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大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2024年2月11日(令和6年2月11日)
紀元節(きげんせつ)は、古事記や日本書紀で日本の初代天皇とされる神武天皇の即位日をもって定めた祝日です。
本当におめでたい日でございます。
さて、日本経済においても素晴らしい事実が明らかになったようです。
経常収支黒字が20兆円を超える
財務省が8日発表した令和5年の国際収支速報で、経常収支は20兆円を超える黒字の高水準だった。
引用元:経常黒字=円高は昔の話 巨大ITへの支払い増が新たな円安要因に 令和5年の国際収支
財務省の国際収支の推移を確認したところ、2023年の経常収支黒字は20兆6295億円となりました。
2022年の経常収支黒字が10兆7144億円ということを考慮すると、約2倍の経常収支黒字となりました。
したがって、日本経済から出ていくお金よりも、入ってくるお金が大きいと言えます。
しかも、それが昨年の2倍近くになっています。
しかしながら、大手マスメディアは事実関係は報道してますが、それ以上の報道はしていないようです。
たった1年で経常収支黒字を倍にするなんて、円安になったとは言え、凄いことですよ。
経常収支とは何か
さて、復習になりますが、経常収支とは何かということを簡潔に説明します。
貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計。
引用元:財務省・用語の解説
金融収支に計上される取引以外の、居住者・非居住者間で債権・債務の移動を伴う全ての取引の収支状況を示す。
つまり、とある国家からお金が外に出たのか、国内に入ってきているのかというお金の流れを統計的に表したものと解釈するのが妥当です。
ただ、これだけではわかりませんよね(笑)
財務省のHPから一部引用させていただきました。
しかしながら、日本国民に理解させないように意図的に難しくしているのではないかと思ってしまうような難解さです。
これから、できるだけ簡潔に説明しますので、お付き合いいただければと存じます。
貿易・サービス収支とは何か
貿易・サービス収支とは何かについて説明します。
これは貿易収支とサービス収支のことをまとめて表しているだけです。
したがって、貿易収支とサービス収支を別々に説明します。
貿易収支とは、物品の輸出と輸入の金額の差分です。
拙ブログにて紹介する予定の財務省貿易統計で公式発表されるものです。
輸出が輸入よりも多い場合は貿易収支黒字であり、輸入が輸出より多い場合は貿易収支赤字ということになります。
例えば、我が国日本がアメリカ合衆国に自動車を輸出すれば、貿易収支にプラス計上されます。
我が国日本が中国から野菜を輸入すれば、貿易収支にマイナス計上されます。
サービス収支とは日本人(居住者)と外国人(非居住者)の間で物品取引以外のサービス取引の収支のことです。
例えば、外国人が京都に旅行して、老舗旅館で宿泊したら、宿泊費が発生しますので、サービス収支が黒字になります。
日本のアニメ関係の物品販売を外国人がする場合に、著作権料などが発生すればサービス収支にプラス計上されます。
外国人が日本の株式を購入する場合に手数料が発生すれば、サービス収支にプラス計上されます。
台湾、ハワイ、イタリアなどの外国へ日本人が旅行した場合は、サービス収支はマイナス計上されます。
第一次所得収支とは何か
第一次所得収支とは対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示します。
いわゆる『所得収支』のことです。
例えば、日本人がアメリカ株を保有していて、配当などを受け取る場合は第一次所得収支にプラス計上されます。
逆に、外国人が日本に投資して、配当を外国で受け取った場合は第一次所得収支にマイナス計上収支と認識していただいて、問題ないと思います。
投資家が海外投資して、その利益を国内で受け取った場合のことなので、あまり実感が湧かない方が多いのではないかと推察します。
第二次所得収支とは何か
第二次所得収支とは居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示します。
いわゆる『経常移転収支』のことです。
例えば、日本政府がアフリカへ資金援助する場合は、経常移転収支にマイナス計上されます。
つまり、サービスや物品の対価ではないお金の移動のことになります。
ここまで、駆け足で説明してきましたが、最初は大雑把でも問題ございません。
大体のイメージを掴むところから始めた方がよろしいと思います。
おそらく、上記をお読みいただければ、イメージはできるのではないかと。
日本の経常収支の推移
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上記が我が国日本の経常収支の推移(暦年)であり、各項目を色分けした棒グラフになります。
見ていただければご理解いただけると思いますが、2022年と比べて、第一次所得収支(所得収支)がほぼ同じ水準です。
一方で、貿易赤字が大幅に減少したので、大幅な黒字となった模様です。
所得収支は円高に寄与しないのか
経常黒字に最も寄与したのは、海外との利子や配当金のやり取りを示す第1次所得収支で、その黒字額は34・5兆円と過去最大を記録した。
引用元:経常黒字=円高は昔の話 巨大ITへの支払い増が新たな円安要因に 令和5年の国際収支
日本企業が安定収益を求めて海外展開を積極化してきたためだ。
ただ、このうち3分の2以上を占める再投資収益や配当金、債券利子はドルから円に戻されることなく、海外で再び投資に回される傾向にある。
みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストの試算によると、5年の経常収支は受け取ったり支払ったりするお金の流れを加味すると、約1・8兆円の赤字。
前年よりも赤字幅は縮小したが、これらの投資収益は投資残高が増えるほど多くの配当が見込めるため、第1次所得の多くが円に戻りにくい構造は今後も維持されやすいと考えるのが自然だ。
経常収支黒字を受け、産経ニュースがみずほ銀行のエコノミストを利用してよくわからない記事を出してきました。
第一次所得収支で大幅な黒字を出したが、その3分の2以上は外貨から日本円に戻されることなく、海外へ再投資される傾向なのだとか。
みずほ銀行の唐鎌大輔氏によると、2023年(令和5年)の経常収支は約1.8兆円の赤字・・・らしいです。
どういった試算をしているのか、どういった前提条件なのかが明示されていないので、信憑性は皆無です。
しかしながら、産経ニュースが日本の経常収支黒字に難癖を付けたいという意図だけは伝わる記事でした。
アメリカ株で高配当銘柄に投資するETFが存在して、そこから得た配当は当然のことながらUSドルになります。
そのUSドルを日本円に替えるのではなく、USドルのままで運用を継続したら、円高要因にはなりません。
問題はその割合でして、どういった前提条件、どういった根拠での試算なのかわからない以上、評価できません。
ちなみに、私は積極的にUSドルを日本円に両替しようと思います。
なぜならば、1USドル=150円以上の円安が長期的に継続するとは思えないからです。
テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、ちょっと考えにくいですよね。
本当に危惧するべきは巨額の経常収支赤字が複数年継続すること
私の現在の考えを述べたいと思います。
我が国日本は債権国家です。
経常収支黒字、海外にお金を貸しており、そこから利子や配当をいただく所得立国(投資立国)と言えます。
けれども、何らかの要因(様々な要因があるので、本記事では省略)で経常収支赤字になったとします。
それが為替レートに影響を与えるレベルで巨額であり、それが複数年継続してしまった場合は厄介です。
極端な例を出せば、1USドル=360円(いつの時代だよ)の場合を考えてみましょう。
物やサービスを輸入するときの価格が上昇してしまい、輸入品の価格上昇による物価上昇が激しくなってしまうかもしれません。
例えば、原油などがあまりにも高くなり、それに伴い灯油やガソリンも高くなります。
それらを利用して生産される物やサービスの価格が高くなってしまったら、低所得者から困窮してしまうことになります。
逆に言えば、そういった事象にならない限りはそこまで経常収支赤字を気に掛ける必要はないと思います。
長期間に渡り、国家を運営すれば、経常収支赤字になることもあるでしょうし、貿易・サービス収支が赤字になることもあるでしょう。
怖がる必要はありませんよ。
積極財政で公共投資を行い、産業育成政策に乗り出し、供給能力を向上させることで乗り切れます。
以上です。