大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年6月27日(令和元年6月27日)
消費税を価格に転嫁できるのか
消費税は物やサービスの価格に上乗せされる間接税です。
ここで疑問が出てきてしまいます。本当に物やサービスの価格に消費税が上乗せされているのでしょうか。
本当に大企業は下請け企業に対して消費税分を上乗せされた金額を物やサービスの対価として支払っているのでしょうか。
もし、大企業の圧力によって下請けの中小零細企業が消費税分を自腹切って納めているとしたら、消費税は中小零細企業を苦しめる悪税となります。
例えば、とある大企業が下請け企業に対して「今年は経営が厳しいから、消費税分は自腹切ってくれ」と圧力をかけたらどうなるでしょう。
「そうですか、経営が厳しいと・・・だが断る!」と毅然と拒否できる下請け企業は極めて少数なのではないでしょうか。
しかも、消費税分を自腹切らせる大企業が輸出を収益の柱にしている企業だった場合はもっと理不尽なことが発生します。
下請けの中小零細企業が自腹を切って支払った消費税を免税により大企業が還付を受けることができるのです。
大企業が中小零細企業から消費税分を合法的に奪うことができるわけですよ。
もちろん、すべての大企業が下請け企業に対して「いじめ」を行っているとは思いません。
しかし、そういった誘惑に駆られる仕組みが備わっているというのは事実なのです。
輸出をしている大企業だと、消費税を納める金額よりも還付されて戻ってくるお金の方が多いのです。
参照URL:http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/shouhi/111212-01/111212.html
制度的には問題ないことなのかもしれませんが釈然としません。
ここから考えるに、輸出をしている大企業は還付制度があるから消費増税に賛成しているのではないかと疑ってしまいます。
日本経済全体のことよりも自社の利益を第一に考えているのでしょうか。
私には理解できません。
日本経済が健全に発展してこそ、日本企業の繁栄があると思います。
国益を忘れた経営者が、日本経済を痛めつけているのです。
さて、本当に物やサービスの価格に消費税が上乗せされているのか否かというお話に戻りたいと思います。
中小企業庁は消費税転嫁対策特別措置法を紹介し、消費税が適切に転嫁できるように取り締まりますとHPにて告知しています。
消費税転嫁特別措置法とは消費税率の引上げに際し,特定事業者による消費税の転嫁拒否等の行為を迅速かつ効果的に是正するための特別措置など,
所要の法整備を講ずることにより,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的とする法律です。
詳細は内閣府のHPから確認して下さい。
参照URL:http://www.cao.go.jp/tenkataisaku/seido.html
中小企業庁に対して失礼かとは思いますが、本当に実効性のある取り締まりができるかどうかは不透明だと思います。
なぜならば、帳簿に記載されていないお金の流れを補足するのは非常に難しいからです。
参照URL:http://www.zei-tenka.jp/measure.html#a03
実態はどうなのでしょうか。日本商工会議所のHPを調べました。一部引用させていただきます。
日本商工会議所(三村明夫会頭)は、7月2日に「中小企業における消費税の価格転嫁に係る実態調査(第1回)調査結果」を取りまとめました。
http://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2014/0702140000.html
平成26年4月の消費税率8%への引き上げについて、中小企業における価格転嫁の状況を把握するために、全国の3,191事業者にヒアリング調査を行いました。価格転嫁に係る調査は5月と9月の2回行う予定であり、その1回目の調査に当たります。
消費税引き上げ分の転嫁の状況は、約6割の事業者が全て「転嫁できている」と回答しています。一方で、「全く転嫁できていない」事業者は約1割となっています。
消費税率10%への引き上げについては、約4割の事業者が今後も全て転嫁できると見込む一方で、約3割の事業者が現時点では転嫁できるかどうか分からないと回答しています。
この結果を信じ切るわけにはいきません。
サンプル数が3191だけでは少な過ぎます。
その少ないサンプルの約4割の事業者は消費税を完全には転嫁できていないということです。
しかも、日本商工会議所のHPには消費税の転嫁が適切にできていない事例が紹介されています。
消費税転嫁対策特別措置法に基づく公正取引委員会からの勧告が出ています。
詳しく調べてみたい方は公正取引委員会のHPへアクセスして下さい。
参照URL:http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/syouhizei/h26/index.html
事例に目を通すと、消費税は制度的に複雑なのだとよく理解できます。
ここまで、大企業が下請けの中小零細企業に対して消費税分を自腹切らせる可能性について論じました。
ここで留意するべきなのは、大企業だけではなく、最終消費者が中小零細企業に圧力をかけて消費税分を自腹切らせる場合もあります。
消費税は価格交渉において標的になりやすい
私自身の体験を交えて説明しましょう。
私は屋台とか、農家さんが直接販売している市場に足を運んだ経験があります。
私はその当時(約15年前だったと記憶しています)消費税に関して詳しくなく、読者の皆様と同じ善良な消費者でした。
消費者としての自然な思考として、できるだけ質の良いものをできるだけ安価に手に入れたいと考えました。
そんな時に私が採用していた作戦が「消費税分だけ安くしてくれ」でした。
例えば、福島県産のリンゴが1箱12個入りで1200円だったとします。
その当時は消費税率が5%だったので、60円の消費税が上乗せされています。
ここで生産者や屋台の店主に交渉するわけです。通常1箱買うところを2箱買うから、消費税分だけ安くしてくれと。
私はこの作戦で失敗したことがありません。
リンゴ2箱で2520円のところを2400円で買えます。
私が何を主張したいのかというと「消費税は価格交渉において標的になりやすい」ということです。
おそらく私と同じような作戦で消費税負担を免れている最終消費者がたくさんいるでしょう。
最終消費者と事業者の真剣勝負の結果ですから致し方ないですが、こんな不毛な戦いに終止符を打つべきなのです。
以上です。