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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年6月22日(令和元年6月22日)
通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
本日は現代日本において、なぜ「円」が貨幣として流通しているのか、その疑問にお答えできるような記事を書きたいと思います。
端的に申し上げれば、3つの理由がございます。
1、日本政府が法律で貨幣単位を定めているから
2、税金を納めるために必要だから
3、日本政府が何らかの物やサービスを調達するときに支払うのが「円」だから
以上の理由から、我が国日本において、「円」という貨幣が貨幣として受け入れられ、経済活動の中で流通していると思われます。
まずは、日本政府が法律で貨幣単位を決めた「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」の内容をできるだけ簡潔にご紹介したいと思います。
以下は、e-Gov法令検索より一部引用します。
第一条 この法律は、通貨の額面価格の単位等について定めるとともに、貨幣の製造及び発行、貨幣の種類等に関し必要な事項を定めるものとする。
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=362AC0000000042_20150801_000000000000000&openerCode=1
(通貨の額面価格の単位等)
第二条 通貨の額面価格の単位は円とし、その額面価格は一円の整数倍とする。
2 一円未満の金額の計算単位は、銭及び厘とする。この場合において、銭は円の百分の一をいい、厘は銭の十分の一をいう。
3 第一項に規定する通貨とは、貨幣及び日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第四十六条第一項の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。
「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」この記事では略して「通貨法」と呼称します。
我が国日本において「通貨法」が昭和六十二年に制定されました。
この「通貨法」の前には、貨幣法というものが存在しており、「通貨法」はこの貨幣法の代わりに制定されました。
※貨幣法に関して説明すると、あまりにも長くなりますので、この記事では省きます。
上記の通り、我が国日本の通貨単位が「円」であると定められております。
※円の100分の1は「銭」であり、「銭」の10分の1が「厘」とのこと。
なぜ、日本国内において「円」が流通しているのでしょうか。
言い換えるならば、なぜ「円」という通貨以外がほとんど流通していないのでしょうか。
簡単に理由を説明すると、とある政府の統治領域の間で、様々な種類の通貨単位が存在していると、経済活動を営む上でとても不便だからです。
想像していただきたい。
日本国内で、USドル、ポンド、スイスフラン、ユーロなどの通貨が入り乱れ、物やサービスの価格表示も数限りなく表記してあれば、どの通貨で支払うのが割安なのかわかならくなります。
また、とある日本国民がUSドルで支払いたいのに、物やサービスを販売している店舗では、USドルを受け取ることを拒否していた場合、USドルを別の通貨に換えなければなりません。
その場合、両替手数料を支払う必要がございますし、両替時の為替レートの変動を受け、通貨価値が不安定になってしまいます。
自由に物やサービスを購入したいと思ったら、可能な限り多くの種類の貨幣を持ち歩かなければなりませんし、クレジットカード決済の場合でも、可能な限り多くの貨幣での口座を持ち、預金を貯めなければなりません。
そのような不便を避けるためには、国内において単一通貨で、物やサービスの代金を支払うことができるようにするべきですし、借金返済や融資の際のお金も単一通貨にするべきなのです。
その方が面倒がなくて、利便性が高く、国家が決めた通貨だったら信用度も高いとなり、人々が安心して貨幣を受け入れるため、国家統治という観点からは合理的であるとすら言えます。
税金を納めるためには「円」が必要
我が国日本において、なぜ日本円が流通しているのかという点について、2番目の理由を説明します。
税金を納めるためには「円」という通貨が必要だからです。
これを「租税貨幣論」というらしいです。
難しいので、興味がある方は参考URLを貼り付けますので、そちらからどうぞ。
※参考URL:「租税貨幣論」概論
これも考えれば、簡単なことです。
日本政府及び地方地自体は、我々日本国民に対して、公共サービスを提供するかわりに、税金を強制的に徴収します。
その際に、USドルで支払えとか、ポンドで支払えとか、スイスフランで支払えとか、ユーロで支払えとは通知されません。
会社員の所得税なども給与から天引きされているかと思いますが、日本円以外で徴収されることはありません。
必ず、日本円で納めるように通知されますし、天引きされます。
したがって、税金を納めるためには日本政府が法律で定めた「円」が必要となり、「円」に対する需要が発生します。
「円」に税金を納めることができるという価値が生まれます。
であるならば、労働の対価として「円」が欲しい。
物やサービスを提供する対価として「円」が欲しいとなります。
そうやって、人々の日常的な経済活動に日本政府が法律で定めた貨幣単位が浸透していきます。
つまり、普通の一般人が利用できる貨幣として流通するということです。
政府支出する際に支払われるのは「円」
我が国日本において、円が流通しているのはなぜかという3番目の理由を説明します。
政府が何らかの物やサービスを調達する際に支払われるのが「円」だからです。
日本経済において、政府支出(政府最終消費支出+公的固定資本形成)をする際に、法律で定められた「円」が民間企業に大量に供給されます。
例えば、とある橋を修理するため建設会社に、修理を依頼したとします。
その際に支払うお金の単位は何かと言いますと、円なのです。
※法律で日本の通貨は「円」と定められていますから当然と言えば当然です。
その結果、民間企業はその「円」を受け取り、従業員に給料を支払い、資材会社に建設資材の代金を支払います。
法人税や所得税を支払い、日本政府から受け取ったお金の一部は金融機関にに預けます。
そのようなプロセスにより、政府や公共機関以外に「円」が行き渡ります。
身の周りのお金が「円」になるため、人々は自然と「円」を利用し、物やサービスの支払い、労働の対価、融資や借金返済のための貨幣として認知していきます。
以上です。応援よろしくお願い致します。