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国際情勢

プーチン大統領が院政を敷く。憲法改正と首相退陣の裏で権力を掌握?

投稿日:

ロシア

大変お世話になっております。
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uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年1月18日(令和2年1月18日)

メドベージェフ首相が内閣総辞職を表明

ロシアのメドベージェフ首相は15日、内閣が総辞職すると表明した。
プーチン大統領が同日の年次教書演説で提案した政治機構の改革に向けた憲法改正や、貧困の減少など新たな経済政策の実現を急ぐため、自ら退任して政府を刷新する。
プーチン氏が2024年に大統領を退いた後も実権を維持する「院政」に向けて、ロシアの体制移行が始まった。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54443510W0A110C2FF1000/?n_cid=DSREA001

ロシアのメドベージェフ首相が内閣総辞職を表明しました。
プーチン大統領の操り人形と言われていた人間が経済政策の実現と憲法改正のため、退くとのことです。

もちろん、それは表向きの理由でございまして、本当の理由はプーチン大統領が大統領退任後も権力を握るための布石を打つためらしいです。

メドベージェフ首相の後任には連邦税務局のミハイル・ミシュスチン長官が就くことになり、権力基盤が弱く政策に精通した実務型官僚を据え置くようです。

能力が高くて権力基盤が弱い人間ほど操りやすいと考えたのだと推察します。
※参考記事:ロシア、新首相を正式承認 プーチン氏は景気浮揚狙う

メドベージェフ首相は首相退任後に、安全保障会議の副議長として残り、ロシアの国家指導者層には残り続ける見込みです。
無価値になったから用済みということではないようです。

プーチン大統領が憲法改正を訴える

政治システムを変革するための憲法改正案は、(1)首相や閣僚を決める権限を大統領から議会に移す(2)国家評議会の役割と地位を定める(3)大統領の任期を2期に制限する――などが柱だ。
国民投票で最終的に決定するとして、幅広い議論を呼びかけた。
現行のロシア憲法で、首相は大統領が提案し、議会の同意を得て任命する。
閣僚は首相が提案し、大統領が任命する。
今後は首相と閣僚人事の決定権が議会に移ることになり、プーチン氏は「大統領は拒否できない」と明言した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54439160V10C20A1FF1000/

現行のロシア憲法では「連続2期」まで大統領を務めることができます。
したがって、プーチンは「連続2期」まで大統領を務めた後、一度首相になってから、大統領になりました。

「連続2期」という憲法上の制約を突破するためでした。
プーチン大統領が首相を務めたときに大統領になっていたのが、メドベージェフでした。

憲法改正により、大統領の権限を議会へと移管して、プーチン大統領退任の時には、議会の最高責任者となり、院政を敷くつもりのようです。

大統領の任期を「連続2期」までという文言から「2期」に変更することで、自分以外の大統領が事実上の独裁者になることを防止するつもりのようです。

さらに、首相と閣僚人事の決定権が議会に移るため、大統領は拒否することができないようになり、議会に従属する大統領もしくは首相という形式になります。

プーチン政権に不満が蓄積している

プーチン氏は18年の大統領選挙で圧勝し再選を果たしたものの、年金改革で反発を招き、支持率が低下。
さらに、ロシア経済は原油価格の下落や14年のクリミア(Crimea)半島併合をめぐる西側諸国の制裁に圧迫され、停滞しており、国民所得も低下が続いている。

https://www.afpbb.com/articles/-/3263860

プーチン大統領はウクライナの騒乱につけ込み、クリミア半島を併合しました。
その結果、西側諸国(日本も含む)から経済制裁を受けることになり、経済的に低迷しておりました。

地政学というツールを使用してウクライナとロシアの関係について、大雑把な解説を行いたいと思います。

ロシアにとってウクライナは「ロシアにとっての中庭」という感覚なのです。

ロシアは東西冷戦時(当時はソ連)からウクライナは自国の「生存圏」であり「勢力圏」だと考えております。

さらに、黒海に面している国家ということで、海へのアクセスを確保する上でも重要なのです。

だからこそロシアの黒海艦隊の基地をウクライナのクリミア半島で租借しておりました。

※クリミア半島は1992年5月にロシアへの帰属を求め主権宣言したが、のちに撤回したこともあります。
1994年にはクリミアの独立論が活発化した時期もあったようです。

もし、ウクライナが親EU的な態度を強化させ、反露的な国家になったら、ロシアとしては大変困ってしまいます。

「生存圏」と「勢力圏」と「黒海への道」が一気に失われてしまうわけですから、それはちょっとした恐怖ですよ。

ロシアにとってウクライナが失われるということは、我が国日本にとっては台湾が中国の魔の手に落ちるようなものなのです。

地政学的に申し上げれば、ウクライナはシーパワーとランドパワーとの衝突地域であり、ハートランドに近いので、ロシアとっての重要地域なのです。

したがって、ロシアがクリミア半島を併合したのは、地政学的に見れば妥当です。

さらに、年金改革でも国民の反発を招き、支持率が低下しております。

年金支給年齢の引き上げに反対したプーチン大統領

プーチンはテレビカメラを真っすぐ見据えた。「私は退職年齢の引き上げには反対だ」。
人さし指を左右に振って、そう言い放つ。
「私が大統領である限り、そんな決定は下されない」
それから13年。
今も大統領の座にあるプーチンはかつての約束に苦しめられている。
プーチン率いる与党「統一ロシア」は6月14日、年金制度の抜本的な改革案を発表した。
ロシアの年金受給開始年齢は世界でも例外的に低く、男性は60歳、女性は55歳だが、改革案ではそれぞれ65歳と63歳に段階的に引き上げることになっている。
ただし、兵士や警察官など一部の職業は現状のままとする。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/09/post-10928.php

プーチン大統領は年金支給年齢の引き上げに反対していたのですが、年金制度の抜本的な改革案を発表した際に、その約束を反故にしてしまったので、国民に不満が高まっているようです。

そのためにも内閣総辞職ということになったという事情もあるという面もあるのでしょう。

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