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宇宙が戦場になるか無法地帯になるか。宇宙を制する者が世界を制する

投稿日:

宇宙,人工衛星

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年7月29日(令和2年7月29日)

宇宙が戦場になるのは当然の帰結

米国と中国、ロシアによる宇宙の支配権をめぐる競争が激しくなってきた。
衛星情報を基にしたミサイル探知や軍事作戦の指揮・命令系統を混乱させるため、相手国の衛星を破壊・妨害する兵器の開発が相次ぐ。
宇宙の軍備管理は国際法が曖昧とされ、宇宙が「戦場」になる恐れが高まる。

(中略)
宇宙軍備管理では、各国の衛星を守るために宇宙空間への兵器配備の制限などが焦点になる。
協議ではロシアがミサイル防衛システムを含む兵器配備に反対。
一方で米国は配備制限に慎重で宇宙での好ましい行動をまとめた指針の策定を訴え、議論は平行線に終わったとみられる。
中国を交えた3カ国協議や米ロ軍当局者の対話ルート設置も議題にのぼったようだ。

引用元:米中ロ、「制宙権」めぐり攻防激しく

宇宙空間を制する者が世界を制すると言って過言ではないという時代が到来する中で、アメリカと中国とロシアという三国鼎立時代になりそうです。

宇宙空間を軍事的に利用することに関しては、ロシアがミサイル防衛システムを含む兵器配備に反対し、アメリカは宇宙空間を軍事的に利用することに積極的であるため、議論は平行線になったということのようです。

ロシアは他国に対してミサイルをいつでも撃つことができる体制を維持して、自国の国際社会に対する影響力を保持しようとしているため、ミサイル防衛を含む宇宙空間の軍事利用に反対しています。

宇宙空間を平和目的のためだけに利用しようという薄甘い反戦平和イデオロギーを振りかざしているわけではないというところに注意しなければなりません。

アメリカとしては、中東地域のテロリストを発見するため、宇宙衛星が必要ですし、ロシアからのミサイルから西側同盟国を守るためにミサイル防衛網を整備する必要があるので、宇宙空間の軍事利用に積極的なのです。

つまり、国益の衝突が宇宙空間で発生しているということです。

宇宙空間での衛星破壊合戦が勃発か

米空軍で宇宙政策に携わったブライアン・ウィーデン氏は「米中ロの大国間競争下では宇宙空間が直接的な戦闘の場になる可能性が高まる」との見方を示す。
衛星は軍事施設や攻撃目標の偵察、ミサイルの早期探知、各部隊間の通信仲介、武器システムの精度向上といった幅広い役割を担い、宇宙は作戦領域としての重みが増している。
それだけに敵国の衛星を破壊・妨害すれば軍事上有利になる。
米宇宙軍によるとロシアは15日、地球周回軌道上の人工衛星「コスモス2543」から物体を別の衛星に向けて発射し攻撃実験を行った。
ロシア外務省は自国の機器の検査が目的で国際法に違反していないと主張したが、米国は2017年にも同様の実験が行われたと指摘。
ロシアが同一軌道で接近して衛星を攻撃する「キラー衛星」の開発を進めていると疑う。

引用元:米中ロ、「制宙権」めぐり攻防激しく

人工衛星は偵察任務を行い、索敵を行い、通信のハブとしても機能するという多機能ぶりを発揮しております。

したがって、人工衛星を破壊するということは、敵国の目を潰すことであり、ネットワークの中継を破壊することと同義です。

ただ、問題なのは、人工衛星を破壊するとデブリ(人工衛星の破片)が大量発生し、他の非軍事衛星までも故障する可能性が高くなります。

人工衛星を破壊するというのはとてもリスクが高いのですが、国家の緊急事態においてはやむを得ず、衛星破壊合戦が勃発するでしょう。

宇宙条約を改訂するべきだ

宇宙軍備管理をめぐっては1967年に発効した「宇宙条約」がある。
同条約は核兵器を地球周回軌道に乗せないことなどを定めたが、軍備管理としての効力が薄いとの指摘が目立つ。
中国は07年に地上発射型の弾道ミサイルで人工衛星を破壊。
大量のデブリ(宇宙ごみ)が発生して他国の衛星を危険にさらした。
だが条約履行に関する紛争解決メカニズムが未整備で、各国は中国への懸念を表明するにとどまった。

引用元:米中ロ、「制宙権」めぐり攻防激しく

人工衛星を破壊した中国が大量のデブリが発生して、他の衛星を危険にさらしたことがございます。

ただ、宇宙条約に不備があり、紛争解決メカニズムが未整備でしたので実効性のある懲罰ができませんでした。

少なくとも宇宙空間での秩序を保つためにも宇宙条約を整備して世界各国が批准するべきです。

軍事作戦を左右する衛星

中国についても米国防情報局(DIA)は19年の報告書で、中国が地上から低軌道の衛星に搭載したセンサーを攻撃するレーザー兵器を20年中に導入するとの見通しを示した。
中国が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島に造った人工島の一部には電波妨害装置が配備されたとされ、米軍の無人偵察機が使う全地球測位システム(GPS)を混乱させて偵察活動を無力化する狙いとの見方が出ている。

引用元:米中ロ、「制宙権」めぐり攻防激しく

中国は地上から低軌道の衛星に搭載したセンサーを攻撃するレーザー兵器を導入するらしいです。

地上から宇宙空間に存在する衛星を破壊するということは「地対宇宙レーザー兵器」ということになり、兵器の種類としてはとても珍しいことになります。

中国が配備した「地対宇宙レーザー兵器」を予め破壊するか、無力化しなければ、大規模な侵攻作戦は実行することができませんので、アメリカ軍側は行動制約を受けることになるでしょう。

以上です。

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