大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2019年8月19日(令和元年8月19日)
昭和天皇のお考えを紐解く新資料が公表
初代宮内庁長官を務めた田島道治(みちじ)氏が昭和24~28年、昭和天皇との詳細な面会内容を書き留めた記録が存在することが19日、明らかになった。
https://www.sankei.com/life/news/190819/lif1908190024-n1.html
宮内庁長官の田島道治氏が昭和天皇との詳細な面会内容を書き留めた記録が存在することが明らかになりました。
私にとって、昭和天皇とは歴史上の人物であり、昭和天皇が無くなった年に生まれました。
激動の20世紀を生き抜いてきた昭和天皇がどのようなお考えだったのかということを知るための資料が公表されたとのことで、そのお考えをしっかりと学びたいと思います。
再軍備と憲法改正に言及していた
記録によると27年当時、昭和天皇は度々、日本の再軍備や憲法改正に言及。憲法については「他の改正ハ一切ふれずに軍備の点だけ公明正大に堂々と改正してやつた方がいヽ」(27年2月11日)、再軍備に関しても「侵略者のない世の中ニなれば武備ハ入らぬが侵略者が人間社会ニある以上軍隊ハ不得己(やむをえず)必要だ」(同3月11日)などと述べていた。
https://www.sankei.com/life/news/190819/lif1908190024-n1.html
昭和天皇は憲法改正のお考えを持っていたようです。
他の改正には一切触れずに軍備の点だけ公明正大に堂々と改正した方がよいとおっしゃたそうでして。
仮に、日本国憲法で一番改正するべきところはどこかと聞かれたら、当然のことながら憲法9条であると答えます。
時代的背景なども考慮に入れるならば、リアリズムに立脚したお考えであると思います。
私は憲法改正に関しては3点に絞るべきだと思います。
1つ目は憲法9条の件であり、2つ目は皇室典範を皇室の家法に戻すことであり、3つ目は憲法改正の要件緩和の件です。
上記3点を簡潔に説明するならば、憲法9条を改変し、少なくとも常備軍を保有し、自衛権を行使できるようにすること。
憲法2条を改正し、国会の議決が無くとも皇室典範を皇室会議での議決だけで改正できるようにすること。
憲法96条を改正し、国会の各議院の総議員の5分の3以上の賛成で憲法改正が発議できるように改正することなどです。
この記事においては軍備に関して説明させていただきますが、国際社会とは無政府状態であり、紛争を解決するための上位政府が存在しません。
例えるならば、日本国内において警察が存在せず、司法機関も存在せず、政府も存在しないというのが無政府状態ということです。
そのような場合、自警団を結成し、自らの安全を保障するしかないと考えるのが常識人の発想です。
昭和天皇はそのような発想ができる人であり、常識人だったと言えます。
反省を示したかったが、時代がそれを許さず
拝謁記にはサンフランシスコ平和条約発効後の52年5月3日の式典で昭和天皇が述べたお言葉の作成過程が記録されていた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48729110Z10C19A8CR8000/
昭和天皇は「私ハどうしても反省といふ字をどうしても入れねばと思ふ」(52年1月11日)などと語り、「反省」という文言を盛り込みたいとの意向を繰り返し示していた。
だがその後の宮内庁の検討で「反省」の文字が草稿から削除された上、吉田首相が「戦争を御始めになつた責任があるといはれる危険がある」と反対。
昭和天皇が希望した戦争への深い悔恨の念を表現した一節がすべて削除された。
昭和天皇は、サンフランシスコ平和条約発効後の式典にて、反省という文言を入れたいというご意向を示されたそうです。
時の内閣総理大臣である吉田茂に反対されたとのことです。
この一連の流れはその当時の国際情勢からすると当然だと言えるでしょう。
その当時、ソ連などが昭和天皇の戦争責任を追及するような動きがあり、アメリカとしては日本統治のためには天皇という存在を利用しようと考えていました。
日本としても国体護持が降伏条件として絶対必要でしたので、アメリカの意向を利用する形で、昭和天皇に戦争責任が及ぶのを防ぎ、ソ連に戦争責任を追及されるような口実すら与えないようにしていました。
反省という言葉が式典のお言葉に入ることになれば、ソ連が黙ってはおりますまい。
吉田茂は開戦責任を問われる可能性があるとして、反省というお言葉が入るのに反対しました。
臣下として当然の諫言だったと言えましょう。
軍閥の復活に反対しつつも、軍備に言及
旧軍の復活には反対し、独立回復後の同年5月8日には「再軍備によつて旧軍閥式の再擡頭(たいとう)は絶対にいやだが去り(原文ママ)とて(ソ連の)侵略を受ける脅威がある以上防衛的の新軍備なしといふ訳ニはいかぬと思ふ」と述べたという。
https://mainichi.jp/articles/20190819/k00/00m/010/088000c
昭和天皇は旧軍の復活には反対していたようです。
旧軍の復活というより、軍閥の復活には反対していたというのが正確な表現なのではないかと推察します。
軍閥の反乱にはお怒りを示し、自ら鎮圧に乗り出そうとなさった昭和天皇としては当然のお考えだと推察します。
私も自衛隊を名目的にも実質的にも軍隊にするべきだと思いますが、軍閥や旧軍を復活すべきとは思いませんし、むしろ反対します。
昭和天皇はそれでもソ連などの共産主義陣営側の軍事的脅威を認識しており、軍備は必要なのだとおっしゃったようです。
昭和天皇は常識人でした。
こんな天皇陛下がいらっしゃたことに凄い安堵しています。
以上です。