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反逆する武士

世界経済 国際情勢

アメリカのインフレ沈静化は見通せず。設備投資と減税と現金給付実施

投稿日:

アメリカ

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年4月15日(令和4年4月15日)

アメリカのインフレが高止まり

アメリカの先月の消費者物価指数は前の年の同じ月と比べて8.5%上昇し、およそ40年ぶりの高い水準になりました。
(中略)
項目別では「ガソリン」が48%の上昇と大きく値上がりしたほか、「電気代」が11.1%、「食品」が8.8%、上昇しました。

引用元:米 消費者物価指数 約40年ぶりの高水準 記録的インフレに拍車

アメリカの2022年3月の消費者物価指数が発表されました。

消費者物価指数(CPI)は対前年同月比で8.5%上昇しました。
コアCPI、つまり消費者物価指数(CPI)から食料品やエネルギーを除いた商品とサービスの価格変動を測定する指標を見ると、6.5%となりました。

※参考:米国 コア消費者物価指数 (前年比)

その差分は2%であり、前月の消費者物価指数(CPI)とコアCPIの差である1.5%を超えてしまいました。

やはりロシアのウクライナ侵攻によって、原油価格が上昇してしまったことが影響しているようです。

費用増大型物価上昇は何が悪いのか

消費者物価指数(CPI)とコアCPIの差が拡大してしまったことで、費用増大型物価上昇(コストプッシュ・インフレ)の様相を呈しています。

ここに、半導体不足や物流問題なども加わり、アメリカの物価上昇は形成されていると思われます。
費用増大型物価上昇 (コストプッシュ・インフレ) と供給低下型物価上昇(サプライダウン・インフレ)が緩やかに同時発生しているのではないかと推察します。

※参考記事:アメリカ経済は様々な問題で物価上昇と消費マインドの冷え込みが発生

私は需要増大型物価上昇(ディマンドプル・インフレ)は容認しておりますが、費用増大型物価上昇(コストプッシュ・インフレ)や供給低下型物価上昇(サプライダウン・インフレ)は容認しておりません。

なぜならば、需要増大型物価上昇(ディマンドプル・インフレ)は一般庶民の所得や消費が増えるという経済事象に付随して発生する物価上昇なので、一般庶民の懐が痛みにくいからです。

インフレスパイラル

上記の図を理解していただければと存じますが、需要増大型物価上昇(ディマンドプル・インフレ)はインフレ・スパイラルになるので、好循環が生まれます。

しかしながら、費用増大型物価上昇(コストプッシュ・インフレ)と供給低下型物価上昇(サプライダウン・インフレ)は所得が増えていないのに、物やサービスの価格が上昇してしまうので、貧困に陥りやすいのです。

戦争などで原油価格が高騰したら、生活費用が増大して、生活が苦しくなります。
災害などで物流が寸断してしまったら、供給低下により、物やサービスの価格が上昇して、生活が苦しくなります。

一般庶民が困窮するような経済現象はそもそも発生させるべきではなく、発生してしまったとしても生活への打撃は最小限に抑えるべきなのです。

政策金利の引き上げはインフレ対策にならない

私が懸念しているのは、物価上昇を抑制するための手段として、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利の引き上げや量的緩和の段階的縮小に対する期待感が大きいということです。

そもそもアメリカの政策金利とはFF金利のことです。

FF金利とは、民間金融機関間の準備預金(日本における日銀当座預金のようなもの)の貸し借りにおいて、日本の無担保コール翌日物に相当する金利です。

このFF金利を引き上げることで、物価上昇を抑制しようと考えているのです。

15―16日の米FOMCでは25ベーシスポイント(bp)の利上げが予想されているほか、同時に発表される政策金利見通し(ドットチャート)に関心が集まっている。

引用元:ドルは上値をうかがう展開、米FOMC見極め 日銀は無風との見方=来週の外為市場

量的緩和の段階的縮小と量的引締めという方針転換

また、量的緩和の段階的縮小とは、民間金融機関から国債などを買い上げて、民間金融機関の準備預金を増やすということを段階的に止めることです。

我々の保有している銀行預金とは別物の準備預金が増減しても、準備預金の利子率が増減しても我々の預金は変動しません。

さらに、量的引締めを行う可能性もあるとのことです。
それで資源価格や食料品価格が下落するのでしょうか。

それで物流の混乱が抑制され、個人消費が冷え込みますか。
半導体不足が解消されるのでしょうか。
ロシアは戦争を止めるのでしょうか。

政策金利の引き上げ、量的緩和の段階的縮小、量的引締めによって引き起こされるのは、株式投資家や債券投資家などの心理状態の悪化だけです。

民間金融機関の準備預金という数字が変動するだけでは、現実世界に影響は与えられません。

設備投資と減税と現金給付でインフレ退治だ

私はインフレ退治においては、設備投資と減税と現金給付が必要だと考えます。

まず、設備投資を実施することで民間企業は同じだけの資本投下、同じだけの労働力投下でより多くの物やサービスを生産することができます。

物価とは需要と供給のバランスで決まるので、供給が増えれば物やサービスの価格の下落圧力になります。

設備投資減税や設備投資補助金を導入することで、民間企業の設備投資を促進して、生産性向上を図るべきだと思います。

さらに、高騰している物品に対して間接税が課せられているのであれば、それらを廃止または減税することで価格を中央政府の一存で引き下げることができます。

消費税を廃止し、ガソリン税の暫定税率を廃止することで実質的にエネルギー価格を引き上げることができます。

そして、現金給付を各個人に対して実施することで、物価上昇によって失われた購買力を取り戻すことができます。

変動相場制を採用し、自国通貨発行権を保有している中央政府に財政的予算制約は存在しません。

財政破綻というありもしない悪夢を頭の中から消し去り、知恵を絞ればインフレは退治できます。

以上です。

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