大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2022年4月24日(令和4年4月24日)
円安を輸出と輸入の両面から考える
「悪い円安」をめぐる議論がかまびすしい。
引用元:「悪い円安」が暴きだすもの
円安は大企業を中心とする輸出企業には追い風。
一方、原材料や輸入品の価格を押し上げ、消費者や中小企業を中心とする内需企業にはマイナスに働く。
我が国日本は変動相場制を採用しておりますから、外国通貨と日本円の交換比率が変動します。
わかりやすいように、日本円とUSドルで説明します。
日本円安のUSドル高であれば、アメリカから見れば日本から輸入した物やサービスが安くなりますので、購入しやすくなります。
言い換えれば、日本の輸出産業の価格競争力が強化されます。
日本円高のUSドル安であれば、アメリカから輸入する物やサービスの価格が高くなりますので、日本国内の輸入業者などは価格転嫁せざるを得なくなります。
言い換えれば、日本の輸入産業の価格競争力が削ぎ落されます。
自国通貨価値が変動するということを、輸入産業と輸出産業の両面から考えなければなりません。
通貨安競争に我が国日本は圧勝しているという見方もできる
総務省統計局が発表しているコアコアCPIでは、我が国日本は明確にデフレであり、産業育成に力を入れ、需要を喚起しなければなりません。
※参考:2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)3月分 (2022年4月22日公表)
そうであれば、輸入した物やサービスを購入せずに、自国内部で生産された物やサービスを購入することを促せる円安というのは、産業育成という観点からは良いと思います。
また、輸出に関しても価格競争力が高まり、国内にその利益が還元されるのであれば、これまた産業育成という観点から良いことです。
国内でお金が周り、雇用が創出され、既存従業員の所得が増えるならば、むしろ景気後退期やデフレ不況期においては、自国通貨安の方が経済運営はやりやすいと言えます。
現状は原油や天然ガスや農作物の価格上昇といった、費用増大型物価上昇が発生しているため、円安のデメリットが大手マスメディアによって強調され過ぎているのではないかと感じております。
間違いではありませんが偏った報道とも言えますし、見方を変えるならば、我が国日本は通貨安競争に圧勝しているとも言えますよね。
円安是正の為替介入には効果があると思う
米金融政策の正常化や日本の貿易収支の悪化が生む円売り圧力は強い。
引用元:円安への対処、悩む日銀 介入なら政策修正で協力か
日銀が為替介入と協調した政策修正を打ち出しても効果は限定的との見方は根強く、円安との戦いは苦しい展開が予想される。
上記引用元で言及されている「政策修正」とは、日本銀行の金融緩和政策を軌道修正するという意味合いのようです。
例えば長期金利の変動容認幅(今はゼロ%をはさんで上下0.25%程度)を広げたり、長期金利の誘導対象を10年物国債利回りから5年債利回りに短期化するというのが挙げられます。
日本政府首脳が円安是正のための為替介入を実施する場合は、その為替介入の効果を高めるために「政策修正」も同時に実行する可能性があるとのこと。
私個人としては、円安是正のための為替介入には十分効果があると思います。
現在の日本円とUSドルの為替レートは明らかに異常な推移をしているため、投機的な日本円売りのUSドル買いを大手ヘッジファンドなどが仕掛けている可能性が高いです。
日本銀行が円安是正のための為替介入を実施するとなれば、大手ヘッジファンドは利益確定のために、USドル売りの円買いに走り、個人トレーダーはそれに追随するでしょう。
為替レートのトレンド転換を政治的に引き起こすことが可能です。
私個人としては、通常は為替レートに介入するべきだとは思いませんが、急激な為替変動を抑制するためならば、為替介入に賛同します。
円安是正のための為替介入の実務
為替市場の急激な変動を抑えるため、各国の中央銀行など通貨当局が自国の通貨を売ったり買ったりすることを為替介入と呼ぶ。
引用元:為替介入とは? 自国通貨の変動抑制
日本の場合、為替介入は財務相が権限を持つと定める。財務相が介入を決めると、日銀がその代理で実施する。
上記の図を参考にすると、以下のような流れになるのではないかと。
※この図ではUSドルと表記になっておりますが、アメリカ合衆国の法定通貨のことです。
①日本円の暴落を受け、財務省が日本銀行へ具体的な指示を出す
日本政府(財務省)は当然のことながら、日本円の為替レートを注視しておりますから、日本円の暴落を受けたら、円安是正(通貨防衛)のための為替介入を日本銀行に対して行うよう指示します。
②外貨準備高の積み上がった米国債を取り崩す
今までの為替介入で、USドル建ての米国債が大量に積み上がっておりますので、それを取り崩すことになります。
USドル売り、円買いというオペレーションをしなければならないので、まずは外貨を手に入れる必要がございます。
③外国債券市場において、米国債を売り、USドルを手に入れる
おそらくは証券会社が取引相手になると思いますが、償還期間が残っている米国債を売り、USドルを手に入れることになります。
④外国為替市場において、USドル売りの日本円買いを実施
円高是正の為替介入と全く逆のことを行うようになります。
USドル売りの日本円買いになります。
そして、補足説明ですが、外国為替市場で手に入れた日本円は政府当座預金として積み上げります。
※政府当座預金とは、日本政府が日銀に預けているお金のことです。
その後、政府当座預金をどのようにするのかは、現時点では不明です。
民間金融機関に売却した国庫短期証券を買い戻す可能性もございますし、一般会計や特別会計に算入する可能性もございます。
※ここは私も理解できていないところです。
以上です。