしょう。

地方政府の職員の給与はさらに削減されるかもしれません。
その影響でさらに消費と投資が冷え込み、民需は縮小するというデフレ・スパイラルに陥る可能性がございます。

バランスシートが毀損する可能性とバランスシート不況

大手不動産会社の恒大集団が債務不履行となり、地方政府の職員の給与が削減されれば、景気は悪化して、海外投資家のバランスシートが毀損することになります。

資産の一部が消失してしまい、場合によってはその影響で保有している他の資産を売却する必要性が出てくるかもしれません。

あまりにも景気悪化してしまい、資産の売却が極めて難しいという経済局面が出現するかもしれません。
そのような状況だと、一刻も早く資産を海外でもいいから売却したいという方々によって売り圧力が高まります。

それによって資産の売りが広がり、売りが売りを呼ぶということになるかもしれず、実体経済にも悪影響が出ます。
そして、その悪影響というのは、不動産会社が債務不履行したその日に出てくるのはではなく、時間差で襲ってくるということになります。

中国の不動産会社における信用不安が高まり、大小の不動産会社が崩壊して、中国人の不動産投資の多くが失敗に終わるという事態になれば、中国人の爆買いは無くなり、節約モードに突入することでしょう。

それが需要縮小を呼び、設備投資は鈍化して、景気悪化にまでなれば、バランスシート不況の開始です。

中国共産党としては、そんなことになっても公共投資を行い、乗り切れると思ってらっしゃるかもしれませんが、すでに市場としての魅力もない、環境汚染が酷い、市場原理をあまりにも無視する中国経済に未来はありません。

中国版リーマンショックにはならないというのが市場関係者の見方のようですが、私は規模の大小は議論が分かれると思いますけれども、中国版リーマンショックになり、日本にも悪影響は出ると思います。

市場関係者が楽観的に考えているという点が素人の私としては危険の兆候のような気がするのです。

以上です。

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