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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年5月26日(令和元年5月26日)
日銀当座預金とは何か
本日は金融政策において、日銀当座預金を勉強する記事になります。
金融政策において、我が国日本にとっての中央銀行である日本銀行は”銀行の銀行”という役割を持っております。
民間金融機関は日本銀行にお金を一定割合で預けなければなりません。
その際、具体的にどこに預けるのかと言いますと、”日銀当座預金”になります。
日本銀行のHPから一部引用させていただきます。
日本銀行当座預金とは、日本銀行が取引先の金融機関等から受け入れている当座預金のことです。「日銀当座預金」、「日銀当預」などと呼ばれることもあります。
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i07.htm/
正直に申し上げて、これだけでは何のことかわかりませんよね(笑)
日銀当座預金とはどのような役割があるのでしょうか。
これも日本銀行のHPから一部引用させていただきます。
日本銀行当座預金は、主として次の3つの役割を果たしています。
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i07.htm/
(1)金融機関が他の金融機関や日本銀行、あるいは国と取引を行う場合の決済手段
(2)金融機関が個人や企業に支払う現金通貨の支払準備
(3)準備預金制度の対象となっている金融機関の準備預金
(1)に関して説明します。
国債を発行して資金調達して、公共投資を行う場合などが該当します。
以前、三橋貴明氏(以下敬称略)が作成された図をもう一度ご紹介しましょう。
簡単に言えば、上記の図において①と④において、日本政府や日本銀行との間で決済が行われています。
①においては国債の引き受けですし、④においては政府小切手の決済になります。
日銀当座預金が存在しないと、そもそも国債を購入することができませんし、政府小切手を預金に換えることができません。
(2)に関して説明します。
民間銀行などが、日本銀行券(つまりはお札)だったり、硬貨などの現物のお金を手に入れるためにはどうすればいいかと申しますと、日銀当座預金を引き出す形で、現金を手に入れるそうです。
現金を用意しなければならない場合の決済手段としての役割があるようです。
※個人的にはこれが一番驚愕しました。
参考URL: https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/money/c03.htm/
(3)に関して説明します。
民間金融機関は個人や企業から預かったお金の一定割合を日本銀行に預け入れることが義務付けられています。
この制度のことを準備預金制度と言います。
日銀当座預金の残高そのものが、準備預金としてカウントされる仕組みとなっております。
参考URL: https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/kess/i09.htm/
私が金融政策を学んだときには、この準備率を上下させることで金融緩和と金融引き締めを行っていて、現在でもそれが継続しているという認識でした。
準備率を引き下げると、民間銀行の手元のお金が増えて、融資に回せるお金増えることになり、準備率を引き上げると、民間銀行の手元のお金が減って、融資に回せるお金が少なくなってしまいます。
しかしながら、現在のように短期金融市場が発達した主要国では、準備預金制度が金融政策の手段として利用されてはいないようです。
準備率に関しては1991年(平成3年)10月を最後に変更されていません。
準備率は銀行の種類や預金額によって、様々な区分が存在しております。
例)銀行で定期預金が2兆5000億円を超えていた場合、1.2%になります。
※これは私なりの解釈ですが、短期でお金を融通し合える環境が整えば、準備預金程度のお金ならば、すぐに調達できるため、無意味になっているということなのだと思います。
上記が日銀当座預金(青色のグラフ)の推移になります。
日銀の異次元緩和が継続中であるため、360兆円程度で近年は推移しています。
民間金融機関の国債やCP(コマーシャルペーパー)などをこれ以上購入することができるのか不透明です。
ETFの購入にシフトするつもりなのでしょうか。
申し訳ありません。本題に戻ります(笑)
日銀当座預金を融資に回すことはできない
上記の日銀当座預金の説明で、我々は認識しなければならないことがございます。
日銀当座預金は融資という役割がございません。
言い換えるならば、日銀当座預金を民間(個人及び民間企業)が借りることはできません。
仮にできるとするならば、日本銀行のHPに”民間企業及び個人に対する融資も可能”と書かれているはずです。
これに関しては、国立大学にて経済学を学んだ人間からすれば驚愕の内容なのです。
なぜなら私は、国立大学の金融論の講義で、日本銀行が金融緩和して、民間金融機関が日銀から振り込まれたお金で、個人や民間企業に貸し付けていると思い込んでいたからです。
民間企業への融資を増やすという目的に限定するのであれば、日本銀行が民間金融機関から国債を購入し、その分の代金を日銀当座預金に振り込むというオペレーションは無意味だったということになります。
重ねて申し上げますが、日銀が民間金融機関から国債を購入して、日銀当座預金を増やしてあげても、そのお金で融資することができないのです。
言い換えるならば、日銀が大規模量的緩和しても、お金の流動性は高まらないということになります。
現実のお金の流れというものを理解すると、リフレ派(金融政策重視派)が困るような事実が浮き彫りになります。
私はかねてより、リフレ派(金融政策重視派)に対して批判的だったのですが、本日からはきっぱりと反リフレ派を標榜します。
財政政策と税制改正こそが、我が国日本の経済において決定的な役割を担っているということになります。
以上です。
情報発信を今後とも頑張りますので、応援よろしくお願い致します。