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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2024年6月23日(令和6年6月23日)
最近のロシアの動きとウクライナ情勢をまとめてみました。
ロシアと北朝鮮が相互援助条約に署名した
北朝鮮の国営メディアは20日、金正恩朝鮮労働党総書記とロシアのプーチン大統領が19日に署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」の全文を伝えた。
引用元:情報BOX:ロ朝が調印した「包括的戦略パートナーシップ条約」の概要
プーチン大統領が北朝鮮を公式に訪問し「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名しました。
一部では、露朝軍事同盟と呼ばれているようです。
しかしながら、今回の「包括的戦略パートナーシップ条約」は軍事同盟条約ではありません。
なぜならば、自動参戦条項やそれに準じた条文が無いからです。
例えば、日英同盟の場合は2国以上との交戦となった場合には同盟国は締結国を助けて参戦することを義務と規定していました。
したがって、拙ブログにおいては、ロシアと北朝鮮の「包括的戦略パートナーシップ条約」のことを「露朝相互援助条約」と呼称します。
なぜ相互援助条約と認識するべきなのか
第4条では集団的自衛権を認める国連憲章と、自国の法律に従って「どちらか一方が、武力侵攻を受け、戦争状態になった場合、遅滞なく、保有するすべての手段で軍事的およびその他の援助を提供する」と軍事的な支援について明記しました。
引用元:北朝鮮 ロシアとの新条約全文公開 “戦争状態で軍事援助”明記
全文をしっかりとまとめている日本語の記事は見当たらなかったものの、NHKニュースが一部報じています。
今回の露朝相互援助条約は全23条で成り立ち、第4条が軍事的およびその他の援助を提供すると規定しております。
自動参戦が規定されておらず、相互に援助する義務を課す内容が規定されているのです。
したがって、私は相互援助条約と認識しています。
※参考記事:情報BOX:ロ朝が調印した「包括的戦略パートナーシップ条約」の概要
さらに言えば、経済的な相互援助だけでなく、あらゆる国家間の協力体制を構築するという旨の規定もあります。
ソ連崩壊によって無くなった条約が復活した
旧ソ連時代の「ソ朝友好協力相互援助条約」は、一方が攻撃を受けた場合の軍事支援を規定していた。
引用元:「遅滞なく軍事支援」 全文公開、「同盟」復活―ロ朝新条約
新条約の「武力侵攻」などの文言に解釈の余地は残るものの、旧条約とほぼ同様の内容が復活した。
(中略)
新条約は無期限。
批准後に効力が発生し、現行の「友好善隣協力条約」は失効する。
同条約は2000年にプーチン氏が初めて訪朝した際に締結された。
軍事協力を明記せず、冷戦期の軍事同盟的な性格が弱められたと評されていた。
北朝鮮とソ連は「ソ朝友好協力相互援助条約」を締結しており、ソ連崩壊後に破棄されていました。
その内容は露朝相互援助条約を簡素にしたような条約でした。
その後、2000年にプーチン大統領が北朝鮮を訪問した際に「ロ朝友好善隣協力条約」が締結されました。
「ソ朝友好協力相互援助条約」から軍事及びその他援助を相互に行う内容が削除された内容でした。
※内容が誤っていた場合は、謝罪し訂正します。
2024年6月19日に署名した露朝相互援助条約は、極めて具体的かつ対等な相互援助条約として進化したと評価できるでしょう。
そもそもロシアと北朝鮮は友好的な関係を維持していたので、内容としては妥当です。
個人的には、ロシアの凋落が対外的に示された外交イベントだと思っています。
なぜならば、ロシアのとっての衛星国の1つと目されていた北朝鮮を対等な国家と承認したようなものだからです。
我が国日本としては、冷静に受け止めるべきであり、そこまで恐怖するべきとは思えません。
韓国がウクライナを援助して対抗か
韓国大統領府は20日、国家安全保障会議を開き声明を発表。
引用元:ロ朝新条約は「同床異夢」か 一方が戦争状態になったら「軍事介入」と北朝鮮は言うが、ロシアは「支援」と…
「起きもしない先制攻撃を想定して軍事協力を約束することは詭弁(きべん)だ」と条約を批判した。
国連安全保障理事会常任理事国のロシアを「自ら主導した対北制裁決議を破って北朝鮮を支援することは、韓ロ関係に否定的影響を及ぼす」とけん制した。
大統領府高官は同日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対して殺傷力を持つ兵器は提供しないという政府方針に関し「再検討する予定だ」と明言した。
韓国としては、当然のことながら今回の露朝相互援助条約に反対の意向を表明しました。
なぜならば、北朝鮮と戦争になった場合、ロシアが軍事的な後ろ盾になる可能性が高まったからです。
大統領府高官はウクライナへ殺傷兵器を持つ兵器は提供しないとの韓国の方針を再検討すると明言しました。
これまで韓国は韓国製の武器をEU諸国に売ることで間接的にウクライナ支援をしてきました。
したがって、韓国が直接的にウクライナを支援し、ロシアを敗北に導く可能性が出てきました。
北朝鮮の軍事的な後ろ盾を壊すことが韓国の国益と合致したということなのだと思います。
ある意味当然の判断であり、地政学的にも合理的判断と言えます。
戦場の霧が消えようとしている
第1の変化は、米国はじめ西側諸国がウクライナへの資金・軍事支援を再開したことである。
引用元:F-16と高性能ミサイルの組み合わせで、ロシア軍は壊滅的被害も
(中略)
第2の変化は、米国をはじめ西側諸国が、自国が提供した兵器でロシア領内を攻撃することを容認したことである。
(中略)
第3の変化は、戦闘機のウクライナへの供与が現実味を帯びてきたことである。
上記引用元記事において、アメリカの戦闘機F16を「ゲーム・チェンジャー」とする意見もあります。
しかしながら、私はそこまで劇的に航空優勢が獲得できるとは思えませんし、戦況が激変するとは思えません。
なぜならば、ロシア側にも戦闘機はございますし、対空ミサイルも未だ存在しているからです。
拙ブログの過去記事:ウクライナが宇露戦争に勝利する道筋。戦闘意欲と兵站を重視した結果
それでも、航空優勢が劣勢という状態から脱却できる可能性はありますし、F16だけでなく、その他戦闘機も供与するべきでしょう。
武器・弾薬が補充され、ゼレンスキー大統領を始め、ウクライナ国民の戦闘意欲は未だ衰えず、戦争は継続しています。
今年中には何らかの劇的な戦況の変化が起きるのではないかと期待しています。
以上です。