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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年6月27日(令和3年6月27日)
ユニバーサル・ベーシックインカムの基本的な考え
本日なのですが、私の考えるユニバーサル・ベーシックインカムを再度わかりやすく説明して、ユニバーサル・ベーシックインカムによって日本経済の生産性が高まり、介護離職を予防できるという点も説明したいと思います。
前提として、そもそもユニバーサル・ベーシックインカムの定義に関して説明します。
ユニバーサル・ベーシックインカムとは、すべての国民に対して定額のお金を定期的に支給することで、相対的貧困を撲滅し、格差是正を行う社会保障政策の1つの形態です。
ベーシックインカム推進の国際機関であるベーシックインカムアースネットワーク (BIEN) はベーシックインカムの定義を公開しました。
※参考記事:https://basicincome.org/news/2016/10/international-biens-clarification-ubi/
簡単にまとめると以下の通りになります。
1、定期的 (Periodic): 一定の間隔で支払われる (例えば毎月ごと)。1回限りではない。
2、現金給付 (Cash payment): 交換に適しており、受領者が何に費やすか決定できるものによって支払われる。
つまり、食べ物やサービス、特定の用途に限られた引換券などは該当しない。
3、個人向け (Individual): 個人に支払われる。世帯への給付ではない。
4、普遍的 (Universal): 資産調査なしにすべての人に支払われる。
5、無条件 (Unconditional): 労働要件や働く意思の実証なしに支払われる。
上記に該当するのが定義上はベーシックインカムとなります。
私の主張するユニバーサル・ベーシックインカムには、以下の条件をさらに付与します。
6、ベーシックインカムの財源として、税金を創設、税率の引き上げ、既存の社会保障の削減は行わない。
7、ベーシックインカムとして支給した現金は所得税の課税対象に含まれる。
8、ベーシックインカムの支給対象は日本国民に限られる。
9、ベーシックインカムの支給額は国民1人当たり月額5万円として、社会的影響を鑑み増減することは有り得る。
10、服役中はベーシックインカムの支給を停止する。
簡単に言えば、日本維新の会のような新自由主義に汚染された社会保障削減型ベーシックインカムではありませんし、過度なインフレを抑制するため所得税の課税対象に含まれ、外国人へは支給しません。
なぜならば、社会保障の多層化を目指すベーシックインカムなのに、社会保障を削減するのは本末転倒だからです。
また、高所得者へのベーシックインカム支給額を抑制することでさらなる格差是正を行うべきだからです。
ユニバーサル・ベーシックインカムは国債を新規発行することで、実現するべきだと考えます。
変動相場制を採用し、自国通貨を保有する政府に財政的予算制約はありません。
さらに付言するならば、日本国民の労働意欲をできるだけ損なわせずに、安心して生活できるような金額を定期的に支給するべきなので、月額5万円とさせていただき、あまりにもインフレになった場合は支給金額の再考もあり得ます。
ベーシックインカムには様々な弱点がございまして、以下にまとめます。
1、公共財(インフラや防衛サービス)が供給されない。
2、労働意欲の減退(自発的失業の発生)が生じるかもしれない。
3、実物資源の制約がある(要するに、インフレになる可能性がある)
公共財が供給されない件に関しては、公共投資をユニバーサル・ベーシックインカムと共に行うことで解決できますし、労働意欲の減退は労働需要を高めつつ、支給額を抑制することでできるだけ回避します。
実物資源の制約に関しては、資源(主に原油など)の備蓄を行いつつ、設備投資減税と設備投資補助金制度を再度実行して、民間企業の供給能力を向上させることで対処可能です。
※あくまでもユニバーサル・ベーシックインカムは様々な政策の1つとして考え、パッケージの一部と捉えるのが妥当だと考えます。
本日の記事ではユニバーサル・ベーシックインカムの説明はこれくらいにして、本題を説明したいと思います。
お金があれば介護離職を予防できるのでは
ユニバーサル・ベーシックインカムに対する批判として、労働意欲の減退が生じるかもしれず、自発的失業の発生を助長するのではないかという点が挙げられます。
福利厚生が薄く、基本給が低く、残業があまりにも多く、休暇取得しにくいブラック企業から労働者が逃げるということはあり得ますし、働くことがそもそも苦手と思っている人間ならば、離職することもあり得ると思います。
そもそも私が主張するユニバーサル・ベーシックインカムはそういった「奴隷労働からの解放」を目的としているので、むしろユニバーサル・ベーシックインカムのメリットだと考えています。
ただ、一方で介護離職を予防できるというメリットもあるのではないかと考えております。
厚生労働省の雇用動向調査によると、2019年に離職した人は約785.8万人、そのうち個人的理由で離職した人は約579.3万人でした。
引用元:「介護離職者はどれくらい? 介護離職をしないための支援制度は?」公益財団法人生命保険文化センターより
そして、個人的理由で離職した人のうち「介護・看護」を理由とする人は約10.0万人です。
仮に毎年約10万人が介護離職しているとするならば、ユニバーサル・ベーシックインカムでお金を支給して、介護サービスを気軽に依頼できるだけの金銭的余裕ができれば、離職せずに済んだのではないかと推察します。
10年間で100万人の介護離職を防ぐことができれば、長期的には労働力の腐食を防止することになります。
介護離職せずに働き続けて、同一企業または同一職種で働き続けることができれば生産性が高まるでしょうから、物やサービスの供給力は高まるので、インフレ対策にもなります。
※ちなみに介護離職でお悩みの方は厚生労働省HP上に情報が掲載されておりますので、まずはご確認いただければ幸いに存じます。
介護は自力で頑張らず、「介護保険サービス」をしっかり利用することが大切です。
引用元:じつは8割以上の人が後悔…「介護離職」を絶対にしてはいけない3つの理由
介護保険制度を利用することで、入所施設によっては毎月の自己負担額が5~10万円も減額されます。
また、親が介護状態になったら、市区町村が独自に行う介護手当(総称)がないかもチェックしましょう。
介護するうえで重要なのは、「介護サービスを利用し、自分の時間とお金を守ること」「仕事をやめないこと」です。
親と自分の人生は別です。
親のことだけでなく、自分や家族が幸せに生きるにはどうしたら良いかを考えましょう。
既存の介護保険サービスをしっかり利用することも介護離職を防ぐためにも必要ですし、地方自治体が独自に行う介護手当なども重要です。
これにユニバーサル・ベーシックインカムの月額5万円(親一人子一人であったら月額10万円)を上乗せすることができれば、介護サービスを利用することで就業時間の確保ができますし、精神的にも金銭的にも楽になります。
ユニバーサル・ベーシックインカムではなく、介護保険制度の拡充で対応するべきとの批判もございます。
私は既存の社会保障制度の拡充に反対しませんし、むしろ賛成です。
ただ、日本国民が抱えている問題というのは多岐に渡り、中央政府や地方自治体が正確に把握しているわけではなく、それにきめ細かな対応をするというのは現実的ではございません。
ならば、まずはお金を支給することで自己解決を促し、それに加えて公的扶助を利用するべきなのではないでしょうか。
社会保障の多層化は急務だと考えます。
転職資金になり、生産性向上か
さらに付言するならば、奴隷労働から解放された労働者たちが生産性の高い企業に再就職することができれば、日本経済全体における供給力の強化に貢献することができます。
そのためには、転職活動をしなければなりませんが、そのためにはお金が必要となります。
特に一旦離職した上での転職活動となると、貯金を切り崩しての転職活動となりますので、精神的負担と金銭的負担があまりにも大きいのではないかと推察します。
ユニバーサル・ベーシックインカムが導入され、ある程度の貯金があれば、転職活動しやすくなりますし、かつてよりも働きやすい職場や企業に就職しやすくなり、個人の幸福度は高まるのではないでしょうか。
また、より高賃金の仕事に従事することができるということは生産性が高まったということでございますから、物やサービスの供給力が高まり、インフレ対策にもなり得ます。
いわゆるブラック企業から労働者が逃げ出すことによって、ブラック企業は存続の危機に直面して、ホワイト化するということも考えられますので、ある意味抜本的な働き方改革になり得ます。
以上です。