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反逆する武士

現代貨幣理論

『MMT(現代貨幣理論)で解ける財政問題:目からウロコの解決策』を読む

更新日:

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年8月17日(令和元年8月17日)

現代貨幣理論の電子書籍が出版された

本日はTwitterでフォローしているシェイブテイル氏が『MMT(現代貨幣理論)で解ける財政問題:目からウロコの解決策』をKindle出版されたとのことなので、ご紹介したいと思います。

結論から言えば、現代貨幣理論を理解した人間であれば参考になるが、初心者にはお勧めできないという評価になります。

Amazonの星で評価するならば、★★★☆☆となります。
私は基本的に電子書籍に関しては好意的に評価するのですが、残念ながら批判的な書評にならざるを得ません。

『MMT(現代貨幣理論)で解ける財政問題:目からウロコの解決策』の長所

現代貨幣理論の3本柱というものがございます。
その中の1つに「自国通貨を持つ政府は財政的な予算制約に直面することはない」という命題がございます。

実はこれに対しても批判がございます。
本書において自国通貨を持つ政府が発行した国債がデフォルトした例が42例もあるのだと参考文献を挙げながら紹介しています。

ただ、シェイブテイル氏はこの42例の内容を分析すると、デフォルト要因が3つあると主張しています。

1、国家が政情不安の場合
2、実質外国通貨建ての国債を発行した場合
3、高インフレになった場合

1つ目の国家が政情不安の場合においては、国家が債務を返済するということが行政的な意味でできないということなのではないかと推察します。

言い換えるならば、国家が正常に機能するのであれば心配はないということになります。

2つ目の実質外国通貨建ての国債を発行した場合にもデフォルトするそうです。メキシコやアルゼンチンは「ペソ」という通貨を使用しており、ドルペッグ制を採用していました。

ドルペッグ制というのは、金利調節や為替介入などを行い、USドルと自国通貨レートを一定に保つ制度のことです。

簡潔に言えば、人為的な固定相場制と言えます。

新興国の通貨というのは、非常に不安定であるため、実質的な基軸通貨であるUSドルと連動させることにより、通貨価値を一定に保ち、安心して投資できる国家体制を構築する必要がございました。

自分の資産をメキシコやアルゼンチンといった新興国に投資したとしても、その新興国の通貨価値が大暴落してしまったら、投資して得られたリターンを上回るレベルの損失が発生するかもしれないからです。

ドルペッグ制には弱点がございます。
USドルとの交換比率を一定に保つため、自由に通貨を発行できないということです。

なぜならば、大量に自国通貨を発行したら、通貨価値が下落して交換レートが変動してしまうからです。

国債を償還するときに、自国通貨を自由に生み出すことができないというのはデフォルトリスクの高まりを意味します。

3つ目の高インフレの場合というのは、ジンバブエの場合にようにハイパーインフレになってしまった場合のことなのだそうです。

白人の土地資産を奪い、経営者を追い出すことで民間の供給能力が激減し、紙幣を乱発したハイパーインフレ国家おいてはデフォルトするでしょう。

以上のように、現代貨幣理論に関する命題を深堀するきっかけをいただきましたことは率直に評価するべきでしょう。

『MMT(現代貨幣理論)で解ける財政問題:目からウロコの解決策』の短所

いかんせんわかりにくいと言わざるを得ません。
現代貨幣理論をしっかりと学習した人間でも理解するのが難しいと感じるほどですから、初心者はまず無理なのではないかと。

基本的な用語の解説などから、しっかりと説明していただきたかったというのが正直なところでございます。

信用貨幣論や租税貨幣論などの説明をもっとしっかりやれば、それだけで高評価できますし、貨幣の3つの機能に関する説明も丁寧にできたはずです。

潜在能力が全く解放できていない主人公が、装備を整えないでモンスターと闘うようなものです。

もったいないという感覚になります( ;∀;)
もっと素晴らしい電子書籍になるはずなのに・・・

さらに言えば、JGP(Job Guarantee Program)に関して言及しているのに、あまりにもあっさりとしか説明しておらず、現代貨幣理論における唯一と言ってもいい政策論を雑に扱い過ぎているのではないでしょうか。

JGP(Job Guarantee Program)に関しては以前の記事でもご紹介しましたが、この記事においても簡潔にご紹介します。

後述する通り米国のMMT支持者から主張されている政策の1つで、中野剛志は「最後の雇い手」と訳している。おおまかに説明すると政府が生活できる程度の給与で無制限に仕事を供給するというものである。

政府がある程度の待遇で労働者を集めるからこれ以下の待遇で働いている労働者はJGPによりブラック企業から離れブラック企業が淘汰されるであろう。


逆に好景気になれば民間企業の待遇はJGPより良くなるので民間企業の求人に対する供給制約にもならないだろうという政策である。


しかし、どのような水準にするのかといった問題があり現実に政策として機能させるにはまだ課題が残っている。

https://dic.nicovideo.jp/a/modern%20monetary%20theory

電子書籍と言えど、有料にしてお金を頂いているわけですから、上記のような説明ぐらいは読者のためを思ってしてあげないと購入してよかったとはなりません。

私も現代貨幣理論を積極的に支持している人間なので、応援したいのですが、応援しにくいという評価をせざるを得ません。

総括:国債の貨幣化について追記してほしい

現代貨幣理論を積極的に支持する人間として、本当にもったいないという感想です。

主張自体に対しては積極的に賛成なのに、電子書籍としては批判的に見なければならないという現状が悲しくてやり切れません。

一読者として、少なくとも国債の貨幣化について追記してほしいと思います。
中央銀行が市中の銀行などから国債を購入すると、利子無し償還期限なしの貨幣となります。

以上です。

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