大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年12月12日(令和2年12月12日)
選択的夫婦別姓制度の議論が紛糾
自民党は10日、内閣第1部会と女性活躍推進特別委員会の合同会議を開き、2度結論が持ち越しとなっている第5次男女共同参画基本計画案について議論した。
引用元:自民、夫婦別姓議論紛糾 またまた部会長一任ならず
選択的夫婦別姓制度の記述をめぐり、政府側は導入に前向きな表現を一部削除したが、慎重派はさらなる修正を要求。
推進派も導入検討を促す文言を盛り込むよう求めるなど議論は紛糾し、部会長への一任はまたも見送られた。
最近、急に脚光を浴びるようになった感がある選択的夫婦別姓制度の導入の件でございますが、自民党の内部で議論が紛糾しているようです。
少なくとも、軽く考えて結論を出す件ではございません。
まず、私の立場を明確にしたいと思います。
選択的夫婦別姓制度の導入には反対しています。
理由に関しては、この記事の中で明確に記述できればと考えております。
夫婦同姓は明治からの社会的慣習である
夫婦が同じ氏を名乗るという慣行が定着したのは,明治時代からだといわれています。
引用元:法務省 選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について
明治31年に施行された戦前の民法では,戸主と家族は家の氏を名乗ることとされた結果,夫婦は同じ氏を称するという制度が採用されました。
明治時代より前は,そもそも庶民には氏を名乗ることは許されていませんでした。
第二次世界大戦後の昭和22年に施行された民法では,「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する。」とされました。
これが,現在の制度です。
そもそも近代的な戸籍制度というものが存在していないわけなので、夫婦同姓というのは、明治以降の社会的慣習であり、我が国日本の伝統というわけではないようなのです。
さらに付言すれば、庶民の場合は氏を名乗ることは(少なくとも公式的には)許されておりませんでしたので、そもそも夫婦同姓にするか夫婦別姓という問題すら生じることは無かったようです。
したがって、我が国日本の伝統を守るべきだから、夫婦別姓には反対というのは、夫婦別姓の反対理由にはなり得ないということになります。
夫婦別姓に賛成の理由があまりにも弱い
現行制度においては、夫婦が同じ氏(法務省的には姓や苗字ではなく氏(うじ)で統一しているようです)を名乗ることとされており、夫婦の一方は結婚のときに必ず氏を変更する必要がございます。
これが社会的な不利益になっているというので、選択的夫婦別姓制度の導入が必要なのではないかと主張しているのが、夫婦別姓賛成派なのです。
選択的夫婦別姓制度の導入の賛成意見は以下に大別されるそうです。
(1)代々受け継がれてきた氏を大切にしたいという感情を持つ人が増えていることから、氏を変更したくないため結婚の障害になっているため
(2)結婚に際して氏を変えることによって,本人の同一性が確認できなくなり,職業生活上不利益を被る事態が生じているから
※参考:法務省 選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について
この理由ってあまりにも弱いと感じるのは私だけなのでしょうか。
まず、(1)の理由ですが、代々受け継がれてきた氏を大切にしたいとのことですが、なぜ大切にしたいと思うのでしょうか。
夫婦同姓で家族という共同体をしっかりと育むことで、氏に対する愛着が持てるようになったからなのでは?
にもかかわらず、夫婦別姓を望むと?
自分の子どもにも、自分の氏に対する愛着を持ってもらうようにする必要性は考慮しなくてもいいのでしょうか。
完全に自分だけ良ければいい、次世代の子どもことなんてどうでもいい、そもそも子どもを持つつもりは無いという、一見して無責任過ぎる考えが根底にあるのではないかと疑いたくなります。
また、(2)の理由ですが、氏名が変更された際に、旧姓も名乗って、結婚した旨も伝えれば、特に問題ないのでは。
旧姓を名乗り、結婚したので氏名が変わったということを伝えてもその個人の同一性を理解しないお相手ならば、それがビジネス関係やプライベートの交友関係だったとしてもお付き合いするべきではありません。
人間関係的なお話とは別に、組織(主に民間企業など)のデータベースや行政での管理に不都合なのであれば、組織や行政が変わるべきでしょう。
例えば、データベースで旧姓旧名欄を作成して別途管理するとか、行政関連の書類などにおいては、旧姓旧名欄を記入するスペースを作ることで対応可能でしょう。
データベースやWebシステムの旧姓旧名関連なのであれば、入力欄を作成して、データベースとのデータのやり取りをWebAPIなどで構築すれば、簡単ですよ。
私のようなポンコツITエンジニアですら問題なくできることでございますから、どんどんシステム・メンテナンスしていきましょう。
子どもの氏名はどうするのか
私は選択的夫婦別姓制度の導入に反対なのでございますが、その一番の理由は、子どもの氏をどうするのかという問題が家族という共同体に亀裂を生じさせることになるのではないかと危惧しているからです。
仮に、佐藤さんと鈴木さんという方が結婚して、選択的夫婦別姓制度の導入により、氏名が変更されなかったとします。
その後、佐藤さんと鈴木さんの間に子どもが生まれたら、どちらの氏を名付けるのかという話になります。
この時点で夫婦間の亀裂が生じる可能性もございますし、子どもが自分の氏名の意味するところを理解できる年頃になったら、自分の氏ではない親との心理的距離ができてしまうのではないでしょうか。
子どもは家庭裁判所で許可を得て、氏名を変更することも可能ですが、選ばなかった氏の親に後ろめたさを感じることがあるのではないでしょうか。
選択には、選択しなかった選択肢に対する引け目を感じる可能性と常に隣り合わせですし、選択するということには責任が伴います。
選択することの責任と選択しなかった選択肢に対する引け目を子どもに背負わせるのは、あまりにも酷なのではないかと。
夫婦同姓の社会的コストを最小化せよ
私は夫婦同姓を積極的に維持するために、夫婦同姓の社会的コストを最小化するべきと存じます。
行政関連や各種名義変更などの手続きをできるだけ簡略化することで、面倒な手続きをできるだけ回避することで、夫婦別姓の賛成派をこれ以上増やすべきではありません。
以上です。