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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年4月1日(令和3年4月1日)
アルケゴス・キャピタル・マネジメントに調査の魔の手
調査が公にされていないことを理由に匿名で話した関係者によると、ファン氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの投資が裏目に出て巨額のポジション解消が必要になったことを受け、SECは民事訴訟を視野に入れた調査を数日前に開始。
引用元:米SEC、アルケゴスのトレーディング巡り調査開始-関係者
ビル・ファン氏(以下敬称略)の私的な資産運用会社であるアルケゴス・キャピタル・マネジメントがレバレッジをかけた取引で損害が発生し、同ファミリーオフィスに対してお金を貸していた金融機関などが相次いで打撃を受けました。
アルケゴス・キャピタル・マネジメントは、追証要求に答えるために持ち株をブロック取引(※)したため、一部銘柄が暴落してしまい、金融不安が高まっております。
※ブロック取引とは、証券会社を通じて同一銘柄を一度に大量に相対取引で売却または購入する取引のこと。
この件で、アメリカ証券取引委員会(SEC)が調査に乗り出したようです。
裁判を視野に入れた調査をすでに開始しており、不正行為の疑惑が特定されない可能性もあるとのこと。
はっきり申し上げますが、アメリカ証券取引委員会(SEC)の皆様には頑張って調査していただき、ファミリーオフィスとは言え、一定規模以上の資産運用会社であれば、その他のファンドと同様に規制でコントロールする方向に舵を切っていただきたいと思います。
みずほフィナンシャルグループも損失を計上するかも
米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントに関連したとみられる取引で、みずほフィナンシャルグループ(FG)で100億円規模の損失が発生する可能性のあることが分かった。
引用元:みずほFG、米アルケゴスで損失 100億円規模
みずほFGもアルケゴス・キャピタル・マネジメントに関連したとみられる取引で、100億円きぼの損失が発生する可能性があると分かりました。
拙ブログにおいては、野村ホールディングス、三菱UFJ証券、クレディ・スイス・グループなどの大手金融機関も巨額損失が発生する可能性があると先日記事にさせていただきましたが、どうやらみずほFGもその例外では無かったようです。
※参考記事:野村ホールディングスが巨額損失。リーマン・ショックの再来は望まず
巨額の時価総額も消滅する事態に発展
米投資会社、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの損失問題を巡り、31日の取引でクレディ・スイスと野村ホールディングスの株価がさらに下落し、週初から合わせて90億ドルの時価総額が失われた。
引用元:野村とCS、アルケゴス問題で時価総額合計90億ドル喪失
アルケゴス・キャピタル・マネジメントのレバレッジ取引の失敗によって、巨額損失が見込まれる野村ホールディングスとクレディ・スイス・グループですが、リスク管理の不安から株式が売られまして、90億ドル程度の時価総額が失われたようです。
このような場合、パニック売りと言いますか、売りが売りを呼ぶということになりますので、一気に株価が下落することになります。
野村ホールディングスやクレディ・スイス・グループの社債の格付けも見通しがネガティブになるようでして、この件の混乱は未だ収束しておりません。
規制の網から抜け出たファミリーオフィスはビル・ファンのアルケゴス・キャピタル・マネジメント以外にもたくさんございますから、今後、同様の事案が多数発生して、連鎖的に金融機関が破綻する可能性もゼロではございません。
リーマン・ブラザーズが破綻したため、その一部を買収した野村が、今度は逆に買収される可能性すらございます。
復習:個人がミンスキー・モーメントを引き起こす?
一族の資産を管理するファミリーオフィスは投資顧問業者としてSECに登録する必要がなく、所有者や幹部、運用資産額を開示する義務もない。
引用元:アルケゴスのフアン氏がひそかに積み上げた巨額資産、数日で消失
小規模なファミリーオフィスならば問題はないが、今回のように巨大ヘッジファンド並みの規模になった場合は市場全体にもリスクを及ぼし得る。
ファミリーオフィスというのは要するに私的な投資運用会社のようなものであり、誰かのお金を預かって資産運用するような公的なものではございません。
その結果、投資顧問業者としてアメリカ証券取引委員会(SEC)に登録する必要がなく、資産運用の開示の義務はないようなのです。
要するに、資産運用や金融取引の規制の網を抜けた事案ということのようです。
とある個人がプライベートで資産運用をするだけの会社を立ち上げただけならば、そこまで規制は不要という判断だったのでしょう。
規模が大きい場合は規制対象にする必要ありだと思います。
金融当局の規制強化は待ったなしでしょう。
個人資産が全世界的に影響を及ぼす事態になったわけですから。
ミンスキー・モーメントを個人が引き起こす事態になろうとは想定外ってことなのでしょうか。
ミンスキー・モーメント(Minsky moment)は、「ミンスキーの瞬間」とも呼ばれ、投資家が保有する、あまり投機的でないポジションさえも、債務支払のために売却する必要に迫られ、マーケットで価格下落スパイラルと深刻な貨幣需要が生じる瞬間をいいます。
引用元:ミンスキー・モーメント 金融経済用語集より
金融不安定性仮説は正しいのではと個人的には思ってしまいますね。
以上です。