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世界経済

新型コロナウイルスの影響で社債のデフォルトが増えている。債券投資

投稿日:

信用力の低い企業への融資

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年12月13日(令和2年12月13日)

※申し訳ありませんが、今月一杯は省力記事とさせてください。

債券のデフォルトとは何か

現代貨幣理論やマクロ経済関連でよく取り上げられる「デフォルト」でございますが、初心者の方にもわかりやすく説明したいと思います。

デフォルトとは、企業や政府などが債券発行などを通じて借り入れた資金を返済できなくなった状態のことを指します。

約束した期日までに利息や返済金の支払いができなかった場合のほか、倒産申請の手続きや経営難で債務再編が実施された場合にも債務不履行とみなされます。

特に債務再編はヘアカットなどとも呼ばれたりもします。
※参考記事:債務不履行とは コロナで返済能力低下、増える予備軍

債券とは発行元にとっては借金ですが、購入者からすると資産に該当します。
債務不履行ということは、企業や政府にとっての借金消滅であり、その債権を購入した側にとっては資産消滅ということになります。

信用格付けで社債の利回りが決まる

借り手の財務状況や事業の安定性をもとに債務不履行に陥るリスクの大きさを格付け会社などが分析してグループ分けした記号を「信用格付け」と言います。

その格付けを行う会社を「格付け会社」と一般的に呼びます。
代表的なのは3社ございまして、Moody's(ムーディーズ)、S&P(スタンダード&プアーズ)、Fitch(フィッチ)となります。

格付けの低い企業はその分、高い金利を上乗せして投資家に支払う必要があります。

したがって、安全な債券となれば債務不履行リスクが極めて少ないので、利子率が低く、危険な債券となれば、債務不履行リスクが高いので、利子率が高いのです。

資産運用する場合は、リスクの少ない債券も購入することで、リスクヘッジをするのが一般的ではございますが、危険な社債となると利回りが株式の配当利回りを上回ることもございます。

金融緩和と財政出動でデフォルトは抑制されたが

世界各国の中央銀行は金融緩和を行い、世界各国の中央政府は財政出動を行った影響で、今のところ爆発的な社債のデフォルトは抑制されているようです。

ただ、それでもデフォルトはじわりじわりと増えているようでして。

S&Pグローバルが格付けを付与する企業を対象に集計したデータによると、米国の債務不履行は前年比8割増の143社、欧州は2.8倍の42社、新興国は3割増の28社。
全体の企業数は金融危機直後の09年以来初めて200社を超えた。
社債が債務不履行に陥る確率を示すデフォルト率も5%を超え10年以来の高水準だ。

引用元:債務不履行が世界で倍増 今年223社、経済に潜在リスク

詳細に関しては、引用元記事のグラフを見ていただきたいのですが、リーマン・ショックほどではございませんが、コロナ・ショックでもデフォルトが増え始めているというのが確認できます。

ある意味、コロナ・ショックとは、リーマン・ショックの前夜の状態を意図的に生じさせてしまった経済現象なのではないかと。

特定業種がデフォルトマシマシ

債務不履行は特定業種に集中しているようでして、米国では老舗百貨店のJCペニーが破綻、英国でも11月にアパレルなどを手がけるアルカディア・グループが破綻し、その取引先の老舗百貨店デベナムズへと破綻が連鎖しました。

※参考記事:債務不履行が世界で倍増 今年223社、経済に潜在リスク

米百貨店ニーマン・マーカスやバーグドルフ・グッドマンを運営するニーマン・マーカス グループ(以下、NMG)が経営破綻したことも有名ですね。
※参考記事:名門ニーマン・マーカスが破綻 知っておきたい7つのこと

債務不履行の223社のうち、エネルギーや消費財、小売りなどの4業種が6割を占めているようです。

いずれも、リアル店舗であるため、人の出入りが厳しくなり、業績不振に陥ってしまった業界や、航空移動需要が蒸発してしまったため、原油関連の需要もほぼ蒸発した結果、エネルギー関連業界も債務不履行になりました。

債券投資はやりにくい

こういった状況ですと、比較的リスクが低い債券投資でございますが、少なくとも社債に関してはやりにくいことこの上ないですね。

デフォルトするのだから安心して社債を購入できませんね。
投資信託で、構成銘柄に社債がある場合がございますが、どうしても避けたくなります。

ハイイールド債も問題になるだろう

今年度に入り、償還年限が50年と国債最長の40年よりも長い社債や、格付けがダブルB格以下の低格付け債(ハイイールド債)が発行された。
普通社債よりも返済順位が低い分、格付け会社が一定の比率を「資本」として認める劣後債の発行も増加し、市場の多様化が進んでいる。
もっとも、米国の社債発行額は年100兆円規模と、日本の10倍に達する。

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO49960840Z10C19A9EA2000/

実は地味に金融市場においてリスクがあるのが「ハイイールド債」です。
格付けがダブルB格以下のハイリスク債権のことです。

あまりにも低成長が継続したため、普通に民間企業へ投資するだけではお金を儲けることができなくなりました。

したがって、リスクを覚悟してでもハイリターンな債券を購入する方が多くなってしまいました。

中央銀行はリスクのある債券を購入することによって、債券市場の安定化を図る準備をしていただきたいですね。

以上です。

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