
大変お世話になっております。
反逆する武士
uematu tubasaです。
初回投稿日時:2020年7月8日(令和2年7月8日)
経常収支は黒字だが、外需喪失
財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、5月の経常収支は1兆1768億円の黒字となった。
引用元:経常収支5月は1兆1768億円の黒字 前年比縮小、コロナで海外からの配当減
ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値(1兆0882億円程度の黒字)を上回った。
経常黒字は71カ月連続だが、前年同月に比べて4543億円黒字幅は縮小した。
2020年5月の経常収支は1兆1768億円の黒字となりました。
経常収支というのは、日本に入ってくるお金と日本から出ていくお金の収支であり、5月だけで我が国日本に1兆1768億円のお金が入ってきました。
※参考:財務省 国際収支の推移の6s-1-4 国際収支総括表【月次】より
その内容を精査すると、貿易収支が約5568億円の赤字、サービス収支が約925億円の赤字、所得収支が約2兆434億円の黒字、経常移転収支が2173億円の赤字となっております。
はっきり申し上げて、我が国日本は貿易立国ではなく、所得立国であり、外需が低迷しており、貿易で外貨を獲得するのが困難な情勢であるということがはっきりとわかります。
諸外国で新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、経済活動の低迷が続く現状においては、我が国日本は外需に頼らず、内需拡大するしか経済成長する術を持たないのです。
残業代が約25%低下、懐が寂しくなる
厚生労働省が7日発表した5月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、残業代などを示す所定外給与は1万4601円と前年同月比で25.8%減った。
引用元:所定外給与、5月25.8%減 コロナで残業3割減る
下げ幅は比較可能な2013年1月以来で最も大きかった4月からさらに悪化した。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、休業もしくは時短営業を強いられた方も多いと思われます。
毎月勤労統計調査によると残業代が対前年同月比で約25%減少しました。
私もそうなのですが、基本給の少なさを残業代で補う人間も多いので、これは家計の消費が低迷すること確実でしょう。
内需拡大を目指すべき我が国日本において、家計の所得が低迷しているのは由々しき事態であると認識するべきです。
総務省の5月の労働力調査で、非正規従業員は61万人減った。
引用元:所定外給与、5月25.8%減 コロナで残業3割減る
失業者が増加する一方、仕事を持っている人でも給与が減り生活が苦しくなっている可能性がある。
消費の低迷は小売りや飲食といった企業に打撃を与える。
宿泊業や飲食業をはじめとした休業者数は5月に423万人に達した。
企業の業績悪化が長期化すると、働いている人の給与が落ち込むだけでなく、解雇や雇い止めが一気に広がる懸念もある。
しかも、非正規雇用者が減少してしまい、消費の低迷はさらに加速されることが予想されます。
休業者数も増えてしまっており、休業者が失業者に変わることもあり得ます。
コロナ失業の本番はこれからだ
破綻に至らないまでも、派遣などの雇い止めや解雇などが増えている。
引用元:迫る「失業率2割」の足音 世界で格差再生産
国内の5月の完全失業率(季節調整値)は2.9%と前月比0.3ポイント悪化し、完全失業者数は197万人と同19万人増えた。
クレディ・アグリコル証券の森田京平・チーフエコノミストの推計では、失業率は20年4~6月期には3.5%に急伸する可能性があるという。
「外食やホテル、小売りなどサービス産業はもともと、女性の非正規労働者が多く、雇い止めなどで生活が脅かされる結果になった」(大沢真知子・日本女子大教授)。
5月の非正規労働の雇用者数は前年同月比61万人減った。
冒頭のようなケースが広がっていることが想像される。
(中略)
日本も人ごとではない。
前出の森田氏の予測では「同10~12月期には失業率は5%台に急伸する可能性があり、就業者数は約300万人減少する恐れすらある」という。
2020年の5月の完全失業率(季節調整値)は2.9%と悪化の一途をたどってしまっており、非正規雇用者が雇い止めで離職することにもなりました。
クレディ・アグリコル証券の森田京平・チーフエコノミストの推計では、完全失業率はさらに悪化して、5%台まで上昇する可能性があるとのことです。
完全失業率は、失業者がハローワークに登録することで初めてカウントされますので、非正規雇用者だったパートの主婦が、就職活動を諦めていて、ハローワークに登録せず、家事と育児に専念することになったら、失業者になりません。
したがって、完全失業率が実態を表す指標なのかという点には疑義がございますが、完全失業率が5%台になるということは、ハローワークに登録しない失業者も含めると失業率は実質的に10%を超えるのではないかと考えます。
日本経済のV字回復を口にする前にやるべきこと
以上を踏まえると、外需が喪失し、残業代も減少し、失業がこれからどんどん増えるということになると、どう考えても消費は低迷します。
失業して消費を増やす人はいませんし、残業代が減少して消費を増やす人はいませんし、外需が喪失して輸出関連企業の業績が悪くなれば設備投資や雇用創出に動くことはありません。
はっきり申し上げて、デフレ・スパイラルが進行することにより、ますます景気は悪化するでしょうし、日本経済全体が沈没する可能性が高いです。

であるならば、変動相場制を採用しており、自国通貨を保有する財政的予算制約が無い日本政府が財政出動して、お金を民間経済に流し込むしかないのですよ。
日本経済のV字回復なんて口にする暇があるのならば、第三次補正予算をしっかりと議論して決めていくべきです。
以上です。