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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年8月16日(令和元年8月16日)
ユニバーサル・ベーシックインカムに関する記事
米国をはじめ先進国では適切な社会的セーフティーネット(安全網)が整っていないため、「ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI、全国民向け最低生活保障)」を導入する案を支持する声が強まっている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48595960V10C19A8945M00/
UBIは全国民が所得や資産などにかかわらず一定額を国から受け取れる仕組みを指す。(技術の進歩による)自動化やグローバル化で、貧富の差がさらに拡大するとの懸念も広がっている。
上記は日経新聞電子版の記事から一部引用させていただきました。
マサチューセッツ工科大学教授のダロン・アセモグル氏がベーシックインカムについての論考を寄稿されていました。
ここで言うところのUBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)は私が主張している積極財政タイプのベーシックインカムのことであり、所得や資産に係わらず一定額を国家から受け取る仕組みのことです。
既存の社会保障制度などはそのままとして、相対的貧困の解消や格差是正のために、ベーシックインカム導入の声が高まりを見せています。
だが、UBIには欠点がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48595960V10C19A8945M00/
最大の欠点は法外な支出を伴うため、他のセーフティーネットを大幅に切り詰めざるを得ないことだ。
人口が約3億2700万人に上る米国で月1千ドルのUBI給付をするには年4兆ドル前後の予算が必要となる。
これは2018年度の連邦予算の合計に近い。
大幅なコスト削減をすれば、経済にゆがんだ負担を強いることになる。
ベーシックインカムに対する批判を述べていると思いますが、自国通貨を保有する国家の自国通貨建て国債はデフォルトしませんので、国債の発行を財源とすれば解決します。
誰もセーフティネットの切り詰めは望んでおりません。
アメリカ合衆国の場合、USドルという自国通貨建てで国債を発行し、FRB(連邦準備制度理事会)の決定で、買いオペが可能となります。
であるならば、財源を問題として、既存のセーフティネットを縮小もしくは消失するという選択をせずにUBIを実行すればよろしいのではないでしょうか。
負の所得税とは何か
UBIより賢明な政策として、(課税最低限に満たない割合に応じて政府が給付する)「負の所得税」や「基本所得保障」と呼ばれるものがある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48595960V10C19A8945M00/
全員に月1千ドルを給付するのではなく、月収が1千ドル未満の人だけに不足分を給付するという仕組みで、要する費用を大幅に抑えられる。
マサチューセッツ工科大学教授のダロン・アセモグル氏はUBIではなく、負の所得税を導入せよと主張しています。
負の所得税とは、基準所得を月額10万円とするならば、月額10万円に満たない人々に対しては基準所得との差額を支給します。
例えば、月額5万円程度を稼ぐアルバイトをしている女性がいたとするならば、毎月5万円が支給されることになります。
この記事では、負の所得税に関して、深く考察していければと思います。
少々専門的なお話になるかと思いますが、何卒最後までお付き合いいただければと存じます。
負の所得税は非正規労働を消滅させる可能性がある
負の所得税を考えるに当たり、月額10万円を基準所得とし、月額10万円に満たない場合は所得額と基準所得の差額が支給されると仮定します。
負の所得税を導入するときの基準所得額にもよると思いますが、短期アルバイトやパートタイム労働などのいわゆる非正規労働が無くなると思います。
俗な言い方をすれば、主婦が家計を助けるためにパートで働くということが無くなりますし、学生が短期アルバイトをするということも無くなります。
そういった非正規労働によって成り立っている産業はとてつもない打撃でしょう。
負の所得税とは、ある一定額までは働けば働くほど時間的損失が大きくなってしまうので、低所得者層ほど勤労意欲が損なわれるでしょう。
簡潔に言えば、基準所得を稼ぐまでの時間は実質ただ働きになります。
ベーシックインカムの場合は、所得制限がありませんから、勤労意欲が損なわれにくいという特徴がございます。
負の所得税は勤労意欲減退機能が強すぎるため、賛同できません。
さらに付言するのであれば、所得隠しが行われてしまった場合はどのようにすればいいのでしょうか。
不当にお金が支給される可能性が高いと思います。
個人商店などで、アルバイトに対してお金を支払い、所得申告しなかった場合はお金が減額されずに支給されることになります。
ベーシックインカムは必要だが生活保護世帯には支給すべきではない
負の所得税について考えてみた結果、理解が深まったところがございます。
ベーシックインカムや負の所得税を導入するにあたり、勤労意欲の減退をできるだけ避けるべきということです。
国民経済における労働が著しく減少してしまっては、民間企業の供給能力が低下してしまい、インフレが加速度的に深刻化してしまいます。
負の所得税に関しては、上記でも述べましたように、非正規労働が消滅する可能性があるため、導入するべきではないでしょう。
ベーシックインカムに関しても、勤労意欲を減退するような過度な支給は止めた方がいいでしょう。
さらに付言するならば、ベーシックインカムを導入するときには生活保護受給者世帯に対しては支給を停止し、年金受給者世帯に対しては減額支給するべきなのではないかと存じます。
そもそも、生活保護とは働けない人に対して文化的で最低限度の生活を保障するセーフティネットです。
であるならば、これ以上のお金の支給をするというのは、働かないことへのご褒美のようなものです。
勤労意欲の減退になるため、これは避けねばなりません。
ベーシックインカムの受給条件に、生活保護を受給していないことと定めれば、生活保護受給の抑止にもなります。
年金受給者に対しても、老後の生活保障のための制度でございますから、減額支給することにより、勤労意欲の減退を少しでも軽減できるのではないかと思います。
ベーシックインカムの導入に際には、既存の社会保障制度との折り合いをどのようにつけていくのかというところを考えなければなりません。
ベーシックインカムの導入に賛成している人間なので、学ぶべきところは多いように思えます。
以上です。
コメントいただければ幸いに存じます。