大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2024年5月4日(令和6年5月4日)
本日はリパトリ減税に関する記事をまとめてみました。
リパトリ減税という円安是正対策
約34年ぶりとなる円安・ドル高水準が続く中、円安対策として、海外資産を本国に送金する日本企業の法人税を減税する「リパトリ減税」が導入される可能性が出てきた。
引用元:34年ぶりの円安水準で注目される「リパトリ減税」導入、6月の骨太方針に明記の可能性も
外貨を国内に還流させて円への交換を促す狙いがあり、6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に内容が盛り込まれるか注目されている。
最近の経済ニュースで取り沙汰されているのが、歴史的な円安です。
適正な為替レートを測る指標としてビックマック指数がございます。
そのビックマック指数から算出すると、おそらく1USドル=100円未満であり、現時点ではかなり円安水準と言えます。
したがって、日本企業や日本国民が海外に保有している資産をどのように国内還流させるのかが問題となります。
急浮上したのが「リパトリ減税」と言いまして、海外資産を国内に還流させたら法人税を減税するらしいです。
自民党が先日の衆院補選にて敗北したことを受け、減税も盛り込まないとヤバいと危機感を持っているみたいですね。
実は海外で先行事例がある「リパトリ減税」
米国では2005年の1年間に限り、当時のブッシュ政権が導入した。
引用元:34年ぶりの円安水準で注目される「リパトリ減税」導入、6月の骨太方針に明記の可能性も
04年までの3年間平均で約1500億ドルだった米国の法人税収は、導入後の05年に約2800億ドルに急増。
さらに、リパトリエーション(資金還流)が起こり米ドルが全面高となり、04年末に1ドル=103円台だった相場は118円台までドル高・円安が進行した。
アメリカ合衆国にて、ブッシュ・ジュニア政権で導入された実績があるようです。
法人税収が急増し、外国通貨売りのUSドル買いが大量に発生し、ドル高円安が進行したとのこと。
国内に海外資産を還流させることで法人税減税をする「リパトリ減税」でなぜそこまで法人税収が増えたのかは謎です。
したがって、日本で同様の円安是正効果と法人税の税収増が発生するかは不明です。
さらに付言するならば、法人税の税率が引き下げられた我が国日本において「リパトリ減税」に踏み切る企業がいるのかは不透明です。
効果は薄いが無意味では無いと思う
ただ、日本では09年度の税制改正で、外国子会社から受ける配当の95%相当額を非課税所得とすることを認める「外国子会社配当益金不算入制度」という税優遇策が導入されている。
引用元:34年ぶりの円安水準で注目される「リパトリ減税」導入、6月の骨太方針に明記の可能性も
海外子会社の所在国と日本での二重課税を防ぎ、海外で稼いだ利益を日本へ還流させる目的で導入された。
だが、その利益の大半は、日本より金利が高く成長余力がある海外で再投資されているのが現状だ。
また、仮に非課税となっていない残り5%の配当益金を税優遇したとしても、大きな還流効果は見込めないと見る向きも強い。
すでに我が国日本では「外国子会社配当益不算入制度」という優遇政策が施行されています。
なぜならば、海外子会社と日本での二重課税を防止し、日本へ利益を還流させる必要があったからです。
95%は非課税所得としているということは、減税余地としては5%ということになります。
率直に申し上げて、効果は薄いのではと私は考えます。
民間企業の経営者に政治的なメッセージを届けるという意味合いはありそうです。
しかしながら、5%の税金を軽くするために、海外資産を国内に戻して設備投資や賃上げに使われるかは不透明です。
法人税の税率を引き上げて、節税意欲を増進してから「リパトリ減税」に踏み切るべきでしょう。
また、設備投資減税や賃上げ減税を組み合わせることで望ましいお金の使い方に誘導した方が経世済民に合致します。
円安の原因と政策金利の引き上げ
そもそもの問題の出発点としては、行き過ぎた円安がございます。
円安をどのような手段で是正するのかという点ですが、まずは円安是正為替介入で投機的な動きは牽制するべきです。
その点では、財務省の神田財務官は頑張っている(※)と思います。
拙ブログには財務省に反感を持つ読者が多いかと思いますが、私は財務省を褒めるときは褒める人間です。
良いことをしたときは褒める、駄目なことをしたら叱るという是々非々の立場ですので、ご理解いただければ幸いです。
さて、話が若干脱線しましたので、本筋に戻しましょう。
最近の円安に関しては原因が2点挙げられます。
1点目は、日米長期金利差が拡大しているからです。
簡単に言えば、日本の長期国債とアメリカの長期国債を比べた場合、どちらで資産運用した方がいいかというとアメリカなのです。
したがって、日本円を売り、USドルを買い、それをアメリカの長期国債で運用すれば、ほぼリスク無しで約4.5%の利子収入を得られます。
その結果、円安になるのです。
これを是正するためには、日本銀行による政策金利の引き上げが有効な手段と言えます。
しかしながら、国内の景気悪化を招くため、それは現実的ではありません。
NISAの改革が必要だ
2点目は、NISAで外貨建ての投資信託やETFが購入されているからです。
少額投資非課税制度であるNISAで、アメリカのS&P500に連動するインデックスファンドや全世界株に連動するインデックスファンドが売れています。
日本国内の個人投資家が、わざわざ円安ドル高を招いている部分もあるのです。
※参考記事:NISA口座の開設・利用状況(証券会社10社・2024年3月末時点)
少なくとも、毎月3000億円程度は外貨建て資産の購入を日本政府が後押ししてしまっています。
ちなみに、私もアメリカのNasdaq100に連動するインデックスファンドを購入しております。
近々、特定口座で買い付けたアメリカ株を大量売却し、反逆する武士なりの円安是正為替介入をするつもりです。
この円安是正為替介入については後日、記事を作成するつもりなので、本記事では割愛します。
さて、話を本筋に戻しまして、NISAを利用した外貨建て資産購入を禁止するべきです。
具体的には、NISAの対象の投資信託やETFなどから、外貨建ての銘柄・投資信託・ETFを除外すればいいと思います。
それだけで日本株の値上がりが期待できますし、少なくともNISAのために発生していた日本円売りは抑制できます。
変動相場制を採用し、自国通貨発行権を保有する中央政府に財政的予算制約は存在しない
最後になりますが、重要なことを申し上げたいと思います。
減税に踏み切ることによって、財政規律を心配される方や財政再建が遠のくと恐怖している方もいらっしゃるでしょう。
それは、全くの杞憂です。
日本政府は硬貨を、日本銀行は紙幣を発行することが可能です。
さらに言えば、日本銀行はキーボードタッチするだけで、民間金融機関の日銀当座預金を増やすことができます。
したがって、お金に困ることはなく、財政破綻論は破綻しているのです。
もちろん、社会的に容認できない行動に対する罰金として税金は必要です。
しかしながら、お金を徴収しないと日本政府が困るというわけではありませんので、ご安心ください。
以上です。