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反逆する武士

日本経済 現代貨幣理論

金融政策の基礎を学ぶ。公開市場操作で長期金利の抑制とバブルの抑制

更新日:

中央銀行

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年5月29日(令和3年5月29日)

先日の金融政策の基礎を学ぶシリーズの続編でございます。
復習でございますが、金融政策は以下3つに大別されます。

1、政策金利(公定歩合)変更
2、公開市場操作
3、法定準備率操作

本日は、日本銀行HPを参考にしつつ、公開市場操作について学びましょう。

公開市場操作とは資産の購入と売却である

オペレーションには、大きく分けて、日本銀行による資金の貸付けや国債の買入れなど、金融市場に資金を供給するオペレーションと、日本銀行が振り出す手形の売出しや日本銀行が保有している国債の買戻条件付売却など、金融市場から資金を吸収するオペレーションがあります。

引用元:日本銀行「オペレーション(公開市場操作)にはどのような種類がありますか?」より

上記引用元である日本銀行のHPにおいてはオペレーション(公開市場操作)についてこのように説明されております。

要するに、日本銀行という「発券銀行」がキーボードタッチ・マネーを創造して、金融市場から資産を購入したり、売却したりすることで金融市場の資金供給量を調節するのがオペレーション(公開市場操作)なのです。

一般的には、日本銀行が国債などを購入する場合は「買いオペ」、国債などを売却する場合は「売りオペ」と言います。

具体的なお金の流れを説明しますと、日本銀行が民間金融機関から国債を購入する場合は、日銀当座預金をキーボードタッチで増やすことで国債を引き受けることになります。

この場合、個人や法人の保有する民間金融機関の口座の預金が変動するわけではなく、あくまで変動するのは日銀当座預金であることは留意する必要がございます。

資金供給オペレーション

いわゆる「買いオペ」を日本銀行は資金供給オペレーションと呼称しているようですが、具体的にはどのような資産を購入することで資金を供給しているのでしょうか。

日本銀行が、「適格担保取扱基本要領」に基づき適格と認める金融資産(国債、地方債、政府保証債、財投機関等債、社債、CP等、手形、証書貸付債権など)を担保として資金を供給する。

引用元:日本銀行「オペレーション(公開市場操作)にはどのような種類がありますか?」より

上記引用元において説明されておりますが、国債、地方債、政府保証債、財投機関等債、社債、CP等、手形、証書貸付債権を購入して資金を供給するのだそうです。

以下、購入対象について簡単に説明していきたいと思います。
国債は日本政府が発行した債券であり、日本政府の借金です。

国債買入オペの主な買入方式には、「利回り入札方式」と「固定利回り方式」の2種類があります。
利回り入札方式では、より高い金利(低い価格)で入札されたものから順に買い入れていく競争入札を行います。
一方、固定利回り方式では、日本銀行が予め指定した金利で、金額無制限または予め定めた額まで買入れを行います。

引用元:日本銀行「国債買入オペとは何ですか?」より

地方債は地方自治体が発行した債券であり、地方自治体の借金です。
国債と地方債を購入することで、債券の利子率を引き下げることが可能となります。

例えば、10年物国債を購入する場合、長期金利を引き下げることが可能となります。

ただ、10年物国債のような信用力が高い国債の長期金利が長期間低迷すると、債券投資のリターンが低くなりますので、リスク資産の購入を促してしまうデメリットがございます。

政府保証債は日本政府が元本や利子の支払いを保証した債券のことです

財投機関等債、おそらく主な種類として挙げられるのは財投機関債だと思われます。

財投機関債は、財投機関が民間の金融市場において個別に発行する債券のうち、政府が元本や利子の支払いを保証していない公募債券です。
平成13年度の財政投融資改革において導入され、現在、財投機関の資金調達手段の一つとして機能しています。
発行体の信用力に依存した普通社債(Straight Bond)と担保となる資産の信用力に依存した資産担保証券(Asset Backed Securities)の二種類に大別されます。 

引用元:財務省「財投機関債とは何ですか」より

財投機関が発行しているおり、政府保証がなされていない公募債券のことなのだそうです。
そもそも財投機関というのが理解できませんね。

ちょっと調べてみましょう。
SMBC日興証券のWebページが一番わかりやすいようです。

財投機関債の発行体としては、住宅金融支援機構、日本政策投資銀行、日本政策金融公庫、日本高速道路保有・債務返済機構、都市再生機構、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、日本学生支援機構などがあります。

引用元:SMBC日興証券「初めてでもわかりやすい用語集 財投機関債 (ざいとうきかんさい)」より

つまり、政府系金融機関や政策目的達成のために日本政府のお金が投下される経済主体が発行元になる債券が財投機関債ということのようです。

引き続き、説明させていただくと、社債は民間企業が発行する債券のことです。
CP等と明記されておりますが、コマーシャルペーパーのことです。

企業が公開市場で割引形式で発行する無担保の約束手形。
短期資金の調達の為に発行される。

引用元:野村証券「証券用語解説集 コマーシャルペーパー」より

コマーシャルペーパーって無担保の約束手形のことだったのですね(; ・`д・´)

証書貸付債権とは何なのでしょうか。
これも調べてみましょう。

銀行の企業などに対する融資に際して借主から証書(金銭消費貸借契約書)を差し出させる形で行うもの。
一般的に長期の融資に利用される。

引用元:みんかぶFX「証書貸付債権 とは」より

ちょっとわかりにくいですね。
銀行などが民間企業に対して、長期貸付を行い、その代わり民間企業から借用証書を引き受けるということのようです。

証書貸付は融資の実行にあたり貸付先から借用証書を差し入れるものです。
この借用証書は、通常、金銭消費貸借契約書といわれ、貸付金額、資金使途、最終期限、返済方法、利率、利息の支払い方法などが記載されています。

引用元:ベストパートナーズ福岡「証書貸付と手形貸付の違いについて」より

この証書貸付にはメリットがあるそうです。

①融資先からみて、証書貸付は、証書によって借入の弁済期(特に長期借入の場合)が確約されますので、企業経営上安定した資金を確保することができます(また銀行等金融機関からみても、貸付条件が明確にできますので、債権保全上好都合です)。
②長期借入の場合には、金融機関・貸付先ともに、手形書換の手間がかかりませんので、事務処理の合理化が図れます。
③抵当権を設定する場合に、被担保債権を特定しやすい。

引用元:ベストパートナーズ福岡「証書貸付と手形貸付の違いについて」より

率直に申し上げて、民間金融機関が民間企業に対して長期貸付を行ったのに、景気悪化のため借金返済ができない場合には、証書貸付債権の購入オペレーションは信用不安の解消という意味では有効のような気がします。

いわゆる不良債権の処理のために、日本銀行が民間金融機関から証書貸付債権を買い取るというオペレーション(公開市場操作)は民間企業へ間接的には影響を与えそうです。

この場合、モラルハザードを誘発する可能性がございますので、どのような基準で購入するのか、どのような価格で購入するのかは吟味する必要はあるのではないかと推察します。

また、日本銀行はETF(上場投資信託)を購入しております。
現在は、TOPIX(東証株価指数)に連動する株式パッケージを購入することで、株価全体の底上げをしております。

日本銀行は不動産投資法人投資口(J-REIT)も購入しております。

J-REITは、多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産などを購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する商品です。
不動産に投資を行いますが、法律上、投資信託の仲間です。

引用元:一般社団法人 投資信託協会「そもそもJ-REITとは?」より

要するに、不動産に対する分散投資をしているのがJ-REITでございまして、不動産価格の底上げを行うために、日本銀行は一時期J-REITを購入しておりました。

最後に、国庫短期証券も買い入れて、予算執行のための日銀当座預金を供給します。

資金吸収オペレーション

逆に「売りオペ」によって、金融市場から日銀当座預金を吸収する場合には、以下のような方法で資金吸収オペレーションが行われることになります。

国債、国庫短期証券、手形を売り出すことで、日銀当座預金を消滅させます。

資金供給オペレーションは様々な種類の資産を購入するようですが、資金吸収オペレーションは多様性が無いように感じます。

ETFやJ-REITに関しては、バブルの発生兆候があり次第、バブル抑制を目的とした売りオペができるのではないかと思うのですが、日銀のHPには記載されておりませんでした。

以上です。

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