大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年12月6日(令和2年12月6日)
野菜の価格が下落して農家がピンチらしい
東京・大田市場によると、11月20~26日のレタスの卸売価格(中心価格帯)は前年同期比で61%下落した。
引用元:野菜安すぎ、「利益出ない」と産地悲鳴…生育順調・コロナで外食低迷
ハクサイ58%減、キャベツ35%減、ダイコン16%減と軒並み安い。
農林水産省は、今年は現時点で2008年以来12年ぶりに台風の上陸がないなど天候に恵まれたことに加え、外食需要の落ち込みで、供給がだぶついたことが要因と分析している。
私も最近の報道で知ったことで、拙ブログの読者様にも共有させていただきたいのですが、野菜の価格が下落しているようです。
レタスと白菜が特に安いらしいですね。
卸売価格なので、店頭価格とは別だと思いますが、いずれにせよ、前年同期比で安いことは確実らしいです。
台風の上陸がなく、野菜の生産体制に打撃は無く、外食需要の落ち込みで供給過多の状況のようです。
その野菜が日本国内で生産されたことを確認の上、読者の皆様にはどうか日本の農家を救っていただきたく存じます。
私もさっそくではございますが、本日、野菜を購入したいと思います。
白菜を購入して、お鍋にすることを目論んでおります。
野菜価格の下落を経済学的に分析すると
さて、拙ブログは政治経済系ブログですので、経済学的に野菜価格の下落を分析してみたいと思います。
結論を言ってしまいますと、日本経済にとってはあまり好ましいことではございません。
消費者にとって野菜価格の下落を嬉しいですが、生産者にとっては所得の減少になりますので、日本経済全体にとってはデフレの深刻化を招くことになります。
誰かの支出は誰かの所得であり、消費者が野菜への支出が少なくなるということは生産者の所得が少なくなるということなので、生産者の所得の減少に伴い、景気が悪化する可能性もございます。
農業関係企業の景気悪化につながると、なかなか問題です。
農家がトラクターを購入するといった設備投資が冷え込む可能性がございますし、野菜関連の農薬が売れない可能性がございます。
現実の需要と供給は一般人の想定と異なる
さらに野菜価格の下落について深堀していきたいと思います。
野菜の価格とはどのような要因によって決定されるのかと申しますと、端的に言えば需要と供給のバランスで決まります。
上記のような需要曲線と供給曲線が存在して、需要曲線と供給曲線が交差する点が均衡点となり、需要側と供給側の取引が成立します。
その取引成立時の取引量を均衡取引量と言い、その際の価格が均衡価格になります。
価格が上昇したら、需要が減少して、供給が増加します。
価格が減少したら、需要が増加して、供給が低下するという一般的な経済学で習うような図(上記)となります。
ただし、上記の図はあくまでも一般人の想定する野菜の需要曲線と供給曲線であり、現実はちょっと違います。
現実の野菜の需要曲線と供給曲線
実は、現実の需要曲線と供給曲線は一般人の想定よりも傾きが急なのです。
言い換えるならば、価格に対して需要も供給も敏感に反応するわけではございません。
わかりやすく例えるならば、キャベツ、レタス、白菜などの価格が半額になったとしても、いつもより多くキャベツ、レタス、白菜などを購入すると思いますが、いつもの倍の量を購入することは無いと思います。
胃袋には限界がございます。
また、野菜価格が下落したからと言って、売り物である野菜を卸売市場に出さないというのも難しいです。
収穫の時期を逃すと野菜の価値は暴落しますし、そこまで保存は長くできません。
※もちろん野菜の種類や保存方法などによっても違います。
そして、野菜価格の変動に敏感に反応しないということは、需要の増減や供給の増減によって価格は急激に変化してしまうということでもあります。
※これ、めっちゃ重要です。
ここがかなり難しいところでして、大学でマクロ経済学を学んでいない人間からすると、何のことやねんとなってしまうところでございます。
今回は野菜の需要と供給において、供給が増減した場合に絞ってお話しましょう。
供給が増減すると価格は乱高下するのが野菜である
上記は、現実の野菜の需要曲線と供給曲線において、供給が減少してしまった場合の均衡価格と均衡取引量です。
例えば、台風直撃によって野菜が潰れてしまって、売り物ならないということになったら、野菜の供給が減少します。
供給曲線が左側にシフトすることになります。
したがって、需要曲線と供給曲線が交差する均衡点が左上に移動することで、均衡取引量の減少、均衡価格の上昇が発生します。
簡単に言えば、店頭に並ぶ野菜の価格が下落します。
上記は、現実の野菜の需要曲線と供給曲線において、供給が増加してしまった場合の均衡価格と均衡取引量です。
例えば、天候が良く、台風などによる野菜への打撃などが無かった場合は供給が増えることになります。
供給曲線が右側にシフトすることになります。
したがって、需要曲線と供給曲線が交差する均衡点が右下に移動することで、均衡取引量の増加、均衡価格の下落が発生します。
簡単に言えば、店頭に並ぶ野菜の価格が下落します。
需要曲線と供給曲線の傾きが急であれば急であるほど、需要曲線と供給曲線の右シフトや左シフト(つまりは供給や需要の増減)で価格は急激に変化します。
簡単に言えば、供給曲線が右シフトしても、左シフトしても価格は乱高下するというのが野菜であり、自由主義経済下において、価格の安定化を図るのは難しいと言えます。
じゃあどうすればいいのかと申しますと、限定的な就業保証プログラムを実行して、野菜(大枠で言えば食品)の価格安定化を図るべきなのではないかと。
子供食堂で野菜炒めを提供すれば?
今回のような野菜の供給過多による野菜価格の下落によって、それがあまりにも激しい場合は、需要を底上げするか供給を絞り込むかという方法しかございません。
供給を絞り込むということは、冷蔵庫や冷凍庫で保存するか、堆肥として潰してしまうかということになります。
それはあまり好ましいことではございません。
保存だけならいいですけど、堆肥として潰してしまうというのは生産者の心情を思えば、避けるべきでしょう。
となると、需要の底上げを行い、野菜価格をある程度元に戻すべきなのです。
であれば、就業保証プログラムで子供食堂を平時から整備しておき、野菜価格が2割以上下落した場合に限り、野菜炒めを高頻度で提供しましょう。
野菜を使用したメニューを多くすれば、子供たちは野菜を多く食べることになりますし、野菜価格の暴落への抑止力として機能するのではないでしょうか。
また、野菜価格が高騰した場合は野菜を使用したメニューを減少させつつ、就業保証プログラムに参加していた人材を農業部門にシフトすることで、生産コストを下げることが可能となりますから、野菜価格高騰にも対応可能です。
断言はできませんが、就業保証プログラムを限定的に運用するのであれば、社会全体にとって良い方向に進むのではないかと。
NPO法人を設立して、費用は全部日本政府が支出することで、限定的な就業保証プログラムをお試しで行うのはありのような気がします。
以上です。