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反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年6月26日(令和元年6月26日)
主流派経済学で税金とは何かを理解しましょう
なぜ日本国民は税金を納めなければならないのでしょうか。
そもそも税金とは何なのでしょうか。
そんな素朴な疑問を出発点として、税金そのものについての主流派経済学的理解を知ることで、現代貨幣理論における税金の考え方との違いを浮き彫りにしたいと思います。
以下は、私が現代貨幣理論を学ぶ前に、某国立大学で学んだ税金に関する認識です。
すべて間違っているわけではございませんが、かなり誤っていると言わざるを得ません。
自省を込めて、ここにご紹介します。
税金とは一般的には「国及び地方自治体が行う公共サービスへの対価」として徴収されるお金のことです。
公共サービスというのは様々な種類があります。代表例を挙げます。
軍事的脅威から日本国民を守るという公共サービス。
警察や司法機関を整備して治安維持に努めるという公共サービス。
道路、橋梁、ダム、堤防などといった公共財を提供するという公共サービス。
医療、介護、生活保護などといった社会保障を充実させるという公共サービス。図書館、公民館、公園、市民プールなどの施設を提供するという公共サービス。
国及び地方自治体が日本国民に対して公共サービスを提供するためにはお金が必要であるということが容易に理解できます。
そのためのお金は国及び地方自治体が行う公共サービスの恩恵を受けている人々から徴収するのは筋が通っているわけです。
したがって、健全な国家を成り立たせるために税金をしっかりと徴収しなければならないのです。
逆説的に言えば、脱税は反国家的な行為です。
国民の義務としても「納税」というのはしっかりと謳われています。
また、税金に関するお話で日本国民が忘れがちなのは、税金を徴収するためには強力な国家権力とナショナリズムが不可欠だということです。
本書におけるナショナリズムとは「国民(もしくは民族)の独立、統合、発展を希求する思想及び運動」であると定義します。
強力な国家権力が無ければ、脱税を摘発することはできません。
納税を拒否した人に対して強制的に支払わせることができません。
税金を徴収するための仕組みを構築することはできません。
ナショナリズムが無ければ「なぜ東京で働いている私の税金が東北の復興なんかに使われるのだ、還せ」となってしまい、
税金をスムーズに徴収することが難しくなるだけでなく、税金の使い道によっては不満が溜まってしまう可能性が高まってしまいます。
最悪の場合、税金の徴収が国家分裂を誘発するでしょう。
とある地方で働いて納めた税金が日本という国家全体のために使われているという現状に日本国民の多数が納得できている状況があるからこそ、我が国日本は成立しているという側面があります。
国家が税金と深く関係しているということを歴史からも学びましょう。
読者の皆様は「日本史」を学ばれましたでしょうか。
「日本史」の教科書で学ぶ、最初の税金として「租」「庸」「調」があります。詳細は省きますが、日本史の教科書に図表付きで記載があります。
注:笹山晴生、佐藤信、五味文彦、高杢利彦(著)『詳説日本史B』山川出版社、2013年を参考にしました
また、戦国時代や江戸時代のお話で出てくる「年貢」があります。
これはお金で支払うものではなく、お米で支払うものでした。
「年貢」が厳し過ぎて生活できない百姓のお話は大河ドラマや時代劇などで見聞きされている方も多いでしょう。
現代の日本においても、酒税、たばこ税、いわゆるガソリン税、消費税、関税、法人税、所得税などが国家運営に深く関わっています。
税金について考え、意見を表明するということは国家の行く末を考えるということです。
税金とその使い道は国民国家の発展を願う者であれば避けて通れない政治的議題であると言えます。
読者の皆様も我が国日本の行く末について真剣に考えていただき、本書に関して容赦ない批判をしていただければ幸いに存じます。
税金の原則を知りましょう。
税金の基本を理解する上で「税金の原則」は避けて通れない項目です。
どのような原則に当てはまる税金が「筋の良い税金」と言えるのか説明します。
参照URL:http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2507/01.htm
筋が良い税金は『公平・中立・簡素』の原則に当てはまります。
まず『公平の原則』について説明します。
『公平の原則』は「垂直的公平性」と「水平的公平性」に分類できます。
年間所得が200万円の日本国民と年間所得が1000万円の日本国民を比較した場合、年間所得が1000万円の日本国民の方が多くお金を支払う税金は「垂直的公平性」が伴っていると言えます。
「お金持ちと貧乏人を比較した場合、お金持ちの方が多く支払う税金」が垂直的に公平な税金です。
また、年間所得が200万円の日本国民が2人存在した場合、2人とも同じ金額を支払う税金は「水平的公平性」が伴っていると言えます。
同じ所得水準の人間は同額の税金を支払わなければ、水平的公平性が担保されていない状態と言えます。
平等に税金を徴収しなければならないと言い換えても問題ありません。
我が国日本の所得税は所得に対して課税され、累進課税なので、公平な税制と言えます。
本記事は税金に関する内容ですので、詳しい言及は避けます。
ただ、所得控除や配偶者控除などによって、同所得の人間でも納める税金額が変化することは追記させていただきます。
あくまで原則論のお話として理解していただければ幸いに存じます。
『中立の原則』とは、税制で個人や企業の経済活動における選択をゆがめないように中立を保つべきだとする原則です。
税制の導入及び税率の変更が社会に影響を与えてしまうことは避けようがありませんが、可能な限り影響を少なくするように努力すべきだということです。
この『中立の原則』に関してはかなり哲学的な考察が必要でしょう。
本書ではこれ以上詳しくは触れません。
『簡素の原則』とは、税制の仕組みをできるだけ簡素にし、理解しやすいものにするべきという原則です。
税金の仕組みが難しいものだったら、税制の理解不足によって、意図せずに脱税してしまう可能性が高まります。政府の立場から考えれば、徴収漏れが発生してしまいます。
それは国家財政の安定化という観点から好ましくありません。
したがって、『簡素の原則』に当てはまる税制は筋が良いと言えます。
以上です。