大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年8月8日(令和3年8月8日)
消費者物価指数の算出基準が改訂される
総務省は6日、消費者物価指数(CPI)の算出基準を改定した。
引用元:物価の低迷浮き彫り 指数の基準改定、上昇率マイナスに
(中略)
物価指数は、社会の実態からズレるのを防ぐために5年ごとに基準を改定している。
消費の変化を反映して調査対象の品目そのものを入れ替えたり、品目の比重を調整したりする。
20日に発表する7月分の指数から新基準に切り替える。
総務省は8月6日、消費者物価指数(CPI)の算出基準を改訂したようです。
社会の実態や経済情勢の変化をできるだけ正確に消費者物価指数に反映させるため、調査対象品目を入れ替えたり、品目の比重を調整しているようです。
私のような個人投資家だと、S&P500(アメリカで上場している代表的な大型株の指数)が有名でございますが、いわゆる指数(インデックス)となると、銘柄の入れ替えや指数に占める比重が時価総額で銘柄毎に違いがございます。
したがって、総務省の消費者物価指数(CPI)の算出基準の改訂は指数(インデックス)の正確な数値を割り出すという意味では、算出基準の見直しは必要な作業なのではないかと考えています。
本日の記事では、消費者物価指数(CPI)の算出基準の改訂に関して深堀していき、なおかつ物価に関する基本的な視座をご提供できればと思います。
経済学の基本的なところをご存知の方は「そんなこと既に知っているよ」と思われるかもしれませんが、初心者や拙ブログに初めてお越しの方もいらっしゃると思いますので、何卒ご容赦頂ければ幸いに存じます。
消費者物価指数の算出のために調査方法を変更したそうな
今回、調査手法そのものも変更し、一部の家電などでインターネット価格を広く反映するようにした。
引用元:物価の低迷浮き彫り 指数の基準改定、上昇率マイナスに
ネット上は実店舗に比べ値下げ圧力が働きやすいとされる。
消費者物価指数の算出基準の改訂に伴い、調査方法も見直しされており、一部家電などでインターネット価格を反映するようにしたそうです。
逆に言えば、今までの消費者物価指数は実店舗での価格を反映していたということになります。
かなり現実と乖離していたようでございます。
個人的な体験談で大変恐縮ですが、家電量販店で家電を購入することなんて少ないですよ。
大手の家電量販店はWebサイトを運営しておりますし、楽天やAmazonなどと言ったショッピングサイトがございますから、そこで購入することが多いです。
人件費や実店舗の家賃負担が無いわけですから、自社運営のWebサイト上やショッピングサイトなどで購入してくれた方にある程度の割引をするのは当然だと思います。
こういった現状から、現代日本においてはデフレ圧力が強く、言い換えるならばインフレ抑制的な経済構造になっていると言えます。
だからこそ、政府支出を増やし、減税したとしても、インフレが止まらないということにはなりにくいと言えますし、インフレを過度に怖がる必要はありません。
日本の消費者物価指数は3種類存在しているってご存知でした?
かなり基本的なことを説明できればと思うのですが、拙ブログの皆様は我が国日本の消費者物価指数が3種類存在しているってご存知でしたでしょうか。
消費者物価指数(CPI)、生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)、生鮮食品及びエネルギーを除く消費者物価指数(コアコアCPI)の3つが存在しています。
これで何がわかるのかというと、それぞれの指数の違いを分析することで、何の価格が変動しているのかがわかりやすくなります。
例えば、CPIとコアCPIを比較して、CPIの方が高いということになれば、生鮮食品の価格が高まっているということがわかります。
また、コアCPIとコアコアCPIを比較して、コアCPIの方が高いということになれば、エネルギー価格が高まっているということがわかります。
したがって、我が国日本の細やかな消費者物価指数の算出のおかげで、物価変動が可能な限り正確に把握することができているのです。
物価上昇しています、または物価下落しています、ただしどの品目が影響しているのかよくわかりませんでは、経済政策の影響調査という観点からお話にならないのです。
この件に関しては総務省統計局に感謝です。
デフレが深刻化している現状が浮き彫りに
話を元に戻しまして、今回の消費者物価指数の算出基準の改訂によって、今年の1月から6月までの消費者物価指数が新たに算出されました。
詳細に関しては、総務省統計局『消費者物価指数 2020年基準による遡及結果について』をご確認いただければと存じます。
重要な点だけを拙ブログでご紹介しますと、2021年1月、2月、3月はコアコアCPI(前年同月比)が0%なのでございますが、4月は-0.9%、5月は-0.9%、6月は-0.9%なのだそうです。
この数値は異常値だと断言できます。
なぜならば、2021年4月の前年同月比ということは比較対象が2020年4月であり、緊急事態宣言で一気に経済活動が停滞した時期との比較なのです。
※5月及び6月も同様に前年同月比なので、経済活動が停滞した時期との比較です。
もっと簡潔かつわかりやすい表現を用いて説明しますと、経済活動が停滞して物価が下がりやすい時期と比較して、さらに物価が下がっているということです。
要するに、ちょっと異常なほどにデフレが深刻化しているということです。
交通費・通信費(要するに通勤費と携帯利用料など)が大幅に減少しているという事情はございますけれども、あまりにもデフレが深刻化しているのは問題と言えます。
デフレとは一般庶民が貧しくなる現象のことである
簡潔に言えば、デフレは日本国民がどんどん貧しくなってしまう状況なのです。
デフレを説明する時に寄せられる意見としては「物価が下がるのだから、家計に優しく、日本経済にとって良いこと」だと勘違いされる方がいらっしゃいます。
しかし、実際は日本国民に塗炭の苦しみを与える経済状況なのです。
消費者の支出は企業側にとっての売上ですので、一時的に物価が下がってお金が浮いたということになるかもしれませんが、長期的に見ればほとんどの日本国民にとって不利益になるのです。
物価が下落するということは、物やサービスを生産・販売して得られるお金が下がるということでございますから、民間企業の収益が悪化します。
民間企業の収益が悪化するということになれば、雇用が削減され、給料は減らされ、その影響でさらに日本国民の購買力が低下してしまい、ますます物やサービスが売れないために、価格を下げざるを得ないという「デフレ・スパイラル」に陥ってしまうのです。
つまり、日本国民が困窮してしまう可能性が高まってしまうのです。
以下のプロセスを経て「インフレ・スパイラル」にする必要があります。
つまり、日本国民がどんどんお金持ちになり、物やサービスがどんどん売れていく経済環境を整える必要があるということです。
景気悪化の影響で疲弊している民間企業や個人(家計)ではなく、自国通貨を保有する中央政府が公共投資を行い、減税を行って、日本国民の購買力を高め、インフレ・スパイラルに回帰しなければなりません。
以上です。