大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年12月17日(令和2年12月17日)
消費税廃止で困るのは地方自治体?
総務省は新型コロナウイルス禍を受けた消費落ち込みによる自治体の税収減を地方交付税で補填する方針だ。
引用元:地方消費税など自治体の税収減、国が補填 総務省検討
自治体の財源不足を穴埋めする「減収補てん債」の対象税目に地方消費税や軽油引取税、地方のたばこ税などを追加する方向で検討している。
2020年度限りの措置とし、来年の通常国会に地方財政法改正案を提出する。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、地方自治体の税収が落ち込んでいることから、地方交付税や「減収補填債」で財源不足を補うようです。
本当に恥ずかしいことながら、減収補填債という言葉を初めて知りました。
減収補てん債は、国が元利償還金の4分の3を地方交付税で手当てし、自治体は残り4分の1の負担で済む。
引用元:地方消費税など自治体の税収減、国が補填 総務省検討
消費税は税率10%のうち、2.2%分が地方消費税に充てられる。
地方税収の15%程度を占め、自治体の基幹税の1つとなっている。
ほかの税目も含め、新型コロナ禍による消費の落ち込みで財政難に直面する自治体を支援する。
減収補填債の金額の内、地方自治体が返済するのは4分の1の金額だけでよいようです。
現状、消費税の地方税分が地方自治体にとっての主な収入源となってしまっており、消費税を廃止する場合、消費税が廃止されることによる税収減少をどうするのかという問題に直面することでしょう。
地方交付税で全部補填して、政府の税収が足りないのであれば、国債を新規発行して、資金調達すれば問題ないと思います。
法人税と所得税の税率引き上げには反対しない
現時点で政府・与党内で消費税減税の表立った検討はされていないように見えるが、安藤氏は新型コロナを受けて「安倍首相も関心を持っている」と明言した。
引用元:「消費減税に安倍首相も関心、税率ゼロ%の方が対応容易」=自民・安藤氏
もっとも、首相が具体的にどのような道筋で減税を実現するかについては明言を避けた。
仮に消費減税が本格的に政府の検討対象となった場合には、「法人税や所得税の引き上げがあり得るのではないか」と述べ、財政再建を重視する財務省も受け入れる形での政策パッケージを提唱した。
地方自治体の税収を考える上で重要なのが、法人税と所得税の税率引き上げです。
私個人としては、法人税と所得税の税率がどの程度引き上げられるのかにも関係しますが、消費税が事実上廃止されるのであれば、基本的には反対しません。
新型コロナウイルスに伴う外出自粛などにより、企業の収益はガタ落ちであり、そもそも法人税を納められる企業は少数派になるでしょう。
また、法人税の税率が引き上げられるのであれば、節税意欲が高まり、民間企業は雇用創出や設備投資にお金を使うようになるかもしれません。
所得税に関してはそもそも累進課税ですし、累進課税を強化する方向で増税というのであれば、急激なインフレを防止する機能が強化されます。
もちろん、大幅な税率引き上げならば反対します。
せめて、5%程度の引き上げ程度にしていただき、累進強度を高める方向ならば反対しません。
消費税を廃止すれば病院を救えるのだが
医療機関は、物品などを業者から仕入れる際に消費税を支払っている。
引用元:消費税10%で医療費も値上げ なぜ?
一般的な小売業であれば、小売価格に消費税を上乗せして消費者から徴収したうえで差額を納付する仕組みで、実質的な負担はない。
これに対し、保険の診療費は非課税であるため、医療機関が患者から消費税を徴収することはできない。
この結果、医療機関が仕入れに際して支払った消費税分の金額は、医療機関の負担になっている。
税率が8%から10%に上がれば、医療機関の仕入れにかかる負担もその分増えることになる。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の落ち込みを救うために、消費税を暫定的にでも10%にするというのは理にかなっています。
まず第一に、消費行為への罰金が無くなることにより、消費が増えます。
また、医療費に関しては非課税になっているため、事実上医療機関が負担している消費税分の金額も帳消しになり、医療機関を救うことになります。
したがって、新型コロナウイルスで負担があまりにも大きい医療機関を救い、一般家計を救うためにも、消費税を暫定的にでも停止する必要があるのです。
日本共産党の主張が一番まともという悲劇
日本共産党の小池晃書記局長は17日、国会内で記者会見し、4~6月期の国内総生産(GDP)速報値が年率換算で27・8%マイナスになったことについて、「昨年10~12月期から3期連続のマイナスだ。消費税10%の大増税があり、その大打撃から回復しない状況でコロナ危機が直撃した。
引用元:GDP年27.8%減 消費税増税の失政明らか くらし応援の政策を
コロナ危機の深刻さはもちろんだが、アベノミクス、とりわけ消費税増税の大失政が改めて明らかになった」と指摘しました。
国内総生産の落ち込みぐあいを理解すれば、日本共産党の小池氏(以下敬称略)が一番真っ当な主張をしているという悲劇的なことになっております。
消費税廃止を元々訴えていたということもあるでしょうけど、大企業への増税での課税だけではなく、国債の新規発行を中心とした政策を訴えてほしいですね。
消費税の逆進性について
本格的に消費税の悪影響を論じましょう。
消費税の悪影響で名高いのはいわゆる「逆進性が高い」という点です。
簡潔に言えば、低額所得者に対して負担が大きくなるという性質のことです。単純化した例で説明します。
年収200万円の日本国民(C)と年収1000万円の日本国民(D)の2人が存在したとします。
(C)は年収の8割を、(D)は年収の5割を消費に充てると仮定します。
なぜならば、高額所得者と低額所得者に関係なく、生きるために最低限必要なお金はあまり変わらないので、一般的に低額所得者の方が所得の内で消費に充てる割合が高いからです。
そして、この2人の消費額に対して課税されます。
消費税率を5%で計算しますと、(C)は8万円の消費税を支払うことになります。
(C)は年収が200万円なので、年収の4%の消費税を支払います。
(D)は25万円の消費税を支払います。
(D)は年収の2.5%の消費税を支払います。年収に占める課税額割合で両者を比較すると(C)の方が高いのです。
考えてみれば当たり前のことですが、消費税は「消費」に対して課税されます。
どんなに年収が多くても、消費しなければ、消費税を支払わなくてもいいのです。
しかも、生活保護受給者、年金生活者、失業者などといった本来は税金を支払う能力が極めて低い人々もしくは税金を支払う能力を失ってしまった人々も消費税を支払う必要があります。
したがって、消費税には「自動安定装置」機能が欠如しているとも言えます。人は食べなければ生命を維持できません。
現代社会において生きるためには必要なものも多いと思います。
そういった必需品にも課税してしまっているので、低額所得者の負担感が高いのです。
経済弱者により強い負担感を与える消費税は廃止されて然るべきなのです。
以上です。