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現代貨幣理論

雇用保証プログラムの効果と限界。やってみないとわからないのが本音

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現代貨幣理論

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年9月12日(令和元年9月12日)

雇用保証プログラムをアメリカ民主党が推進

米国で、「雇用保証」の提案が注目を集めている。「働きたくても仕事が見つからないすべての人に対し、連邦政府が雇用を保証する」という大胆な提案だ。
2020年の大統領選挙への出馬を目指す民主党の政治家たちが続々と支持を表明している背景には、共和党のドナルド・トランプ大統領への巻き返しを目指す民主党の思惑がある。

https://toyokeizai.net/articles/-/222009

現代貨幣理論において、雇用保証プログラム(JGP)はある意味唯一の政策提言と言っていいでしょう。

簡単に言えば、働きたいという意欲があれば、中央政府が雇用を保証するという制度のことです。

ある意味、完全雇用を達成することが民間企業の自主的な雇用創出に頼らずともできるという制度になります。

以下においては、完全雇用について説明します。

完全雇用とは、とある経済全体で非自発的失業が存在しない状態と定義します。非自発的失業という少々難しい単語が出てきました。

失業には様々な種類がございますので、紹介させていただきます。
本書の本筋とは別なお話ですので、簡潔に説明します。
詳しくはマクロ経済学の書籍を紐解いてみて下さい。

1、自発的失業(労働市場に参入しているが、現行の賃金や待遇では働きたくなく、自らの意思で就業しない時に発生する失業)

ハローワークには登録しているが、就業条件が悪いことを理由として、就職していない場合に該当します。

2、摩擦的失業(地域間,産業間における労働力移動の不完全性,あるいは季節的理由などによる労働需給の一時的不均衡から生じる失業。)

経済成長に伴う、農業から工業もしくはサービス業への転職が国民経済全体でみたら上手くいっていない場合に該当します。

3、非自発的失業(労働市場において現行の賃金や待遇で働く意思があるのに、供給過剰により働けない時に発生する失業)

バブル崩壊後の就職氷河期時代とリーマンショック以後の就職難がこれに該当します。

日本の労働市場において、現在の給料水準で働く気があるのに働けない日本国民が限りなく少ない状態が完全雇用だと言えます。

本記事における「雇用保証プログラム(JGP)」はアメリカ合衆国にて導入されるかもしれないので、詳細に内容をご紹介します。

雇用保証プログラム(JGP)とは何か

雇用保証とは、「働きたくても仕事が見つからないすべての人に対し、連邦政府が雇用を保証する」ことを目指す政策。
民主党系のシンクタンクである予算・優先政策センター(CBPP)が発表したモデル案では、すべての米国民が職に就けるように、連邦政府が雇用を提供する仕組みが提案されている。
実際に提供される雇用は、州・地方政府などからの提案により、それぞれの地域の事情に合わせて決められるが、あくまでも政府として雇い入れる形式であり、民間企業の雇用を補助金で支えるわけではない。

https://toyokeizai.net/articles/-/222009

雇用保証プログラムとは、中央政府が雇い手として機能し、実際に生み出される雇用は地方や州政府によって提案されるようです。

民間企業の雇用を補助金で支えるわけではないというのは、初耳でございました。

この雇用保証プログラムの狙いは3つございます。

1、非自発的失業の解消
2、景気の安定化(失業したらすぐに中央政府が雇うため、長期失業を防ぐ)
3、労働者の地位向上

1に関して説明します。

上記にて説明しました通り、不況期においては非自発的失業が発生します。
働く意欲があり、働く能力があるのに、民間企業の経営陣の判断による失業が発生します。

それを即座に解消することができます。

2に関して説明します。

景気が悪化すると、非自発的失業が増えます。
失業した人間が消費や投資を増やすということは考えにくく、普通は消費や投資を控えるようになります。

消費や投資を控えるということは、民間企業の売り上げが落ちます。
個人の消費は民間企業の所得だからです。

そうすると、さらに景気が悪化するという悪循環が発生してしまいます。
雇用保証プログラムが存在すれば、非自発的失業が発生した場合、即座に失業者が労働者に変わりますので、消費や投資の減退に歯止めが掛かります。

3に関して説明します。

民間企業は不況期において、所得に飢えている労働者の足元を見て、非正規雇用という不安定な立場に押し込め、低所得で働かせようとします。

そのようなブラック企業への抑止力として、雇用保証プログラムは機能します。
ブラック企業で働くくらいなら、雇用保証プログラムを利用するという方も出てくるでしょうし、失業が怖くないから強気に企業と団体交渉ができます。

雇用保証プログラムへの批判

雇用保証プログラムには批判がつきまといます。
主な批判点が3つあります。

1、財源を確保できるのか
2、提供する職の種類と量を確保できるのか
3、行政能力を超えてしまうかもしれない

現代貨幣理論をすでにご存知の方であれば、1に関しては今更感があります。
米国のように、自国通貨発行権を保有しており、自国通貨建ての国債の償還について、財政的予算制約はありません。

私も同意する雇用保証プログラムの批判点は2と3についてです。

例えば、全米で900万人以上の雇用保証プログラムを利用する失業者がいた場合、その失業者に担ってもらう仕事は存在するのでしょうか。

そして、地方政府や州政府において、行政能力(職の割り振りと管理能力)を超える事態になるのではないかと。

限定的なところからやってみたら

結局のところ、限定的にでもいいので、雇用保証プログラムを実施してみて、成功事例を作るところから始めた方がよろしいのではないかと。

実際にやってみて、問題があれば、それを改善するなり、雇用保証プログラム自体を止めるという選択にも納得する有権者が増えるのではないかと思います。

以上です。

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