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反逆する武士

現代貨幣理論

固定相場制を採用し為替予約があるルーブル建てロシア国債は償還困難

投稿日:

現代貨幣理論の基礎
uematu tubasa著『現代貨幣理論の基礎

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年4月30日(令和3年4月30日)

自国通貨建ての債務不履行という事例としてのロシア

本日は現代貨幣理論の応用であり、現代貨幣理論への批判に反論する記事になります。

よく、現代貨幣理論を一言で説明すると何かと言われたら、少なくとも私はこのように答えます。

「変動相場制を採用し、自国通貨を保有する国家には財政的予算制約は無いということをお金の流れを丹念に追っていき説明している理論」なのだと。

ただ、巷に溢れている現代貨幣理論においては「自国通貨を保有する国家の国債はデフォルトしないと説明している理論」と紹介されていて、率直に申し上げて不正確な表現で紹介されていることもあります。

「自国通貨を保有する国家の国債はデフォルトしないと説明している理論」として現代貨幣理論を理解した方から反論が飛んでくることがございます。

ロシアは自国通貨建て(ルーブル建て)国債のデフォルトになったじゃないかと。

確かにその点は事実でございます。
ロシアは自国通貨建て(ルーブル建て)国債の返済意欲を喪失してしまった事例(1998年のロシア金融危機の際)に該当します。

財政的予算制約に阻まれてしまった(借金返済したいけどできない)というわけではなく、そもそも借金返済したくないという状態になってしまったのです。

ただ、なぜロシアは自国通貨建て(ルーブル建て)国債の返済意欲を喪失してしまったのかを私個人としては理解が浅く、説明できませんでした。

本日の記事ではその点をわかりやすくダイジェスト形式で説明したいと思います。

ロシア金融危機を大雑把に解説

そもそも、ロシアという国家は石油や天然ガスを世界中に輸出することで経済が回っており、一部の天然資源に依存している典型的なモノカルチャー経済国家なのです。

そんな中なのですが、1990年代において世界経済の景気が全体的に良くない時期に、アジア通貨危機などが原因で石油などの天然資源価格が下落しました。

モノカルチャー経済国家であるロシアは天然資源価格が下落することで、天然資源を輸出することで得られる税収が減少してしまい、輸出が振るわず、国家経済と財政が危機的状況になりました。

日本で例えると、世界的に景気悪化してしまい、自動車輸出が振るわず、国家経済全体が不況となり、税収も落ち込んでしまったようなものです。

ロシア経済が危機的状況であると市場関係者などに判断されてしまい、ロシア国内から資本が逃げ(いわゆるキャピタルフライト)ルーブル安圧力が発生してしまいました。

それが極まってしまったのが1998年頃なのですが、その当時固定相場制を採用していたロシアは外貨を売り自国通貨を購入するという介入行動を行うことで固定相場制を維持しようと努力しました。

IMF(国際通貨基金)から外貨を借りてまで固定相場制を維持しようと試みたのですが、最終的には上手く行きませんでした。

資源価格が下落して、国家経済が危機的状況に陥ったロシアはこのルーブル安圧力に屈する他ありませんでした。
結局、固定相場制を維持することはできませんでした。

変動相場制(というか為替レートの変動幅を緩やかながら認めつつ、ルーブル切り下げという表現がより正確)に移行することになりました。

その一方で、自国通貨建て(ルーブル建て)国債の償還期限は迫っており、その国債には為替予約がなされておりました。

為替予約を具体的に説明すると、ロシア国外の居住者(外国人投資家など)はルーブル建ての国債を購入する際にUSドル買いルーブル売りの為替予約をロシア国内の銀行で行っておりました。

※参考記事:自国通貨建て国債で破綻?~ロシア危機の場合(廣宮孝信の「国の借金」“新常識”より)

簡潔に言えば、外国人投資家などはロシアが固定相場制を維持せず、変動相場制に移行する場合の為替リスクに対処するため、ルーブル安になったとしても確実に一定額のUSドルを手に入れられるような仕組みを組み上げていたのです。

その当時、1USドル=6.45ルーブルという固定相場制を採用していましたが、仮に1ドル=10ルーブルまでルーブル安になったとしても、例えば1USドル=6.45ルーブルという為替レートでUSドルを手に入れられるということです。

それが為替予約です。
投資家心理として、為替リスクはヘッジしたいでしょうからある意味当然の保険と言えます。

自国通貨建て(ルーブル建て)のロシア国債を購入した外国人投資家などは償還された後に手元に残るルーブルを為替予約に基づき、USドルを手に入れるわけですから、ルーブル売りUSドル買いがほぼ自動的に発生します。

したがって、自国通貨建て(ルーブル建て)国債とは事実上の外貨建て国債であり、その国債の償還(借金返済)とはルーブル安圧力を発生させることなのです。

ルーブル安がこれ以上深刻化すれば、モノカルチャー経済であるロシアは天然資源以外の一般的な物やサービスを輸入に依存しておりましたから、自国通貨安を原因としたインフレが進み、国民生活がボロボロになることは必定。

自国民を犠牲にして、輸入する物やサービスのインフレを享受してでも自国通貨建て(ルーブル建て)国債を償還するのか、外国人投資家などに我慢してもらい、これ以上の自国通貨安を食い止めるのかという選択を迫られ、償還意欲を喪失したのです。

ロシアは自国通貨建て(ルーブル建て)の国債のデフォルトになりました。
自国通貨建て(ルーブル建て)国債の保有者はデフォルトした後も資金回収するのに難儀したようです。

※参考記事:Russian Federation--Recent Economic Developments
(September 20, 1999)

http://www.imf.org/external/pubs/ft/scr/1999/cr99100.pdf

以下、参考動画(これ必見です)

為替レートは重要である

お話を現代貨幣理論の話に戻しますが、やはり現代貨幣理論を正確に把握するためには、その国家が自国通貨を保有しているのか(自国の中央政府や中央銀行が自らの意思で貨幣を発行できるのか)と同時に為替相場がどのような状態なのかも重要なのです。

以上です。
この件は再度研究して、記事にすることに致します。

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