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不動産大手の恒大集団が債務不履行。これから負の波及効果が生じるのか

更新日:

不動産投資

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年12月12日(令和3年12月12日)

大手格付け会社「フィッチ」が恒大集団の一部デフォルトを認定か

格付け会社フィッチ・レーティングスは9日、巨額の債務を抱えて経営難に陥った中国恒大集団の格付けを部分的な債務不履行(デフォルト)に認定したと発表した。
米ドル債の利払いを確認できなかったためだ。

引用元:中国恒大「一部デフォルト」 フィッチが格下げ

恐れていたことが現実になりました。

大手格付け会社3社、ムーディーズ、スタンド・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングスの中の「フィッチ・レーティングス」が恒大集団の部分的な債務不履行(デフォルト)を認定してしまいました。

上記引用元記事を参照していただきたいのですが、支払い猶予期間に突入していたアメリカドル建ての債券の利払いが猶予期間後においても利払いできなかったため、部分的な債務不履行(デフォルト)になったようです。

これで事態は収束に向かうのではなく、アメリカドル建ての債券の利払いや元本返済などが滞るにつれて、負の波及効果が発生するでしょう。

例えば、不動産会社の連鎖倒産、信用不安に伴う金融機関の破綻、その後の国有化などで、投資家利益が損なわれてしまうと、実体経済が痛むことになります。

債券不安が高まっているのに、債券発行を推奨?

中国は住宅開発プロジェクトの買収などを使途とする社債の発行を優先的に認める。
中国恒大集団が9日、部分的な債務不履行(デフォルト)に陥り、購入者から将来の住宅の引き渡しを不安視する声が高まっている。
社債発行の円滑化を通じて恒大など苦境に陥っている不動産会社を間接支援し、社会不安の高まりや金融システムへの波及を回避する。

引用元:中国不動産に支援策、買収目的の社債を優先発行

ちょっと理解不能なことが進んでいるようです。

恒大集団のような大手不動産会社が部分的な債務不履行(デフォルト)に陥り、債券市場の不安が高まっているのに、住宅関連のプロジェクトにお金が必要だからといって社債を発行することを優先的に認めるようです。

市場原理が根底にある私のような西側諸国の人間には理解不能です。
民間の不動産会社が社債を発行したら、中国人民銀行(中央銀行)がすぐさま買い入れを行うことが前提ということなのでしょうか。

バランスシートが毀損する可能性とバランスシート不況

大手不動産会社の恒大集団が債務不履行となれば、海外投資家のバランスシートが毀損することになります。

資産の一部が消失してしまい、場合によってはその影響で保有している他の資産を売却する必要性が出てくるかもしれません。

それによって資産の売りが広がり、売りが売りを呼ぶということになるかもしれず、実体経済にも悪影響が出ます。
そして、その悪影響というのは、不動産会社が債務不履行したその日に出てくるのはではなく、時間差で襲ってくるということになります。

中国の不動産会社における信用不安が高まり、大小の不動産会社が崩壊して、中国人の不動産投資の多くが失敗に終わるという事態になれば、中国人の爆買いは無くなり、節約モードに突入することでしょう。

それが需要縮小を呼び、設備投資は鈍化して、景気悪化にまでなれば、バランスシート不況の開始です。

中国共産党としては、そんなことになっても公共投資を行い、乗り切れると思ってらっしゃるかもしれませんが、すでに市場としての魅力もない、環境汚染が酷い、市場原理をあまりにも無視する中国経済に未来はありません。

中国版リーマンショックにはならないというのが市場関係者の見方のようですが、私はその危険性はあると思っています。

市場関係者が楽観的に考えているという点が素人の私としては危険の兆候のような気がするのです。

それでも恒大集団の営業は継続するのか

日本では手形の不渡りを半年間で2回起こすと銀行取引停止処分を受け、多くの企業は通常の営業が難しくなるが、中国で同様の慣行はない。
恒大は事業を継続し、香港取引所でも株式の売買が続いている。

引用元:中国恒大デフォルトの可能性 市場はなぜ動揺しない?

各国において、債務不履行やデフォルトの定義が様々でございます。

日本においては手形の不渡りを半年で2回起こすと銀行取引停止処分を受け、営業が難しいことになりますが、中国ではこのような慣行は無く、恒大集団は営業していますし、株式の売買が続いているようです。

中々に混沌な状況が継続しており、いつか根底から崩壊するのではないかと恐怖を覚えます。

営業を継続するということは、できるだけ保有している不動産を売却して、少しでも社債の利払いや元本返済に充当するということなのでしょうか。

それはそれで他の不動産会社との価格競争を激化させることになりますので、不動産価格限定のデフレ・スパイラルに陥ってしまい、不動産会社の倒産を助長しかねません。

不動産価格の下落を力技で止めにきた中国共産党

中国で住宅価格の下落が広がり、大都市でも不動産市場の救済に乗り出す動きが出てきた。
新築物件の値下げ幅を制限したり、不動産融資の規制を緩めたりする。
マンションなどの価格が下がると、地方政府に入る用地の売却収入が減りかねないためだ。

引用元:中国、大都市も不動産値下げ制限 地方財政悪化に危機感

中国共産党は不動産価格の下落に歯止めがかからない現状を打開するため、力技を繰り出してきました。

詳細に関しては上記引用元記事を参照していただきたいのですが、不動産会社や住宅購入者が住宅を購入する場合の資金供給を行うことで、住宅需要を掘り起こすようです。

また、不動産会社に対して不動産の値引き販売に待ったをかけ、新築物件を当局に事前に届け出た価格より15%超値引きすることを禁じる方針とのこと。

中国共産党は資本主義に制限をかけるようでして、価格メカニズムを規制する方向のようです。
安くてもいいので売りたい不動産保有者や安く不動産を手に入れたい個人や法人にとってはある意味打撃になり、控えめに言っても機会損失ということになります。

不動産価格の下落が不動産価格の下落を呼び込むという負のスパイラルを止めるために、しっかりと対策を講じるつもりのようです。

地方政府に入る売却収益(そしてその取引に伴う賄賂など)が減るということになると、あまりにもおいしいシノギが減ってしまうということなので、必死なのでしょうね。

そして、不動産価格の下落とは、中国人民にとっての貯蓄減額のようなものです。
日本人で例えるならば、銀行預金がどんどん目減りしていくという感覚ですので、それは恐ろしいことだと認識しなければなりません。

不動産という資産価値が下落するということは個人や法人のバランスシートが債務超過になる可能性もございますから、消費意欲や投資意欲が減退して、GDPが一気に減少する可能性もございます。

以上です。

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