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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年4月17日(令和4年4月17日)
貧困が人間の能力開花を妨げる
「貧困」は、子どもの脳や能力と強い関係があることが多くの研究から示されています。
引用元:貧困家庭への現金支給で乳児の脳に変化…最新の研究が明らかにした「親の経済力」と子どもの脳の関係
(中略)
貧困地域で子どもを育てた場合、子どもの平均IQは96(通常IQは100が平均)になるのに対して、中流といわれる家庭環境で育った子どもの平均IQは104だったそうです。
子どもの脳や能力と貧困にどのような関係があるのかという研究がございます。
興味深い内容でしたので、ご紹介します。
上記で紹介されている研究では、「言語能力」「空間的関係の認識」「真実と出来事の記憶」「認知制御」「短期記憶」について、貧しい環境で育った子どもはそうではない子どもよりも劣っているそうです。
また、自己制御能力(目標のために自分をコントロールする能力)も貧しい環境で育った子どもはそうではない子どもよりも劣ってします傾向があるとのこと。
私が上記の研究で想起したのが、マシュマロの実験です。
幼稚園児の目の前にマシュマロを1個置き、一時的に食べるのを我慢したら、マシュマロを2個贈呈する旨をその幼稚園児に伝えます。
その幼稚園児が一時的に我慢できるかどうかをテストしたところ、貧しい環境で育った子どもの我慢できずに食べてしまう確率がそうではない子どもよりも高いのだそうです。
相対的貧困はやはり撲滅しなければなりません。
現金給付で子どもの脳波が強化されたらしい
2018年から、アメリカ国内の出産直後の母親1000人を募集し、母親1000人を毎月333ドル(約3万8000円)を受け取れるグループと、毎月20ドル(約2300円)のみ受け取るグループに分け、実際にお金を支給しました。
引用元:貧困家庭への現金支給で乳児の脳に変化…最新の研究が明らかにした「親の経済力」と子どもの脳の関係
参加者の年間世帯所得の平均は2万ドル(約230万円)程度であったため、月333ドルの給付金がされた人たちは、20%程度給与が増えたことになります。
これは、子どもの出生後から4歳4カ月に達するまで続きました。
2022年1月に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に、貧困が子どもの脳に対してどのような変化を与えているのかを証明できたとの内容が発表されました。
子どもを抱える母親に毎月定額のお金を支給して、その乳幼児が出生後から4歳4か月に達するまで継続調査したようです。
その結果、毎月333ドルを受け取ったグループの子どもと、毎月20ドルを受け取ったグループの子どもで明確な違いがありました。
毎月333ドルを受け取ったグループの子どもでは、高周波数帯域(アルファ波・ベータ波・ガンマ波)で高い脳波のパワーが見られ、高いレベルの教育を受けたのと同様の結果なのだそうです。
少なくとも貧困家庭に対する毎月定額給付が人間の能力開発に役立つことが証明されたことになります。
私個人としては、ユニバーサル・ベーシックインカムを導入するべきと存じます。
それと同時に、貧困家庭に対してはやはり別の社会保障制度を充実させ、手厚く保護するべきという主張も成り立ちます。
国とは人です。
人に対する教育や能力開発には投資するべきでしょう。
その際に問題になるのが、やはり財源論でございます。
どこからそのお金を工面するのかという批判が飛んできます。
日本は財政破綻しない
変動相場制を採用し、自国通貨発行権を保有する中央政府に財政的予算制約は存在しません。
固定相場制を採用している国家であれば、固定相場制を維持するために景気後退局面で政策金利引き上げや金融引き締めに走らざるを得ないかもしれません。
しかしながら、我が国日本は変動相場制を採用しておりますので、金融政策の自由を獲得しております。
ゼロ金利政策や量的緩和政策で、民間金融機関の日銀当座預金(準備預金)を増やし、日本円の価値が下落しても、為替レートが変動するだけです。
また、我が国日本の中央銀行である日本銀行がキーボードタッチするだけで、民間銀行の日銀当座預金(準備預金)を増やすことができる環境で、国債を購入する資金が枯渇するとは考えられません。
発券銀行である日本銀行を事実上の子会社としている日本政府がお金が足りない事態に陥ることはありません。
簡潔に言えば、我が国日本の財政破綻(国債の償還や利払いができなくなること)なぞ絵空事であり、妄想の類なのです。
政府支出の上限はインフレ率で決めるべきだ
これまでで最大だったのは新型コロナの感染拡大を受けて20年4月に閣議決定された緊急経済対策で、財政支出額は48.4兆円だった。
引用元:経済対策、財政支出40兆円超に ばらまき色強く
リーマン危機後の09年4月にまとめた国費ベース15.4兆円の経済対策と比べても突出して大きかったが、今回はそれと肩を並べる規模になる。
私は政府支出の大きさを名目支出額で判断するのは誤りだと思います。
日本政府は自国通貨発行権がございますから、お金を無尽蔵に刷ることが可能です。
ただ、無尽蔵にお金を支出して民間経済の供給能力を超えてしまうと過度なインフレになり、低所得者が物やサービスを手に入れるのが難しい経済が現実のものになるかもしれません。
そういったことを避けるためにも、政府支出の上限はインフレ率であるべきなのです。
言い換えるならば、インフレにできないレベルの政府支出なのであれば、どんなに名目支出額が大きいものであっても過少支出と言えます。
我が国日本の2022年2月のコアコアCPI(生鮮食品及びエネルギーを除く消費者物価指数)は対前年同月比マイナス1.0%でした。
※総務省統計局『2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)2月分 (2022年3月18日公表)』より
どう考えてもデフレが継続している現状がございます。
これでコアコアCPIがマイナスから脱却できない、または2%に到達することができないということであれば、岸田総理が満を持して策定した経済対策は規模が小さいということになります。
※参考記事:消費者物価指数の算出基準を改定。デフレが予想以上に深刻化している
需要が供給を稼働させる
ユニバーサル・ベーシックインカムや貧困家庭への給付金は需要を喚起するだけであり、供給には直接的に影響を及ぼさないため、インフレしやすいという批判がございます。
まず、コアコアCPIがマイナスから脱却できないデフレ経済からの脱却するべきなのですから、需要増大型物価上昇を引き起こしやすい政策を選好するのは当然です。
また、需要が供給を上回り需要増大型物価上昇が発生した場合、民間企業が供給能力をそのまま放置するのでしょうか。
確実に需要増に対応するべく雇用を創出し、設備投資を実施して供給能力の強化に乗り出すでしょう。
例えば、タピオカブーム発生時に日本経済において何が起こったのか思い出してください。
タピオカのお店が乱立して、調理設備とお店の従業員を雇用して、日本人のタピオカを食べたいという需要に対応したではありませんか。
需要増大型物価上昇に対する対処など、民間企業の利潤最大化行動に任せればいいのです。
アダム・スミスの神の見えざる手を需要増大型物価上昇時には信じてもいいと思います。
以上です。