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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年2月18日(令和2年2月18日)
アメリカが小型核弾頭を実践配備した
米国防総省は4日、海軍が潜水艦発射型の弾道ミサイル(SLBM)に爆発力を抑えた小型核弾頭を実戦配備したと発表した。
引用元:米海軍、小型核を実戦配備 中ロに対抗
小型核は敵国の軍事基地などに対象を絞り限定攻撃する能力に優れ、従来型の核兵器よりも使用のハードルが低いとされる。
米国はロシアや中国に対する抑止力と位置づけるが、世界的な軍拡競争に拍車をかける恐れもある。
アメリカのペンタゴンが海軍が運用している潜水艦発射型弾道ミサイルに小型核弾頭を搭載し、実践配備したと発表しました。
爆発力を抑えたということは、核爆発の影響範囲が限定的であり、使用のハードルが低いとされています。
あえて極端なことを申しますと、北朝鮮に対して核攻撃するための核弾頭なのではないかと考えています。
北朝鮮は脆弱な国家ですから、爆発力を押さえた核兵器だったとしてもその破壊力に耐えられないでしょうし、近隣諸国に対する影響もできるだけ抑えることができます。
韓国や日本のような同盟国に対しても配慮しつつ、アメリカの戦力投下を効率的に行い、仮想敵国を脅すには適切な実践配備と言えましょう。
以下にも別のニュースをご紹介しますが、小型核兵器という名称ではなく、低出力戦術核兵器と呼称した方がより正確だと考えています。
北朝鮮が潜水艦発射型弾道ミサイルを撃つ日
北朝鮮の最高指導者となって以降、大半の時間を核兵器の性能向上と大型化に費やしてきた金正恩朝鮮労働党委員長だが、今は発見されにくいよう核兵器を海中で展開することに取り組んでいる可能性がある。
引用元: 北朝鮮の「新戦略兵器」、核兵器搭載の潜水艦か-日米韓の新たな脅威
北朝鮮の金正恩が潜水艦発射型核ミサイルでアメリカに対抗しようとしているようです。
北朝鮮のような弱小国家がアメリカの武力介入を抑止するためには、先制攻撃されても生き残れる核戦力を整備して、実践投入するしかありません。
そのために一番効率的なのは、国家資源をすべて潜水艦やミサイルに投入して、海中を自由に動ける核ミサイル発射台を整備するということなのでしょう。
なぜ低出力戦術核が必要なのか
その理由は、ロシア軍が、大陸間核弾道ミサイルや中距離核弾道ミサイルといったいわゆる戦略核兵器だけでなく、短距離核弾道ミサイルや核巡航ミサイル、それに核魚雷などのいわゆる戦術核兵器も多数保有しているから、とされている。
引用元: 平和ボケ日本を揺さぶる米国の「低出力核弾頭」配備
ロシア軍が戦術核を実践配備しているから、それに対抗するため、低出力戦術核が必要というのが表向きの理由のようです。
仮にロシアとアメリカが武力衝突する場合、ロシアが戦術核を先制使用したらアメリカはどう対処することになりましょうか。
アメリカがもし戦略核兵器しか実践配備していない場合、戦術核を撃たれた報復として戦略核を使用して報復するという選択しか残されておりません。
アメリカがもし戦術核兵器も実践配備していれば、戦術核を撃たれた報復として戦術核を使用することになり、核のエスカレーションを防ぐことができます。
アメリカとロシアの戦略核の撃ち合いを防ぎ、国家滅亡を防ぎたいということのようです。
核攻撃の誤認を誘うことにも
ただし、アメリカが戦略原潜から低出力核弾頭を装着したトライデントを発射したとしても、ロシア側にはアメリカ海軍原潜から発射された弾道ミサイルにW76-2が装填されているのかW76-1が装填されているのかは判定できない。
引用元: 平和ボケ日本を揺さぶる米国の「低出力核弾頭」配備
結局は本格的核戦争は避けられないとの批判もなされている。
低出力核配備はむしろ危険性を高めるというわけだ。
アメリカが潜水艦から核ミサイルを発射したとしても、そのミサイルの外見上、戦略核が搭載されているのか、低出力戦術核が搭載されているのか判別ができませんので、ロシアや中国などの仮想敵国が戦略核と誤認する可能性が高いです。
その場合、ロシアや中国などの仮想敵国がアメリカからの戦術核攻撃に対して、戦略核兵器で報復することになり、国家が滅亡するレベルの核報復の連鎖が止まらないという可能性が危惧されているのです。
日経新聞の社説が調子乗り過ぎ問題
従来の核弾頭の爆発規模は約100キロトンだったが、小型核は約5~7キロトンに抑える。
引用元: 米が小型核配備 破滅を招く愚かな戦略
破壊力は広島原爆の3分の1程度という。
だからといって使用が許されるはずがない。
規模はどうあれ核は核である。甚大な非人道的被害をもたらす大量破壊兵器であり、断じて認められない。
まず、そもそもアメリカは戦術核を撃ってません。
断じて認められないってどんだけ上から目線なのでしょうか。
戦術核を撃ってもいないのに非難するというのは理解できません。
また、曲がりなりにも同盟国の国家安全保障政策を非難するというのは慎重であるべきですし、批判する場合でも公明正大にその根拠や理由を提示するべきです。
さらに言えば、感情論を排した軍事合理性が求められます。
こんな感情論に誰が納得するというのでしょうか。
また、潜水艦から発射されたミサイルが小型核を搭載していなくても直ちには判別できないため、相手国が過剰反応して核使用に踏み切るリスクも指摘される。
引用元: 米が小型核配備 破滅を招く愚かな戦略
緊張の高まりが、偶発的な核戦争を引き起こしかねないことを危惧する。
上記の批判については合理的な理由がございます。
ただ、本記事でも申しましたように、表向きはロシアなどの戦術核兵器に対抗するということですが、本音では近隣諸国に迷惑を掛けないように北朝鮮を攻撃、または抑止するための低出力戦術核なのです。
核兵器に関する洞察が足りないと言わざるを得ません。