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国土強靭化を阻む予算制約と採択基準。建設国債で防災予算を増やせ!

投稿日:

公共事業が日本を救う

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年7月17日(令和3年7月17日)

熱海市の土石流災害で人命が失われた

静岡県熱海市で発生した土石流災害で、市は16日、新たに1人の遺体が見つかったと発表した。
身元、性別は不明。
死者は13人となった。
行方不明者は16人のまま。

引用元:熱海土石流、新たに1人の遺体発見…死者13人に

この度の土石流災害に遭われた方々に対して、哀悼の意を捧げたいと思います。

我が国日本は災害大国でございます。
大雨などで山間部の土砂などが崩れることもございますし、今回の熱海市のように土石流災害が発生することがございます。

したがって、常に災害対策を行い、国土強靭化計画を実行する必要がございます。

念のため、国土強靭化計画について私個人のスタンスを明言させていただきます。

私は国土強靭化に賛成ですし、国土強靭化を提唱している藤井聡先生よりもある意味では過激派です。
とにかく国土強靭化を行い、人命や財産が失われるということは絶対に避けなければなりません。

国土強靭化のために、日本政府が公共投資を増やし、民間企業に防災工事を行っていただく必要があるのですが、それだと低所得者層にお金が行き渡らない可能性が高いので、ユニバーサル・ベーシックインカムを主張しているのです。

したがって、いわゆる反緊縮左派のようなお金配りを重視する人々や、いわゆる反緊縮右派のように国土強靭化や国防予算の拡充を重視する人々からは白い目で見られることが多いのです。

消費税を廃止して、法人税の税率引き上げを行い、国土強靭化を推し進め、防衛力整備のためにお金を投じ、ユニバーサル・ベーシックインカムを導入することで相対的貧困対策と多層的な社会保障を求めている人間なのです。

ある意味、反緊縮過激派であり、日本経済成長主義過激派です。

以上を踏まえ、本日は国土強靭化を阻む要因として、予算制約だけでなく採択基準にも言及したいと思います。

公共事業の採択基準とは

公共事業では社会ベネフィット(便益)がコスト(費用)を上回っているという採択基準がある。
その基準を満たしている公共事業は建設国債を発行して実施可能だ。
この意味で、国債発行額が予算制約になるのではなく、採択基準が公共事業の規模を決定する。

引用元:日本の防災対策を進める方法 公共事業実施の基準見直せば「2倍以上の規模」が達成可能だ

まず、国土強靭化に代表されるような公共事業においては、均衡財政や緊縮財政などのお金足りないという誤った認識が政府首脳の脳髄を支配しており、お金の問題に直面しております。

さらに、上記引用元によれば、採択基準が公共事業の規模を決定するとのことです。

便益(公共事業を行うことによって発生する社会全体のメリット)と費用(公共事業の関連費用)を比較検討した場合に、便益が一定水準で上回った場合は建設国債を発行して、公共事業を行うことが可能となります。

詳細に関しては、採択基準でグーグル検索していただくか、上記引用元を参照していただきたいのですが、その採択基準において、便益と費用どちらも将来見通しを現在価値化するために割引率を適用して、現時点では4%なのだそうです。

公共事業によって建設されたダムなどの公共財は長期間に渡って社会全体に便益を生み出し続けますが、公共財の費用とは、建設費用が主で比較的少額の修繕費用が継続して発生します。

将来的な価値を現在ではいくらになるのかを計算するときの割引率が高ければ、便益が過小評価されます。

例えば、堤防を建設する場合で考えてみましょう。

とある堤防の社会全体に与えるメリットが10年間で100億円とします。
とある堤防の建設費用が初年度90億円で、毎年1億円の修繕費用が10年間発生するとします。

この場合、名目上は便益が100億円で費用も100億円です。
ただ、現時点の貨幣価値と将来時点の貨幣価値は物価上昇や資産運用した場合の機会損失を考えると同価値ではありません。

仮に年間10%の物価上昇が継続するということを想定すると、便益は初年度10億円ですが、2年目は9億円、3年目は8.1億円となり、どんどん目減りします。

その場合の費用は初年度は91億円ですが、2年目は0.9億円、3年目は0.81億円となります。
この場合、便益と費用をどちらも割り引いて価値計算をしなければならず、その際に使用される割引率が現在は4%なのです。

割引率が高いと、便益の方がより小さく計上されてしまうので、便益と費用を10年間で比較した場合、費用の方が高いと計算されてしまう場合が多くなります。

我が国日本においてはインフレどころかデフレですし、10年物国債の金利も1%未満ですから、割引率を引き下げても問題は無いはずです。
※これ以上は計量経済学における割引率の話になりますので、割愛させていただきます。

上記引用元の高橋洋一氏(以下敬称略)は割引率を4%から1%に引き下げることで、公共投資予算を倍額以上に増加させることが可能だと主張しています。

本当に倍額以上に増加させることが可能なのかという点は疑わしいですが(高橋洋一の主張ですから疑うべきでしょう)公共投資予算を増やすことができるのは確実かと思います。

我が国日本に財政的予算制約は無い

なお、ちなみにこの話は、予算事務の話なので、最近はやりのMMT(現代貨幣理論)とは無関係だ。
この割引率4%問題を直さずにMMT思想に走るのは、本質をずらしているといわざるを得ない。
MMT思想をいくら主張しても、実際の予算実務で割引率を是正しないと、公共事業を行うことはできない。

引用元:日本の防災対策を進める方法 公共事業実施の基準見直せば「2倍以上の規模」が達成可能だ

公共事業の採択基準は高橋洋一の主張の通りで予算事務の話であり、現代貨幣理論とは無関係です。

したがって、採択基準の話に現代貨幣理論を持ち出すこと自体、理解不能です。
予算制約の話は全く別物の議論として認識しなければならないのに、現代貨幣理論の悪口を口にしてしまうのが高橋洋一の嫌なところです。

さらに言えば、MMT思想って表現しているだけで、おかしな方向に走り出している感が拭えません。
現代貨幣理論思想って、理論なのか思想なのかはっきりしてほしいです。

結局、現代貨幣理論を理解していないのが高橋洋一であり、とにかく悪口を言いたくてどうしようもないようです。

重ねて主張しますが、現代貨幣理論の要諦を一言で言えば「変動相場制を採用し、自国通貨を保有する政府に、財政的予算制約は存在しない」ということです。

我が国日本の公共事業(この場合は公共投資と言い換えても可)においては、財政的予算制約は無いが、採択基準という制約は存在するので、それを緩和するべきです。

具体的には割引率を1%に引き下げるべきですし、便益を再定義することも検討するべきでしょう。

建設国債を新規発行して、民間企業の供給能力を鑑み、供給能力を上回るような規模の公共投資を行っていただきたいと思います。

具体的には、堤防やダムの嵩上げ、橋や湾港の整備などを重点的に行ってほしいです。

最後になりますが、財政政策に対して否定的な高橋洋一から公共事業の採択基準制約の話が出てきただけでも、評価に値します。

今後も高橋洋一を批判しつつも、褒めるところは積極的に褒めていきたいですね。

以上です。

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