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反逆する武士

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アンチ・ベーシックインカム論者は生活保護を否定し非労働者を差別?

投稿日:

特別定額給付金 ベーシックインカム

大変お世話になっております。
反逆する武士

uematu tubasaです。
初回投稿日時:2021年8月25日(令和3年8月25日)

議論の前提として、ユニバーサル・ベーシックインカムを定義する

本日は、拙ブログの人気コンテンツとなっている「アンチ・ベーシックインカム論者の批判に反論する記事」でございます。

とは言いつつも、反論というより、あまりにも的外れなベーシックインカム批判を晒して、的確にその不可思議さを浮き彫りにするという性格が強い記事となっております。

私個人としては、現代貨幣理論の提唱者であるステファニー・ケルトン教授並みの的確な批判であれば、大歓迎なのですが、歓迎できない悪口の類が大半でして。

さて、本題に戻りますが、本記事の前提条件であるuematu tubasaが主張するユニバーサル・ベーシックインカムを再度定義していきたいと思います。

ユニバーサル・ベーシックインカムとは、すべての国民に対して定額のお金を定期的に支給することで、相対的貧困を撲滅し、格差是正を行う社会保障政策の1つの形態です。

ベーシックインカム推進の国際機関であるベーシックインカムアースネットワーク (BIEN) はベーシックインカムの定義を公開しました。

※参考記事:https://basicincome.org/news/2016/10/international-biens-clarification-ubi/

簡単にまとめると以下の通りになります。

1、定期的 (Periodic): 一定の間隔で支払われる (例えば毎月ごと)。1回限りではない。
2、現金給付 (Cash payment): 交換に適しており、受領者が何に費やすか決定できるものによって支払われる。

つまり、食べ物やサービス、特定の用途に限られた引換券などは該当しない。

3、個人向け (Individual): 個人に支払われる。世帯への給付ではない。
4、普遍的 (Universal): 資産調査なしにすべての人に支払われる。
5、無条件 (Unconditional): 労働要件や働く意思の実証なしに支払われる。

上記に該当するのが定義上はベーシックインカムとなります。
私の主張するユニバーサル・ベーシックインカムには、以下の条件をさらに付与します。

6、ベーシックインカムの財源として、税金を創設、税率の引き上げ、既存の社会保障の削減は行わない。
7、ベーシックインカムとして支給した現金は所得税の課税対象に含まれる。

8、ベーシックインカムの支給対象は日本国民に限られる。
9、ベーシックインカムの支給額は国民1人当たり月額5万円として、社会的影響を鑑み増減することは有り得る。
10、服役中はベーシックインカムの支給を停止する。

簡単に言えば、日本維新の会のような新自由主義に汚染された社会保障削減型ベーシックインカムではありませんし、過度なインフレを抑制するため所得税の課税対象に含まれ、外国人へは支給しません。

社会保障の多層化を目指すベーシックインカムなので、既存の社会保障を削減することはありません。
また、所得税の課税対象に含めることで、高所得者へのベーシックインカム支給額を抑制することでさらなる格差是正を行うべきだからです。

ユニバーサル・ベーシックインカムは国債を新規発行することで、実現するべきだと考えます。
変動相場制を採用し、自国通貨を保有する政府に財政的予算制約はありません。

さらに付言するならば、日本国民の労働意欲をできるだけ損なわせずに、安心して生活できるような金額を定期的に支給するべきなので、月額5万円とさせていただき、あまりにもインフレになった場合は支給金額の再考もあり得ます。

ベーシックインカムには様々な弱点がございまして、以下にまとめます。

1、公共財(インフラや防衛サービス)が供給されない。
2、労働意欲の減退(自発的失業の発生)が生じるかもしれない。
3、実物資源の制約がある(要するに、インフレになる可能性がある)

公共財が供給されない件に関しては、公共投資をユニバーサル・ベーシックインカムと共に行うことで解決できますし、労働意欲の減退は労働需要を高めつつ、支給額を抑制することでできるだけ回避します。

実物資源の制約に関しては、資源(主に原油など)の備蓄を行いつつ、設備投資減税と設備投資補助金制度を再度実行して、民間企業の供給能力を向上させることで対処可能です。

※あくまでもユニバーサル・ベーシックインカムは様々な政策の1つとして考え、パッケージの一部と捉えるのが妥当だと考えます。

株式会社の存在そのものを認めないつもりか?

上記はTwitterにて、愛国心の足りないらぷとる氏(以下敬称略)から魚拓を取りました。

現在の日本の税制と会社法のまま、ユニバーサル・ベーシックインカムを実現してしまうと、株式会社の配当や投機ファンドの餌になり、物価が上昇しても給付が一定ならば、労働者は酷く搾取されるとのことです。

まず、ユニバーサル・ベーシックインカムを実現した場合、消費が増えるのは当然でございますが、それが配当になるため、反対するということは、株式会社という形態を認めないことと同じです。

愛国心の足りないらぷとるは、消費税廃止によって、消費が増えたとしても、株式会社の配当が増え、投機ファンドの餌になるから、消費税廃止に反対されるのでしょうか。

問題の本質は、ユニバーサル・ベーシックインカムで増えた消費で、民間企業の所得が増え、それが優先的に従業員の給与や設備投資に向かうかどうかであり、配当が出るか否か、配当が増えるか否かではありません。

従業員の給与が十分に増え、設備投資が十分に行われた場合、株主配当が増えても良いと考えます。

したがって、上記ツイートのような主張は、ユニバーサル・ベーシックインカムに反対する論拠ではなく、政府支出拡大や減税に伴いその恩恵が従業員にまで行き渡らない可能性があるという日本経済の構造的問題として問題提起するべきことだと思います。

法人税の税率引き上げで、従業員の給与や設備投資に伴う減価償却で節税を促すことに私は賛成します。
また、賃上げ減税や設備投資減税を実施して、お金を従業員に還元し、供給能力の強化を促すことにも賛成です。

ちなみに、投機ファンドに関してはキャピタルゲイン税を現行の一律約20%から、累進化して、高額のキャピタルゲインに関しては50%程度の税率にすれば良いでしょう。

ユニバーサル・ベーシックインカムを主張する人間に、法人税の税率引き上げに賛成で、賃上げ減税に賛成で、設備投資減税に賛成で、キャピタルゲイン税の税率引き上げに賛成と主張されたら、アンチ・ベーシックインカム論者はどうするのでしょうか。

また、インフレになった場合、ユニバーサル・ベーシックインカムで支給されたお金の価値は目減りしますが、それが嫌ならば働くべきでしょうし、マクロスライド方式で、インフレになった分だけ支給額を増やすことで対処可能です。

ユニバーサル・ベーシックインカムは万能薬ではないのですよ。
それは認めた上で、各個人の口座にお金を振り込むことで、格差是正と相対的貧困の解消に役立つと申し上げている次第なのです。

労働が苦手な人間に対する差別発言なのか

上記はTwitterにて、カニパン氏(以下敬称略)から魚拓を取りました。

おそらく、上記のツイートはユニバーサル・ベーシックインカムを実現して、労働から解放されたい旨を表明したベーシックインカム論者への批判だと思います。

私個人としては、労働意欲をできるだけ損なわないような水準の低額給付をするべきと考えており、労働からの解放までは考えていないのですが、上記の批判もちょっと違うのではないかと。

仮に、月額5万円以上のベーシックインカムを受け取って、働くことを止めた方がいらっしゃって、娯楽(または趣味)やスポーツを楽しむことになったとします。

その場合、 娯楽(または趣味)やスポーツ を行うための資源を誰かが供給することになり、それは労働者が供給することになると思いますが、無料で供給するわけではありませんよね?

カニパンは誰かの支出が誰かの所得という原理原則をご理解いただけていますか。
人は何かを得るためには同等の対価が必要であると「鋼の錬金術師」で学んだことはございますか。

労働者は、ベーシックインカムで労働からドロップアウトした人間から正当な対価をいただき、ベーシックインカムだけで生活する人間よりもさらに豊かな生活を手に入れる可能性が飛躍的に高まります。

物やサービスの需要は増え、労働供給は減少するが、労働需要は高まるわけで、ビジネスの現場で奮闘する人間が有利な立場になると思いませんか?

賃上げ要求しやすいですし、ストライキしやすいです。
労働者がいなくなったら、民間企業のビジネスは成立しませんし、仮に解雇宣告されても労働需要が増えた経済環境下では転職しやすいですし、ユニバーサル・ベーシックインカムで経済的打撃も最小化されます。

ユニバーサル・ベーシックインカムで、インフレになりやすいという点は認めますが、実質賃金が下がるというのは、どういったことなのか理解できません。

労働供給と労働需要のバランスで、賃金が決まるということをご存知ない?
もちろん、すべて労働市場で決まるわけではありませんし、市場原理が上手く機能しない場合もあるということは理解しております。

ただ、インフレで名目賃金だけ上がって実質賃金が下がるという主張になるのか理解できません。
インフレ・スパイラルにおいては、所得が増えてから物価が上昇するのです。

インフレスパイラル

あえて、踏み込んで申し上げますが、上記のようなインフレ・スパイラルにおいては、名目賃金が4%上昇した上で、インフレ率が2%ということはあり得ますが、名目賃金が2%上昇して、インフレ率が4%ということは考えられないのです。

原油に代表される資源価格が高騰した場合や、天候不良などで食糧価格が高騰した場合であればその限りではありませんが、それはまた別の話になりますね。

資源安全保障のために脱原油経済を目指せとか、ドローンやロボットで生産性を高めた農業を発展させ、野菜工場の建設を政策的に後押しするべきという食糧安全保障の話になります。

国家は国民の生殺与奪の権を握っている

上記はTwitterにて、ESPRIMO氏(以下敬称略)から魚拓を取りました。

※ちなみに、上記ツイートにおいては、ミルトン・フーリドマンではなく、ミルトン・フリードマンですし、制裁与奪ではなく、生殺与奪だそうです。

・・・なんかいろいろ間違ってますよと反論せざるを得ません。
アンチ・ベーシックインカム論者の批判って二重三重に間違っていることがありますので、注意が必要ですね。

アンチ・ベーシックインカム論者としては、ベーシックインカムで日本国民へお金を定期的に支給すると国家に生殺与奪の権を握られるので、反対する方が一部にいらっしゃいます。

定期的にお金を支給されるのは、既存の社会保障でも行われていることです。
代表的なのが、生活保護でございますが、国家に生殺与奪の権を握られるので、生活保護に反対なのでしょうか。

メンタリストDaiGoさんの支持者ですか?

さらに言えば、国家はユニバーサル・ベーシックインカムの有り無しに関係なく、国民の生殺与奪の権を握っております。

国家が戦争を決断したら、日本国民の命が奪われる機会が飛躍的に増えますし、消費税なんて物やサービスを手に入れることに対する罰金でございますから、間接的に税率で生きることを支配しているようなものなのです。

国家が国民の生殺与奪の権を握っている現状があるからこそ、政治に真剣に向き合うべきですし、国家権力の乱用を防ぐために監視を怠るべきではないのですよ。

現状認識が甘いと言わざるを得ないです。
現状の日本の安全保障環境において、自衛隊は不要と発言するレベルの甘さと言わざるを得ないです。

国家権力に対して国民から命じる形で、口座にお金を振り込めと主張し、生きるために、物やサービスを手に入れるための手段を配布せよというのは当然の要求なのです。

以上です。

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