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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年2月5日(令和3年2月5日)
エストニアは電子国家と呼ばれる
エストニアの行政サービスの99%は電子化されており、オンラインで手続きが完結する。
引用元:エストニアの電子政府とは。99%の行政サービスが電子化されている仕組みや特徴を解説
オンラインでの手続きを可能にしたのは、国民が持ち歩く身分証明書である「eIDカード」と呼ばれる電子カードだ。
国民一人ひとりに番号を割り振るID制度が導入され、15歳以上の国民にeIDカードの保持を義務付けている。
エストニアに関して、簡単にご説明します。
エストニアは、ロシアの隣国でありヨーロッパの一国として、リトアニアとラトビアとともにバルト三国と呼ばれている国家です。
人口は約130万人で、日本でいう青森県と同じ程度の人口であり、面積は九州と同じくらいと、人口や面積は大きくない小国でありながら、デジタル化が進み、電子政府として有名です。
日本人にはバルト三国と言われても地理的イメージが湧かないので、以下にGoogleMapから切り取った地図を掲載したいと思います。
上記引用元記事で紹介された「eIDカード」は日本で例えると、マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証などの普通であれば何枚も持たないといけないカードの類が1枚に凝縮されたような電子カードです。
率直に申し上げて、めちゃくちゃ便利です。
行政手続きがオンライン上で行える
それを実現可能にした技術の1つが「X-Road」である。
引用元:エストニアは本当に「電子国家」なのか--現地に移住した日本の若者がみた実情
分散したデータベース間の情報共有を安全に行う技術で、エストニアの企業Cyberneticaが導入した。
X-Roadは、公的機関がインターネットを介して情報を交換できるようにするオープンソースのデータ交換レイヤーソリューションである。
情報交換に重きを置き、その情報システム間を集中管理することによって、データ交換当事者間の機密性、完全性、相互運用性を保証している。
エストニアでは、行政手続きのほとんどがオンライン上で行えます。
それを実現可能にしたのが、上記引用元で紹介されている「X-Road」であり、エストニア企業が構築したデータ連携基盤のようなものです。
各企業のデータは様々な様式で保存されておりますし、どのような形式でネットワーク上でデータ連携するのかも統一されておりません。
地方自治体も同様です。
そのためには国家が主導して、共通のデータ連携基盤を構築するのは、効率的な行政サービスの提供のための手段としては極めて合理的と言えましょう。
安全保障としての電子国家
欧州とロシアのちょうど境目にあるエストニアが、このまま国家として存続できるかは誰も保証できない。
引用元:エストニアは本当に「電子国家」なのか--現地に移住した日本の若者がみた実情
だからこそ、物理的に国が奪われたとしても、オンライン上に電子的に国をデータとして保護しておくことで、いつでもまた再出発でき、国民を守るという考えが根元にあるのだ。
それはまるで、ハードウェアが壊れてもまた新しいハードウェアにOSをインストールするという行為に似ている。
私もそこまで詳しいわけではございませんが、エストニアはかつてソ連に組み込まれており、あまりにも貧しく国家の独立性を失った時期がございました。
だからこそ、侵略されて国家が奪われたとしてもいつか復活するために、国民のデータを保存することで国家再興のための準備をするため、電子国家としての機能を拡充させてきたようです。
ある意味、究極の国家安全保障政策としてのデジタル化推進と言えます。
私のような安全保障を重視するITエンジニアとしては、本当に素晴らしい政策を実行していただけたのだと嬉しく思いました。
国家間分業がエストニアを電子国家にしたらしい
実は、旧ソ連による支配が結果的に独立後の幸運に繋がっていたのだ。
引用元:エストニアの「電子政府」を可能にした3つの成功要因
当時、旧ソ連と東欧社会主義国の間では経済相互援助会議COMECONと呼ばれる体制が構築されていた。
これは連邦内の各国や東欧諸国がそれぞれ一つずつの産業を担い、相互に経済を援助するような体制だ。
バルト3国のなかでは、エストニアがIT関連を担っており、ラトビアは自動車や造船、リトアニアは電子産業を分担していた。そのため、同国には人工知能などを研究していた最先端技術の研究所(サイバネティクス研究所)があったのだ。
なぜエストニアは電子国家になり得たのかという疑問が生じるのではないかと推察します。
なぜかと申しますと、ソ連との国家間分業制の結果、IT産業に注力することになったからなのだそうです。
ソ連は各国がそれぞれ1つの産業を担い、相互に経済援助するような体制を構築していました。
あえて例えるならば、日本が自動車産業に特化して、アメリカが農作物生産に特化するようなことですね。
そういったことをソ連は国家単位で過激に分業していたということらしいです。
そんな中でエストニアはIT関連産業の基盤があったため、デジタル化を推進することができて、電子国家になったとのこと。
やはり歴史的な経緯を抜きにその国家経済を語ることはできませんね。
行政のオンライン化だけはやるべき
我が国日本はエストニアの事例に学ぶべきことが多いのではないかと思います。
もちろん、国土条件や人口、IT産業の習熟度などの条件が全く異なるので、全くそのままの電子国家は無理でしょう。
ただ、個人的に思うのはマイナンバーを利用して、行政のオンライン化だけはやるべきだと思います。
例えば、窓口に行かず、所得や貯蓄状況を把握したマイナンバーを行政のWebページにアクセスするだけで生活保護を申請できて、1カ月後には生活保護受給ができたら、めっちゃ便利だと思いません??
最近では、夫婦別姓というふざけた考えが蔓延しているので行政のオンライン化で、苗字を変更するのも、オンラインで一気に変更できれば、夫婦別姓議論を沈静化に向かわすことも可能です。
以上です。