大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年3月13日(令和2年3月13日)
原油価格が暴落している
中東最大の産油国であるサウジアラビアの無謀ともいえる行動が原油価格の大暴落を招いた。
引用元: サウジの無謀な行動で急落した原油相場の行方
サウジは3月7日に同国産原油の大幅値下げを、そして3月10日には、4月に生産量を2割増やし日量1200万バレルにすることを発表した。
これまでOPECプラス(石油輸出国機構とロシアなどの非加盟産油国の会合)での取り決めを超える減産を自らに課してきたサウジが、増産姿勢を打ち出した衝撃は大きかった。
需給バランスが大きく崩れるとの見方から、WTI原油先物の価格は一時、30ドルを割り込んだ。
サウジアラビアが原油価格を暴落させるほど増産したようです。
その影響でWTI原油先物の価格は一時30ドルを割り、20ドル台になったようです。
実はこれ、株式投資家にとっては由々しき問題なのです。
産油国の王族や原油関係で収益を得ている支配者層が原油での収入が減ったため、株式を売ってでも生活費を確保するということがある得るからです。
なぜこのようなことになってしまったのでしょうか。
その原因や地政学的なことも含めて学習していきたいと思います。
ロシアがOPECで協調減産を拒否
世界景気の減速懸念と、各国で感染が拡大する新型コロナウイルス影響も加わり、年初に1バレル60ドル台だった原油価格は直近で40ドル台まで低下していた。
引用元: サウジの無謀な行動で急落した原油相場の行方
3月5~6日に開かれたOPECプラスは、協調減産で価格回復を図ることが主眼だった。
しかし、サウジに次ぐ産油国であるロシアが減産協力を拒んだことで、2017年から続いた協調減産はこの3月末で終了することになった。
各国が自由に生産を行えるようになるため、需給の緩みが確実視された。
追い打ちをかけるように、サウジが値下げと増産をブチ上げたのだから、価格急落は当然だったといえる。
世界景気の減速懸念などで原油価格が下落していたのに、ロシアが減産協力を拒否して、さらにサウジアラビアが増産したので、原油価格の急落は当然だったと言えます。
需要と供給のバランスが完全に崩れてしまっているようです。
こういった場合、原油によってお金を稼ぎたいという経済的な合理性で動いているのではなく、政治的な思惑で動いているのではないかと予想します。
ロシアのように原油価格が下落することで国家経済全体が落ち込むような経済体質なのであれば、ロシアを弱らせるためにある意味経済戦争的な意味合いがあるのではないでしょうか。
我が国日本は原油を備蓄せよ
我が国日本が原油安で採用するべきスタンスは、スタグフレーション対策として、原油を大量に買い付け、将来の原油高騰に備えるべきです。
そして、こうした商品価格の上昇に起因するインフレへの適切な対策 は「エネルギー貯蔵と忍耐( energy conservation and patience)」 とのことでし た。
引用元:島倉 原. MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論 (角川新書) (Kindle の位置No.2960-2961). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.
レイは石油危機によるスタグフレーションの原因は、エネルギーや食糧の価格の高騰であり、コストプッシュ・インフレ(生産費用増大型物価上昇)だと主張したそうです。
その対処策として、エネルギー貯蔵と忍耐であると主張しています。
「エネルギー貯蔵」とは、石油などのエネルギー商品を、価格下落時には政府 が所定の支持価格で購入して備蓄し、価格上昇時には売却する政策を意味し ています。
引用元:島倉 原. MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論 (角川新書) (Kindle の位置No.2961-2963). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.
まず、エネルギー貯蔵とは何かと申しますと、簡単に説明すれば、原油などのエネルギー資源の価格が安い時に購入して備蓄して、価格上昇時には売却するということです。
例えば、日本政府が石油備蓄基地を設立し、1バレル60ドル以下の水準になったら、原油を購入し、1バレル90ドル以上の水準になったら放出することで、民間企業の資源購入額を少なくすればいいということになります。
そうすれば原油価格の高騰による生産費用は増大しにくく、民間企業が供給する物やサービスの価格へ転嫁されにくくなります。
エネルギー価格高騰への対処策は私の頭の中には無かったので、とても参考になりました。
そして、忍耐に関しては、エネルギーや食糧の高騰は10年以上継続するので、忍耐も必要とのことです。
日本人は忍耐強い民族なので、問題はないかと存じます。
急激なエネルギーと食糧価格の高騰さえ何とかなれば、問題はないでしょう。
原油、小麦、大豆などの価格が低下している段階で、大量一括購入して備蓄して、価格高騰に備えるのが妥当でしょう。
これは個人的見解でございますが、日本はエネルギー価格の高騰に対して、省エネ化を推進し、第一次石油危機と第二次石油危機を乗り越えました。
エネルギー価格の高騰は、さらなる省エネ技術の発展にも寄与するかと存じますので、資源価格が低下している場合に大量に購入して備蓄することさえできれば、スタグフレーションは防止可能なのではないかと推察します。
アメリカのシェールオイルを潰すつもりか
協調減産による需給管理体制の維持が不可能であれば、市場シェア獲得のために価格競争を仕掛け、高コストのシェールオイルなどいわゆるタイトオイル産業の崩壊を促す形で、世界全体の供給水準を抑制しておくことが求められる。
引用元: 原油相場でパニック売り続く、協調減産が無理ならシェールオイル潰し再開か
すなわち、「政策」ではなく「価格」によって需給バランスの安定化が模索される局面に移行する可能性が浮上している。
ダラス米地区連銀の調査によると、米石油会社が設備投資計画で想定している原油価格の中心は53.00~55.99ドルである。
また、開発会社が利益を出せる原油価格の中心は50~54ドルであり、40ドルを下回っても利益を出せるとの回答は全体の僅か14%だった。
アメリカは世界最大の産油国でして、シェール革命で一気に存在感を増しています。
ただ、そのシェールオイルの設備投資で原油価格は50ドル半ばで始まっており、損益分岐点もそこらへんなのでしょうから、少なくとも30ドル台ですと、損にしかならないのです。
アメリカのシェールオイル関連企業は倒産する可能性が高まるでしょうね。
サウジアラビアはシェアを奪うのか
この背景には、協議決裂を受けてOPEC最大の産油国サウジアラビアが協調路線から抜け出し大規模な増産に踏み切って、ほかの産油国からシェアを奪う「価格戦争」の戦略に切り替えたという見方が広がったことがあります。
引用元: 原油価格急落 “サウジがシェア奪う戦略”との見方広がる
サウジアラビアは原油関連のシェアを奪う公算が高いようです。
価格競争していただくと、我が国日本のように原油を購入する側としては大変嬉しいですね。
以上です。