大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年6月11日(令和元年6月11日)
現代貨幣理論でまず学ぶべきは”貨幣”つまりはお金とは何かという定義です。
これは経済において、また、経済学において本質的な問いであり、経済を語る上では避けては通れないと思います。
このまま現代貨幣理論における貨幣の定義を記述し、拙ブログにお越しの皆様と共有するのも良いと思います。
けれども、ここはあえて、主流派経済学における貨幣に関する説明をしていきたいと思います。
なぜならば、その方が現代貨幣理論との比較がしやすく、何故現代貨幣理論が際立っているのか明確になるからです。
1、価値保存機能
まず、お金とは何かという問いに答えるため、主流派経済学の金融論などの講義では貨幣の3つの機能の説明をします。
結論から申し上げて、お金とは何かという問いに答えていないのではないかという疑念がございますが、ここではあえて、その機能をご紹介したいと思います。
1つ目は価値保存機能です。
資本主義の発展に伴い、労働や投資の対価として、お金を受け取ることが一般化しました。
しかしながら、そのお金が次の瞬間にただの紙切れやただの石ころになってしまっては、その労働や投資の対価を受け取っても意味が無くなってしまいます。
したがって、労働や投資をする意味が無くなってしまいます。
人々の労働や投資の対価を信頼できる形で支払うためには、貨幣に価値保存機能が備わっている必要がございます。
簡潔に言えば、労働や投資の対価を保存し、将来時点において著しい価値の毀損が無く、お金をお金として使用できるようにした方が人々は安心できますし、将来における人生のリスクに備えることができます。
この時点でBTC(ビットコイン)は短期間に価値が目減りしまくりなので、貨幣ではないと言えます。
詳細は後日説明しますが、国際決済や国境を越えた送金をできるだけ短期間で手数料をできるだけ払わずにやりたいというのであれば特に止めはしません。
2、価値尺度機能
2つ目は価値尺度機能です。
世の中には、物やサービスが溢れており、種類や質が千差万別です。
どれがどの程度の価値があるのか、一般的な指標が必要になります。
一般的な指標がないと同じ物や同じサービスでもどちらがより高付加価値なのか一見して判別することができません。
そのような場合、貨幣の単位を用いて価格を表すことにより、価値を計測することができます。
言い換えるのであれば、貨幣とは物やサービスの価値の物差しです。
3、交換媒介機能
3つ目は交換媒介機能です。
この機能を説明するときに、既存経済学では、貨幣が存在しない時代の物々交換取引を想定し、お話を進めます。
物々交換をする場合、とある農家が小麦を、とある漁師が魚を持っていたとします。
このとき、たまたま農家が魚を欲し、漁師が小麦を欲したら、物々交換は成立します。
しかしながら、そのようなことは現実には稀で、人々の欲しい物、欲しいサービスは人それぞれであり、欲しい物同士が合致することがほとんどありません。
そんなとき、あらゆる物やサービスと交換可能な何かが存在すれば、それを中心として物やサービスを交換することが可能となり、人々の物やサービスの交換がスムーズに進みます。
そのために貨幣が生まれました。
農家が魚を欲したときには、お金を支払って漁師から魚を受け取ることができ、漁師が小麦を欲したときには、お金を支払って農家から小麦を受け取ることができます。
お互いの欲したタイミングやお互いの欲しい物が合致しなくてもよいのです。
以下の書籍を参考にしました。
国立大学で学ぶ貨幣論は上記以下でも以上でもない
驚かれる方もいらっしゃいますが、国立大学の講義で学ぶ貨幣論なんて、上記の内容以上でも以下でもありません。
実際に、某国立大学で経済学部卒の私が言うのだから間違いございません。
価値保存機能、価値尺度機能、交換媒介機能それらを表面的に学び、それでお仕舞いなのです。
なぜ日本国内で貨幣は流通しているのか、貨幣とは誰が発行しているのか、キャッシュレス決済が進行するのはいいことなのか、デフレ時代の最強貨幣は何なのか、公共貨幣はいいことなのか。
様々な議論があるかと思いますが、今現在書いている『現代貨幣理論の基礎』ではそのような基本的なところからお話できればと思います。
現金・預金が抱える問題は”死蔵”である
本日のブログ記事では最後に、貨幣における一形態である”現金・預金”の問題を取り上げたいと思います。
結論から申しますと、現金・預金には特にデフレ時代において”死蔵”されてしまうという問題がございます。
上記における価値保存機能が悪く作用してしまうことによって、問題が発生しているとご理解いただければと思います。
現金は価値保存機能が存在するため、積極的に使用しなくても価値が毀損しません。
特にデフレ経済環境下においては、貯金すればするほどその貯金分のお金の価値が高まってしまいます。
したがって、将来時点のリスクに備えるため、貯金されてしまい、現金・預金が現実世界に出てこなくなります。
デフレ経済環境下においては、お金を使ってほしいわけですから、現金・預金が死蔵されてしまうのはよろしくないわけです。
私は現代の貨幣を考える場合、死蔵とは貨幣の弱点だと考えています。
ではどうすればいいのでしょうか。
時間が経過すれば、価値が毀損するか価値が喪失する貨幣を発行し、人々に配ればいいのではないかということになります。
ズバリ、地域振興券を配ればいいということになります。
私個人としては、地域振興券がデフレ時代の最強紙幣であると考えています。
詳細なところは後日ご説明できればと思います。